4番で満塁アーチ!田淵&岡田超え確実?

阪神・佐藤輝明の勢いが止まらない。4月末までの7本塁打は、ドラフト制後の新人では2003年の村田修一(当時横浜)に並んで最多。5月2日の広島戦(甲子園)では4番で起用され、野村祐輔から8号満塁アーチを放つなど首脳陣の信頼もつかんでいる。

現状では阪神元監督の岡田彰布がルーキーイヤーの1980年に放った18本塁打や、1969年に田淵幸一がマークした球団新人最多記録の22本塁打を上回るハイペース。それどころか、1959年の桑田武(大洋)と1986年の清原和博(西武)が持つ31本塁打のNPB記録更新さえも不可能ではないと思わせるだけのパワーを見せつけている。

三振数もブライアント超え?

本塁打とともにハイペースで記録しているのが三振だ。44三振は両リーグ合わせても断トツトップ。三振するまでにかかる打席数を示すPA/Kは2.65だから、平均すれば3打席以内に一度は三振していることになる。

30試合で44三振なので、単純計算すると143試合で210三振ペース。これは1993年に近鉄のラルフ・ブライアントが記録した204三振を上回るのだ。同年のブライアントのPA/Kは2.70だったので、佐藤がこれまでのペースのままフル出場を続ければ、シーズン最多三振記録を更新することになる。

シーズン最多三振ランキング


ちなみにシーズン三振記録のワースト5のうち4回はブライアントが記録。198三振した1990年はPA/K2.33と、ほぼ2打席に1回は三振だった。

それだけ三振をしても起用されたのは長打力を期待されていたからで、実際、最多三振の1993年は42本塁打、ワースト3位の187三振した1989年は49本塁打でいずれもタイトルに輝いている。三振に目を瞑ってでも一発で取り返す魅力がブライアントにはあった。

ベンチの我慢で大きく成長した村上宗隆

ルーキーの佐藤も結果を残している限り、スタメンを外す理由はない。ただ、これから暑くなり、初めてのプロ生活で疲れが出てくる上、相手チームの研究も進む。いつかスランプに陥る覚悟は必要だろう。

その時にベンチはどこまで我慢できるか。参考になるのが、2019年にワースト4位の184三振を喫したヤクルト・村上宗隆だ。

高卒2年目だった村上は守備にも不安があったが、ベンチはいくら三振してもエラーしても使い続けた。143試合にフル出場した結果、36本塁打、96打点をマーク。実戦での経験が活きた3年目は115三振と大幅に減らし、28本塁打、86打点を記録した。

九州学院高時代はともに「BIG3」と呼ばれた早稲田実・清宮幸太郎(現日本ハム)、履正社・安田尚憲(現ロッテ)の陰に隠れていた村上が、今やセ・リーグを代表するスラッガーに成長したのもベンチの我慢があってこそなのだ。

ただ、大きく違うのはチーム事情。2019年のヤクルトは最下位だったが、今年の阪神は首位を走っている。結果が出なくなると在阪マスコミの厳しい批判にもさらされる。

個人よりもチームの勝利が優先されるのは当然としても、矢野燿大監督がどこまで我慢できるか。佐藤の将来を考えると極めて難しい判断となるだろう。

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