ハイレベルな2頭の叩き合い

3歳芝マイル王決定戦・NHKマイルカップ。1996年に外国産馬の大目標として創設され、当初は「マル外ダービー」などと呼ばれた。2001年のクロフネ以降マル外馬の優勝は遠のいているが、ハイペースのタフなレース質は変わっていない。今年はマル外馬に人気が集まりそうだが、久々の勝利となるか。

【ファルコンS】
風の影響もそれほどない中で前後半3F33.7-35.0の前傾1.3秒。行った行ったの競馬ではあったが、過去10年のレースラップと比較しても平均的な流れであり、後方ポツンの2頭を除けば上がり上位馬が順当に上位入線できてもいた。バイアスなし。

1着馬ルークズネストはSadler's Wells≒Nureyevの4×5やDanzigの5×5、Lyphardの5×5などを持つスピードとタフさに長けたモーリス産駒。2着のシンザン記念や本レースのようなタフな流れがピッタリだ。レースレベルが上がれば上がるほどパフォーマンスを上げるタイプだけに、今回も要注意の一頭だろう。

2着馬グレナディアガーズは賞金面に余裕があり、本レース時は前哨戦仕上げ気味。首の上げ下げでルークズネストには敗れたが3着馬には2馬身半差をつけており、ステップレースとしては上々の内容であった。今回はさらに強い姿が見られるだろう。

内前有利のトラックバイアス

2021年ニュージーランドトロフィーの展開/馬場バイアスⒸSPAIA



【ニュージーランドトロフィー】
前後半3F35.0-34.6の後傾0.4秒。600〜1000mでは23.5秒とさらにペースダウンしており、中山芝1600mとしてはかなり緩い流れとなった。その分、折り合いに苦労する馬が多く一概に先行馬に優しい流れだったとはいえないが、基本的には好位につけた馬向きのレース展開だったとみる。馬場状態も内目を通った馬の好走が目立ち、「内前有利」と評価したい。

1着馬バスラットレオンは1.33.1という好時計での5馬身差快勝。キャリア7戦目の経験値を感じる内容であり、腹袋の立派な馬体からタフな流れも得意のクチ。ただ、内枠から楽に先手を取れた展開利は考慮すべきだろう。

2着馬タイムトゥヘヴンはシャドーロールとチークピーシーズを着用して集中力強化。バスラットレオンには大きく離されたが、外差しのポジショニングを考慮すれば3着以下には能力差を見せた結果であったか。

道悪巧者が活躍

【アーリントンC】
雨の影響もあり、内目の痛んだ「外有利」の馬場状態。各馬4角は内でも直線は外に出しており、上位馬で最も内を走ったのは4着馬ピクシーナイトの内から7頭目程度だった。ペースは中弛みの平均的な流れ。前後の有利不利はなし。

1着馬ホウオウアマゾンは逃げ馬の直後につけ、直線も力強く抜け出した。余裕残しの仕上げでもあり、順当に上積みが見込めそうだ。レースセンスが良く、今回も大崩れはないだろう。

2着馬リッケンバッカーは中団追走から直線は狭いところをこじ開けてホウオウアマゾンに迫る形。厚めの蹄底で道悪馬場では要注意だ。

3着馬レイモンドバローズもヴィクトワールピサ産駒の牡馬の上、母はSadler’s Wells≒Nureyevを3×3でクロスする配合形。リッケンバッカーと同じく、道悪馬場では注意が必要な一頭だ。

4着馬ピクシーナイトはシンザン記念同様に逃げの策に出たが、今回は600〜1000mを12.3-12.2とかなり緩めての逃げ。阪神外回りらしい流れではあったが、モーリス産駒の逃げではない。シンザン記念のような「肉を切らせて骨を断つ」競馬に期待したい。

ファルコンS組に注目

ファルコンS(中京芝1400m)のレコードを大幅に更新したルークズネストとグレナディアガーズ。両馬ともにタフな流れには滅法強く、NHKマイルCでも注目の2頭だ。桜花賞では不完全燃焼に終わったソングラインの巻き返しにも要注意。

注目馬:グレナディアガーズ、ルークズネスト、ソングライン

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者45000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。


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