前哨戦ではないが、朝日杯FS出走馬の好成績に注目

今週のメインレースであるNHKマイルCには、さまざまなステップを踏んできた馬たちが出走する。距離適性でクラシックから路線を切り替えた馬、一貫して短距離を使ってきた馬、デビューが遅くクラシック路線に乗れなかった素質馬など、出走馬にはそれぞれ、このレースを選択した背景があり、各馬の多彩なステップが予想を難しくしている部分がある。

過去10年中9年で9〜17番人気の人気薄馬が馬券に絡んでおり、3連単の平均配当は30万円を超える。高配当狙いのファンにとっては魅力のあるレースだが、それだけに、予想も一筋縄ではいかないレースといえるだろう。まずは、主な2〜3歳重賞のレースごとに、そこに出走していた馬のNHKマイルC成績を確認してみよう。

主な2、3歳重賞別、出走馬のNHKマイル成績ⒸSPAIA

注意していただきたいが、前走成績ではなく、2走前なども含めてその重賞に出走していた馬がNHKマイルCでどんな成績を残しているかをまとめた。シンザン記念の4.8%、ファルコンSの8.1%、ニュージーランドTの6.7%、アーリントンCの5.4%という連対率に対し、朝日杯FSの連対率14.0%はかなり高い印象を受ける。桜花賞出走馬も連対率20.0%という素晴らしい成績を残しているのだが、今年は上位組の出走がないので、参考程度に考えた方がいいだろう。

そもそも、朝日杯FSは前走成績だけ探っていたら検討から消えてしまうレース。本来は前哨戦として考えるべきではないのだろうが、マイルの距離で2歳馬の頂点を決めるレースだけに、やはりこの距離に高い適性を持つ馬が多く出走しているのだろう。結果として過去10年中8年で、計11頭の3着以内馬を出す好成績を残しているのだから、今回はこの朝日杯FS出走馬に絞って傾向や狙い馬のポイントを探ってみたいと思う。

東京または外回りコースでの好走実績は必須

2014年以降は阪神開催になった朝日杯だが、それ以前は中山で行われていた。中山施行時も出走馬はNHKマイルCで好成績を残しており、本質的なマイル適性という意味で、2つのGIは関連が深いのではないかという気がする。まずは、NHKマイルCで3着以内に好走した11頭の朝日杯FS成績を確認しておこう。

NHKマイルで好走した朝日杯組の人気と着順ⒸSPAIA



11頭中8頭が朝日杯FSで1〜4着の好成績を残していた。残る3頭、8着ラウダシオン、13着ケイデンスコール、7着クラレントは朝日杯の6・4・2人気馬。2歳時のレースとはいえ、やはり人気もなく着順も悪かった馬の巻き返しは期待できない。

次に、11頭の朝日杯後のステップを確認してみよう。

NHKマイルで好走した朝日杯組の臨戦過程ⒸSPAIA



ケイアイノーテックのみ3戦、残る10頭はNHKマイルCまでに1〜2戦していた。前走で掲示板を外している馬もいるが、その多くは皐月賞など中距離のレース。リアルインパクトが例外になるものの、前走がマイル以下の距離なら掲示板確保が最低ラインだろう。朝日杯が阪神施行になった2014年以降で見ると、距離にかかわらず、前走で掲示板を外していた馬の連対はない。

11頭の東京コース実績もチェックしておこう。

NHKマイルで好走した朝日杯組の東京実績ⒸSPAIA



18年勝ち馬ケイアイノーテックをはじめ、11頭中4頭が東京未経験での好走。よって東京コース経験の有無を気にする必要はなさそうだが、出走経験がある馬に関しては好走実績を要チェック。東京経験のあった7頭中6頭が、その東京でのレースで連対していた。

また、東京未経験組の4頭に、経験あり(東スポ杯2歳S13着)のクラレントも加えた、「東京コースで連対実績のなかった」5頭には、阪神・京都・新潟外回りコースでの1着、または重賞2着の成績があった。東京または外回りコースでの好走実績は重要といえそうだ。

朝日杯FSの狙い目は人気薄馬

最後にNHKマイルCで3着以内に好走した朝日杯出走馬11頭の、NHKマイルCでの単勝人気を確認しておきたい。

NHKマイルで好走した朝日杯組のNHKマイルでの人気ⒸSPAIA



実はこれこそが朝日杯出走馬に注目した理由で、人気薄馬の好走がかなり多いことが特徴。ここ4年は朝日杯FS出走馬で上位人気馬に支持された馬が凡走し、人気薄馬が好走するパターンが続いている。

2020年は2番人気のタイセイビジョンが4着に敗れ、9番人気のラウダシオンが1着。2019年は1番人気のグランアレグリアが5着に敗れ、14番人気のケイデンスコールが2着(1着は2番人気のアドマイヤマーズ)、2018年は1番人気のタワーオブロンドンが12着に敗れ、6番人気のケイアイノーテックが1着。2017年は3番人気のモンドキャンノが9着に敗れ、6番人気のボンセルヴィーソが3着といった具合。

4年連続でこのパターンが続いているなら、ぜひ今年もと期待してしまうわけだが、こういった傾向は気づいた途端に終わるのがよくあるパターンでもある。とはいえ、せっかく人気薄馬の激走傾向に気づいたのだから、少しだけ穴馬券を楽しんでみたい。

ライタープロフィール
高槻とおる
グリーンチャンネルで結果分析、レース分析番組の構成作家を担当していた。現在は経営者取材などライターとして幅広く活躍中。ラップを長年研究しているが、実は馬券はパドック派。

NHKマイルCにおける朝日杯FS出走馬の好走パターン


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