栗東騎手の先行馬は鉄板

6月13日(日)に東京競馬場で行われるエプソムC(GⅢ・芝1800m)。アルジャンナやファルコニアといった4歳馬が有力視され、これをヴェロックスやシュリといった年長馬が迎え撃つ構図。ここ3週のオークス・日本ダービー・安田記念とは異なり断然の1番人気と予想される馬が不在で、夏競馬の訪れを感じさせる難解な一戦だ。混戦を抜け出して下半期の大舞台に向けて弾みをつけるのはどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。


過去10年騎手所属別4角5番手以内成績ⒸSPAIA


過去10年騎手所属別4角6番手以下成績ⒸSPAIA


〈過去10年のエプソムC・4角5番手以内×騎手所属別〉
美浦所属【1-1-4-32】勝率2.6%/連対率5.3%/複勝率15.8%
栗東所属【5-5-2-6】勝率27.8%/連対率55.6%/複勝率66.7%

〈過去10年のエプソムC・4角6番手以下×騎手所属別〉
美浦所属【2-1-2-75】勝率2.5%/連対率3.8%/複勝率6.3%
栗東所属【1-3-2-14】勝率5.0%/連対率20.0%/複勝率30.0%

まず過去10年のエプソムCにおける4角位置と騎手所属の関係を表にした。東京競馬場のイメージに反し先行勢が有利で、4角5番手以内なら【7-6-6-40】で32%もの複勝率を誇る。後方待機勢も健闘してはいるものの、4角6番手以下から馬券に絡んだ11頭のうち6頭は3番人気以内で、穴馬の好走は見込みにくい。狙うとしても栗東所属騎手が騎乗する人気馬に限るべきだろう。

注目すべきは4角5番手以内×栗東所属騎手が【5-5-2-6】と超がつくほど優秀であること。さらに5番人気以内に限れば【5-5-1-0】と崩れ知らずで該当馬は軸に最適。混戦模様なだけに人気が読めないが、高い先行力を備えたシュリ(M.デムーロ騎手)やファルコニア(川田将雅騎手)は重視したい。


馬場悪化なら極端な枠は下げ

過去5年の3回東京開催×3歳上芝1800m戦(良馬場)枠別成績ⒸSPAIA


過去5年の3回東京開催×3歳上芝1800m戦(良馬場以外)枠別成績ⒸSPAIA


〈過去5年の3回東京開催、3歳上芝1800m戦・良馬場〉
1枠【2-1-2-12】勝率11.8%/連対率17.6%/複勝率29.4%/複回87%
2枠【1-1-1-15】勝率5.6%/連対率11.1%/複勝率16.7%/複回33%
3枠【1-1-1-15】勝率5.6%/連対率11.1%/複勝率16.7%/複回34%
4枠【0-3-2-16】勝率0.0%/連対率14.3%/複勝率23.8%/複回82%
5枠【3-2-2-15】勝率13.6%/連対率22.7%/複勝率31.8%/複回158%
6枠【2-4-1-18】勝率8.0%/連対率24.0%/複勝率28.0%/複回63%
7枠【2-0-2-25】勝率6.9%/連対率6.9%/複勝率13.8%/複回26%
8枠【3-2-3-22】勝率10.0%/連対率16.7%/複勝率26.7%/複回41%

〈過去5年の3回東京開催、3歳上芝1800m戦・稍重・重・不良馬場〉
1枠【0-1-1-13】勝率0.0%/連対率6.7%/複勝率13.3%/複回31%
2枠【0-2-0-14】勝率0.0%/連対率12.5%/複勝率12.5%/複回20%
3枠【3-2-3-9】勝率17.6%/連対率29.4%/複勝率47.1%/複回117%
4枠【0-2-1-15】勝率0.0%/連対率11.1%/複勝率16.7%/複回78%
5枠【2-2-3-13】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率35.0%/複回185%
6枠【3-1-0-15】勝率15.8%/連対率21.1%/複勝率21.1%/複回93%
7枠【1-1-1-19】勝率4.5%/連対率9.1%/複勝率13.6%/複回22%
8枠【2-0-2-19】勝率8.7%/連対率8.7%/複勝率17.4%/複回208%

次に過去5年の3回東京開催で行われた3歳上芝1800m戦を参考に枠順別成績を調べた。梅雨の時期ということもあり、参考25レース中良馬場で施行されたのは14レースと約半数に留まる。加えて日曜日の天気も微妙であることから、良馬場と稍重・重・不良のバージョンを用意した。

良馬場バージョンに関しては中枠が複勝率においてやや秀でている程度で、枠による有利不利はほとんどない。5枠の複回収率が高く、手を伸ばしたくなるが、これは14番人気による1勝の影響で他は上位人気馬が順当に走っているだけという点には注意が必要。良馬場で行われるなら枠順を重く考慮する必要はない。

一方、馬場状態が少しでも悪化すると途端に枠順の重要性が増す。稍重・重・不良のバージョンでは1・2枠の成績が壊滅的で該当馬は割引が必須。7・8枠も複勝率では1・2枠と大差なく、昨年のエプソムCでのトーラスジェミニの激走を除けば複回収率も低調。逆に3〜6枠からは中位人気がコンスタントに結果を残しており、波乱に備えるなら中枠を重点的にケアしておきたい。


鉄板データで枠も不安なし

◎ファルコニア
鉄板データである栗東所属騎手の先行馬に符合し、4枠7番と馬場が悪化しても割引が不要な枠に収まった。全兄トーセンカンビーナも4歳春は阪神大賞典・2着、天皇賞(春)・5着と結果を残しており、血統的に本格化を迎える頃合い。1800m戦成績は【3-2-0-1】で着外の1レースもスプリングS・4着と距離には適性があり、初の東京競馬場でも大きな不安はない。安田記念で胸のすく騎乗を見せた川田騎手に今週も期待したい。

◯アドマイヤビルゴ
前走はさすがに相手が強すぎた上、初めて道悪を走った点も考慮すると9着でも悲観することはない。2走前の日経新春杯ではややかかり気味で、1800mへの距離短縮は歓迎。ハンデ戦とはいえ昨年古馬混合のリステッド競走を制しており、年長相手にも通用することは実証済み。ただ道悪が得意というわけではなく枠的にも馬場が渋れば評価を下げる必要はある。

▲アルジャンナ
昨年の日本ダービー以後長期休養していたが叩いて確実に良化し、前走では充実期を迎えたケイデンスコールに迫った。またエプソムCの過去10年、前走GⅡで2着の4歳馬は【1-1-1-0】と馬券を外していない点もプラス。さらにルメール騎手が騎乗するのも心強い。基本的に差す競馬をする馬であることに加えオッズを加味して3番手評価としたが、1番人気でも完全に嫌うことはできない。

△シュリ
前走は展開が向いたとはいえきっちり勝ち切っており、昨年3勝クラスとOPクラスを連勝した強さを証明。2走前の京都金杯は出遅れて本来の競馬ができず、単純な力負けというわけではない。良馬場限定という条件は付くものの、栗東所属騎手が騎乗する先行馬ということで年長馬の中では最も推せる。

×ガロアクリーク
3着に敗れたディセンバーSでは展開的に前が止まらなかったことを思えば古馬相手でも十分戦えている。馬場を問わず好走例が乏しい7枠に収まってしまったが、皐月賞・3着、日本ダービー・6着の実績を持つ馬とは思えないオッズが予想され、実際に下位人気に甘んじるようなら買わない手はないだろう。

▽エプソムC予想▽
◎ファルコニア
◯アドマイヤビルゴ
▲アルジャンナ
△シュリ
×ガロアクリーク

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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