聖光学院高の矢尾板は楽天が1巡目指名

今年のプロ野球ドラフト会議は10月11日に開催される。上位指名確実な有力選手に話題が集まるが、プロに入れば横一線。指名順位には何の意味もない。

近年は育成出身選手の活躍も多く、秘めた素質を見抜くスカウトの眼力と、実力を大きく伸ばす球団の育成能力が問われるようになった。一方、わずか数年でクビを切られるのもプロの厳しい現実だ。

育成ドラフトで指名された選手はプロ入り後にどんな成績を残しているのか。2014年の育成ドラフトを振り返る。

2014年育成ドラフト指名選手の通算成績


ヤクルトは福岡大の右腕・中島彰吾を指名した。2016年に支配下登録され、7月に一軍初登板。しかし、白星は挙げられず、2017年オフに戦力外となった。

巨人の救世主候補としてブレイクしたばかりの八百板卓丸は、楽天の育成1巡目指名だった。聖光学院高時代は1番打者として夏の甲子園に出場し、15打数8安打でベスト8進出に貢献。楽天では2017年に支配下登録され、2018年には一軍で27試合に出場した。

しかし、2019年は一軍昇格できずオフに戦力外通告。12球団合同トライアウトに参加し、巨人と育成契約を結んだ。2020年はイースタン・リーグで8本塁打を放ち、今春キャンプ中に支配下登録。一軍昇格した9月15日のDeNA戦で移籍後初安打を放ち、プロ初打点を挙げた。

楽天は2巡目で青森中央学院大の大坂谷啓生を指名。しかし、一軍出場は果たせないまま2016年オフに戦力外となった。

中日・近藤真市の長男・弘基は衝撃デビュー

DeNAは日星高(京都)の捕手・亀井塔生を指名したが、3年間一軍出場はなく戦力外となった。

西武は北海高の戸川大輔を指名。富士大を経て4年後に西武入りする佐藤龍世(現日本ハム)と高校時代の同級生で、2016年から支配下登録された戸川は2019年に一軍初出場を果たした。5月にはロッテ二木康太から初本塁打を放つなど、10試合に出場。今年4月に椎間板ヘルニアの手術を受けたが、8月に実戦復帰している。

中日は1巡目で東海大相模の右腕・佐藤雄偉知を指名したが入団拒否。佐藤はHonda鈴鹿に進んだが、プロ入りしないまま引退した。

2巡目はいなべ総合高の右腕・石垣幸大、3巡目は秀岳館高の捕手・藤吉優を指名したが、いずれも一軍出場できないままユニフォームを脱いだ。

4巡目はかつてプロ初登板でノーヒットノーランの快挙を成し遂げた近藤真市の長男で、名城大の外野手だった近藤弘基を指名。2016年に支配下登録され、一軍初出場した試合でいきなり初安打、初打点、初猛打賞を記録し、父親と同じくド派手なデビューを果たした。

同年は21試合に出場して2本塁打、翌2017年にも14試合に出場して1本塁打を放ったが、2019年オフに戦力外となった。

川相昌弘の次男・拓也は巨人を3年で戦力外

広島は1巡目でMSH医療専門学校の捕手・松浦耕大、2巡目で常葉学園橘高の内野手・木村聡司を指名したが、いずれも一軍出場のないまま戦力外となった。

巨人は1巡目で四国アイランドリーグ香川の右腕・篠原慎平を指名。2017年に支配下登録され、プロ初勝利を挙げるなど一軍で23試合に登板したが、2018年オフに戦力外となった。

2巡目では現役時代に「バントの名手」と呼ばれた川相昌弘の次男で、桜美林大の川相拓也を指名。しかし、一軍出場はできないまま2017年オフに戦力外となった。昨年12月にエイジェック女子硬式野球部のコーチに就任している。

3巡目では山梨学院大の捕手・田中貴也を指名。1年目に支配下登録され、2018年に一軍で代打として初出場を記録したが、相手投手の交代により打席に立つ前に代打の代打が送られた。

翌2019年8月に正真正銘の一軍初出場。巨人では計2試合の出場にとどまったが、2020年9月に金銭トレードで楽天に移籍すると短期間で9試合に出場した。今季も開幕一軍入りを果たすなど27試合に出場している。

4巡目はアメリカのハーキマー・カウンティー・コミュニティー大学でプレーし、入団テストに合格していた高橋慎之介を指名したが、2年で戦力外となった。

ソフトバンクは8人指名も全員一軍出場できず

育成ドラフトから一軍の主力に成長した選手の多いソフトバンクだが、2014年は大量8人を指名しながら全員が一軍出場を果たせないまま引退した。

1巡目は富山第一高・幸山一大、2巡目は磐田東高・齋藤誠哉、3巡目は小松大谷高・山下亜文、4巡目は山村国際高・堀内汰門、5巡目は柳川高・柿木映二、6巡目は大間々高・金子将太、7巡目はNOMOベースボールクラブ・河野大樹、8巡目はBCリーグ富山・中村恵吾。いずれもスカウトが評価した素質は開花することなく、プロの世界を去っていった。

同年の通常ドラフトでは早稲田大の右腕・有原航平(現レンジャーズ)に4球団競合。済美高の剛腕・安樂智大には2球団が競合し、智弁学園高のスラッガー・岡本和真は巨人に1位指名された。時は巡り、岡本と八百板が同じユニフォームを着てセ・リーグの優勝争いを盛り上げる現状を見ると、ドラフトの難しさやプロの厳しさが改めて感じられる。

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