セオリーは「中穴狙い」まで!

宝塚記念の文字を見ると一頭のサラブレッドを思い出す。「メイショウドトウ」である。河内洋が乗った前年の宝塚記念、的場均が乗った天皇賞(秋)、主戦騎手である安田康彦が乗ったジャパンカップ、有馬記念、天皇賞(春)すべて2着。常にテイエムオペラオーに阻まれ続けた2着街道。そんなメイショウドトウが一世一代の根性を見せつけ勝利したのが2001年の宝塚記念だった。あれから20年。今年はどんなドラマが待っているのだろうか。

宝塚記念過去10年の配当ⒸSPAIA



近10年間の馬連平均配当は「5098円」、3連単平均配当は「162006円」とGⅠとしては波乱含みのレース。これは「近1年以内にGⅠかGⅡで勝ち星がある馬」が人気の盲点になっているからである。成績に直すと[9-7-7-47]で、前走5番人気以内に支持されていると[8-4-4-28]とグッと安定感が増す。

今年、6月21日時点の出走予定馬で当該条件を満たすのは、クロノジェネシス、レイパパレ、アリストテレスの3頭のみで、いずれも上位人気が予想されるメンバー。大波乱は考えにくい。

「池添謙一」騎手に要注意!

阪神芝2200mの騎手リーディングⒸSPAIA



2011年以降、阪神競馬場で芝2200m戦が行われたのは116レース。一番多くの勝ち星をあげているのは川田将雅騎手で[16-7-7-34]、続いて武豊騎手までが[14-10-4-30]と抜けていて、岩田康誠騎手[7-10-4-40]、福永祐一騎手[7-3-9-34]、和田竜二騎手[5-6-7-53]と続く。

要注意は池添謙一騎手。成績は[3-2-5-21]なのだが、宝塚記念に限ると近10年間で[1-1-2-3]の成績で、生涯成績でも[3-1-2-7]複勝率46.2%と好相性。2012年の1番人気で勝ったオルフェーヴルだけでなく、2014年カレンミロティック(9番人気2着)、2015年ショウナンパンドラ(11番人気3着)、2020年モズベッロ(12番人気3着)と高配当を提供している。今年も昨年に引き続きモズベッロに騎乗予定。買い目に加えておきたい1頭だ。

阪神芝2200mの種牡馬リーディングⒸSPAIA



続いて種牡馬成績。トップはやはりディープインパクト産駒で[21-16-10-113]、続いてキングカメハメハ産駒が[13-10-12-77]と続く。以下、マンハッタンカフェ産駒[9-7-6-31]、ハーツクライ産駒[7-6-10-78]、ステイゴールド産駒[7-3-4-49]となっている。

やはり気になるのは今年の馬場でディープインパクト産駒の適性が合うのかどうかという事だろう。時期的に梅雨時という事もあり、近5年間中4回が稍重でのレースとなった。良馬場での成績が[17-15-8-82]勝率13.9%、連対率26.2%、複勝率32.8%なのに対し、稍重よりも悪くなると[4-1-2-31]勝率10.5%、連対率13.2%、複勝率18.4%と大きく数字を下げる。ディープインパクト産駒にとっては天気と馬場の重さがポイントになる。当日の馬場状態には要注意だ。

4、5歳の成績が圧倒的!

宝塚記念の年齢別成績ⒸSPAIA



今年は上位人気になりそうな馬が軒並み5歳以下となっていて過去の成績も圧倒的。しかし、少々読み解く必要がありそうだ。4歳馬は[3-1-6-34]と10頭が馬券圏内だが、2番人気以内だと[3-1-2-4]に対し3番人気以下になると[0-0-4-30]と成績が下がる。5歳馬は[6-5-4-36]で15頭が馬券にからんでいるが、3番人気以内で[3-3-0-7]、4番人気以下で[3-2-4-29]。6歳馬は[1-3-0-22]。7歳以上は[0-1-0-22]で馬券に絡んだのは香港馬ワーザーのみとなっている。

充実一途のレイパパレが本命!敵は天気のみ!?

初めにも書いたが「近1年以内にGⅠかGⅡで勝ち星がある」馬を探すのがセオリーで、狙いはクロノジェネシス、レイパパレ、アリストテレスの3頭のみ。アリストテレスは阪神コースで[0-3-0-2]と3回連対しているとはいえ、新馬戦や1勝クラスでも勝てておらず、重賞2戦は馬券圏内を外している。「4歳馬は2番人気以内まで」のデータもあり当日は3番人気以下が予想され△まで。

となると残るは2頭。私はレイパパレを◎とした。評価すべきは大阪杯。三冠馬コントレイル、GⅠ・5勝馬グランアレグリアを寄せ付けず完勝で、驚くべきはその勝ち方。発馬で遅れながら2ハロン目には重馬場の中11.1秒という高速ラップで前をとり、400mから1000mまでを毎ハロン12.1秒でピタリと揃える精密さ。向こう正面で一息入れた後に再加速して、最終コーナーを回ったあたりでは11.6秒と後ろを突き放す内容。これでは後続は何もできない。

一抹の不安は最後の1ハロンで13.1秒かかっている事で、初の2200mを乗り切れるかだけだろう。これまで阪神コース3戦3勝。鞍上はこのコースで信頼度が高い川田将雅騎手。ディープインパクト産駒だが、天気が崩れたとしてもこの馬の場合、前走の走りを見るに重馬場でも心配無用だ。

対抗はクロノジェネシス。実績だけ見ればここでは断然の存在。レイパパレがいなければ大本命だった。不安材料は北村友一騎手が怪我の為、C.ルメール騎手へ初の乗り替わりという事くらいか。C.ルメール騎手なら何ら問題ないかと思うのだが、当該コースでは近10年間で[4-2-1-17]複勝率29.2%といつもの圧倒的な数字は無く、宝塚記念では多くの人気馬に乗りながら[0-0-0-6]と一度も馬券に絡んだことが無い鬼門となっている。その点だけが気がかりだ。最後に、騎手リーディングコーナーで取り上げたモズベッロも忘れずに買い目に加えておきたい。

◎レイパパレ
◯クロノジェネシス
▲モズベッロ
△アリストテレス
×カレンブーケドール

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。


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