好メンバーが揃ったクラシック初戦

4月18日(日)に中山競馬場で行われる皐月賞(GⅠ・芝2000m)。ホープフルS1着馬ダノンザキッド、共同通信杯を完勝したエフフォーリア、弥生賞1着馬タイトルホルダーなど好メンバーが集まり、確固たる主役がいない難解な一戦。混戦を断ち牡馬クラシック初戦を制するのは果たしてどの馬か。過去の傾向も踏まえつつ予想していく。


前走1着馬が好成績

皐月賞インフォグラフィック2ⒸSPAIA



まずは過去9年(※10年前の2011年は東京開催のため除外)の皐月賞3着内馬の前走成績を見ていく。皐月賞3着内馬の前走は、弥生賞、スプリングS、共同通信杯、若葉S、ホープフルSなど多岐にわたっているが、重要なのはその着順だ。前走で5着以下に敗れていた馬は1頭も馬券に絡んでおらず、前走4着以内が最低条件だ。

また皐月賞3着内馬計27頭のうち、前走1着馬は18頭、前走2着馬は5頭だった。好走馬のほとんどが前走連対馬であり、その中でも前走1着馬が群を抜いて成績がいい。皐月賞まで順調に歩を進めてきた馬を狙うのが賢明で、あとは各路線の力関係が重要になってくるだろう。


中山コースの経験はそこまで重要ではない

過去9年皐月賞・中山経験有無別成績ⒸSPAIA


皐月賞が行われる中山競馬場は、直線に急坂があり小回りでもある特徴的なコースだ。そのためコース経験が活きてくるのではないかと考え調べてみた(データは過去9年)。すると、中山芝コースの経験がある馬は【5-5-8-90】で勝率は4.6%、3着内率は18.6%だった。これに対し中山芝コースの経験がなかった馬は【4-4-1-40】で勝率8.2%、3着内率は18.4%であり、未経験の馬の方が好成績だった。

コースを経験していないことがプラスに働くというわけではないだろうが、少なくともコース未経験がマイナス要素となることはないだろう。今年の人気馬ではエフフォーリアが中山未経験だが、データ上では問題なしだ。

なお、執筆時点では土曜日の夕方から日曜未明にかけてまとまった雨が降る見込みで、馬場状態が心配される。ただ、レースが行われる時間帯には止む予報であり、気温も高く風もやや強いようなので馬場の回復が進むと考えられる。雨量次第になるため当日の馬場状態を要チェックだが、良馬場か良に近い稍重を想定して予想していく。


エフフォーリアの戴冠に期待

以上を踏まえて本命はエフフォーリアとする。この馬は前述した通り成績の良い前走1着馬であり、中山コース未経験も全く問題ない。そして1番のアピールポイントは前走共同通信杯での強さだ。好位追走から直線で他馬を置き去りにし、2着以下に2馬身半という決定的な差をつけた。負かした相手も十分強く、2着馬のヴィクティファルスがスプリングSを制覇、3着馬のシャフリヤールが毎日杯を制覇という結果を残した。これだけの相手をあっさり負かしたのであれば、世代屈指の実力と言っていい。

馬場が極端に渋るのはプラスではないだろうが、稍重程度であれば問題なくこなせるはず。鞍上は5年目の横山武史騎手だが、今年に入って既に重賞3勝と存在感を見せており、昨年は関東リーディングに輝いた。今や関東ではナンバーワンと言えるジョッキーであり、初GⅠ制覇を果たす時が来た。

対抗はアドマイヤハダル。前走の若葉Sはかなりの好内容。直線で一気に抜け出し、2着馬シュヴァリエローズに3馬身差をつけたのには驚いた。アイビーS(4着)やエリカ賞(1着)の印象とは変わり、休みを挟んだことで切れる脚を使えるようになったのは成長の証。馬体重もプラス4キロ→プラス8キロとしっかり増えてきており、明らかに成長している。

鞍上がルメール騎手となったことで過剰人気しそうなのは残念だが、裏を返せば陣営の本気度も窺える。一線級との戦いは初めてだが、成長した今ならあっさり通用しても驚けない。

3番手にヴィクティファルス。共同通信杯→スプリングSと2走続けて好走している馬だが、共同通信杯はスローの上がり勝負、スプリングSは雨馬場の力比べ。全く違う条件での好走で着差以上に中身が濃い。能力的にも、共同通信杯の2着争いでシャフリヤールを競り落としたことから十分トップクラスで、エフフォーリアには敵わないまでも、2.3着争いではこのメンバーの中でも上位に位置づけられるはずだ。どんな条件でも好走できる強みを活かせば上位を狙える。

4番手にラーゴム。前走のきさらぎ賞は荒れた内を通りながらも、ヨーホーレイクの追撃を抑えて1着と力を見せた。立ち回りが上手く前目で競馬できることから中山コースも問題ないだろう。他に人気しそうな馬が多いが、相手なりに走る馬で安定感があるので馬券的に狙う価値は十分ある。

5番手にアサマノイタズラ。前走のスプリングSでは、押し切るかというところでヴィクティファルスに差されたが後続は離しており、この馬も十分強かった。そのうえ一度交わされてからも差を詰めにいっており勝負根性も備わっている。また、デビューからずっと中山を使ってきているが、崩れたのは前が壁になってほとんど追えなかった水仙賞の4着のみ。雨の影響が思ったより残ればなおさら激走の可能性もあるので、穴として是非とも狙いたい1頭だ。

ダノンザキッドは前走の弥生賞3着が不満で、休み明けとは言え物足りない印象だった。またホープフルSや弥生賞の映像を見ていると、坂での伸びが鈍く坂を上り切ってから再び差を詰めてきているように感じられる。急坂が苦手なタイプで、東京競馬場のように坂を上り切ってから距離がある競馬場の方が向いているので、ダービーでは十分狙えるが今回は見送りだ。また、タイトルホルダーの前走はマイペースの逃げに持ち込めたことが勝因で、恵まれた面は否めない。2歳時の戦績からやや力は劣ると見て消しとする。

買い目は◎エフフォーリアからの3連複1頭軸流しで勝負したい。ダノンザキッドを外したので、その他は人気サイドでも十分配当を狙えるはずだ。(文:川崎)

▽2021皐月賞予想印▽
◎エフフォーリア
○アドマイヤハダル
▲ヴィクティファルス
△ラーゴム
×アサマノイタズラ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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