先週末は開幕週より水分量多め

過去5年のNHKマイルC(GⅠ・芝1600m)は人気薄の好走が目立っており、波乱の立役者は前走でニュージーランドT、アーリントンC、ファルコンSとステップレースを使っていた馬たちだった。しかし、今年は桜花賞や皐月賞で上位に好走した馬の参戦はなく、先述の3レースから挑んでくる馬が中心のメンバー構成となった。

馬場適性の観点からレースを占うにあたり、まずは先週末の東京芝コースで行われた11レースの傾向を振り返っていこう。

木曜日から金曜日にかけて16.5mmの雨が降ったこともあり、土曜日のクッション値は9.2。さらに土曜日のレース終了後に2.0mmの雨量を計測し、日曜日のクッション値は8.6で開幕週と比較するとやや水分を含んだ状態だった。

先週の東京芝コースタイムと上がりⒸSPAIA



そうしたこともあってか、開幕週より落ち着いたタイムのレースが多かったものの、NHKマイルCと同じ芝1600mで行われた秩父特別(2勝クラス)は、前半800mが47.4のSペースながら1:32.7で決着。ピーエムピンコが上がり33.1で勝利しているように、速い上がりへの対応力も必要だ。

先週の東京芝コース上位馬の通過順位ⒸSPAIA



好走馬の脚質を見ると、逃げ切りも3レースあったものの、4角通過順位が11番手(18頭立て)、7番手(10頭)、10番手(11頭)、7番手(12頭)、8番手(13頭)とじっくり脚を溜めている馬が勝利するレースが多かった。2、3着馬も同様の傾向で、差し馬有利の馬場だったと言える。

レース当日は雨の心配がなさそうだが、週中は不安定な天候となる予報が出ている。天気予報を注視する必要があるが、先週末と同じような傾向になると考える。

シュネルマイスターは不安要素あり

そうした傾向を踏まえつつ、出走馬の分析に入っていきたい。なお、☆は現時点での本命馬候補を表している。

2021年NHKマイルCの馬場適性チャートⒸSPAIA



【☆グレナディアガーズ】
惜しくも2着に敗れた前走は、レース当日のクッション値が10.4と硬かったものの、前日から含水率は高め。勝ちタイムは速かったが、稍重に近い状態でのレースだった。対して、未勝利戦と朝日杯FSはレコードタイムが出るほどの高速馬場で勝利していることからも、パンパンの馬場向きと言える。

【バスラットレオン】
前走のニュージーランドTでは後続に0.9秒差をつけて圧勝するなど、能力はここでも上位だ。しかし前走と比較すると、高速馬場で直線の長い東京コースはプラスとは言えず、差し有利の馬場状態なので押さえ評価まで。

【シュネルマイスター】
弥生賞ディープインパクト記念は、先行して2着となったが距離が長かったように感じる。距離短縮は歓迎だが、過去3戦とも時計のかかる馬場でのレース。今回は不安要素のほうが大きく、危険な人気馬という感じがする。

【☆ルークズネスト】
ファルコンSは逃げて結果を残したが、注目したいのは2走前のシンザン記念。内を通った先行馬が有利の馬場だったにも関わらず、中団追走から直線外に持ち出して2着となった内容は今回に活きてくるはず。ペースが速くなればなるほどチャンスはあるだろう。

【ランドオブリバティ】
過去5戦はいずれも力のいる馬場、そしてホープフルSでは逸走するなど気性面での危うさも抱えている。さらに今回が初のマイル戦となるが、左回りなら問題なし。まともならクラシック戦線を歩んでいた馬なだけに、嵌れば一発あっても不思議ではない。

【☆リッケンバッカー】
勝ち上がるまでに時間を要したが、昨秋にはルークズネストや後にエルフィンSを勝利するサルファーコスモスなどを相手に惜しい競馬をしていた。それだけに前走の結果は、素直に評価したい。タイム面を詰める必要はあるものの、差し有利の馬場は見方しそう。

【ニシノアジャスト】
後方からのレースになることが多く展開に注文がつくが、東京コースでは1勝、3着1回と全て馬券圏内。トップスピードに乗るまで時間を要するタイプなだけに、距離延長がいい方に出れば、大駆けの可能性もある。

【グレイイングリーン】
前走のアーリントンCは17着に大敗しているが、敗因は道悪。2走前の3歳1勝クラスは1:20.5で勝利しているように、高速馬場で結果を残しているので見限ってはいけない。

※ニシノアジャスト、グレイイングリーンは抽選対象

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。


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