プロ第1号は満塁弾

今季はここまで26試合に出場し、試合を重ねる毎に少しずつだが結果を出し始めた中日・根尾昂。8番・左翼で先発出場した5月4日のDeNA戦では、4-3と1点リードで迎えた3回、1死満塁の好機でプロ第1号となる満塁弾を右中間スタンドへたたき込んだ。

4点先制した後に1点差まで詰め寄られる嫌な展開だっただけに、根尾にとってはもちろんチームにとっても貴重な追加点となった。また、8回には鋭い打球を中堅に運び、4月27日の阪神戦以来のマルチ安打もマークした。

ここまでの打率は.182、出塁率は.229と低迷しているが、緩い球でもタイミングを崩されることなくとらえるシーンも見られるようになり、開幕直後から比べると、だいぶ自分のタイミングで振れるようになってきた。

課題は対直球

課題は明白だ。対直球の打率は.133(30打数4安打)、三振は13個と苦しんでおり、まずはプロの直球にアジャストしなければならない。直球をとらえきれずにカウントを悪くし、打ち取られるケースが散見されるが、カウントが悪くなる前にとらえたい。

カウント別成績を見ると、0-1(0ボール1ストライク)の打率は.667(6打数4安打)、1-0の打率は.429(7打数3安打)と好成績をマークしている一方、0-2(5打数0安打)、1-2(13打数1安打)、2-2(23打数2安打)と追い込まれたときの打率は一様に低い。やはり好球必打で甘い球を高い確率でとらえられなければ苦しくなる。

得意としているのは、直球よりもスピードが多少落ちるツーシーム。満塁弾を放った際も、とらえたのはDeNA・大貫晋一の真ん中寄りのツーシームだったが、打率.556(9打数5安打)と打ち込んでいる。しかし、対スライダーは.143(14打数2安打)、対フォークは.000(7打数0安打)と苦しんでいるなど課題は多い。

対左投手も喫緊の課題

根尾昂の打球方向データⒸSPAIA

ⒸSPAIA


直球に差し込まれるケースの多さは、打球方向にも表れている。SPAIAの打球方向データを見ると、最も多くを占めるのが左中間の打球(28%)。ほかは右中間(23%)、中堅(21%)、左翼(18%)と続き、引っ張った右翼への打球は最も少ない(10%)。速い球にはどうしても差し込まれ、結果として流し打つ対応が多くなっている証拠だ。

現在29打点を挙げ、パ・リーグの打点ランキングトップを走るロッテの安田尚憲も、中へ入ってくる変化球をとらえる確率は上がったが、150km超の直球をとらえて右翼へ運ぶ打球はまだまだ少ない。直球をいかにとらえるかという課題は安田も根尾も同様だ。また、対右投手の打率が.211に対して、対左投手は.100と大きな差がある。常時スタメンを張るためには、左投手の打率を上げていくことも喫緊の課題だろう。

根尾が打つと打線が活性化し、チーム全体の雰囲気が盛り上がる。随所に見せる輝きは類い希なスター性を感じさせるし、これまで14安打にとどまりながらも11打点という打点の多さも特筆すべき部分だ。勝負の3年目と位置づけ、相当な覚悟で臨んでいる今シーズン。インパクトある打席を、今後も数多く見せてくれることに期待したい。

※数字は5月5日試合終了時点

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