シード権争い決着

今季最終戦、ツアーチャンピオンシップリコーカップが11月25から28日に行われ、三ヶ島かなが通算11アンダーでツアー初優勝。これで今季の日本女子ゴルフツアーは全日程を終えた。

そんな中、今年も注目を集めたのがシード(※)争い。毎年、多くの選手が初シード入りする一方で、実績ある選手がシード落ちしている。11月18日から21日に開催されたエリエールレディスでは、シードをかけた戦いがエンディングを迎える舞台となり、例年同様、ドラマが起こった。

(※)2022年シーズンのツアー出場資格。これまでは賞金ランキングから次のシーズンのシードを決めていたが、今季は賞金ランキングおよびメルセデスランキング50位までの選手がシード選手となる。メルセデスランキングとは、日本女子ツアーの各競技及び米女子ツアーメジャー競技での順位をポイントに換算し、年間を通じての総合的な活躍度を評価するランキングのこと。来季はメルセデスランキングへ一本化する予定。

今年もあったドラマ

2019年は2勝を挙げ、賞金ランキング11位だった柏原明日架は、エリエールレディスの前の時点で賞金ランキング54位、メルセデスランキング61位だった。

シード獲得の崖っぷちに立たされていた柏原は、エリエールレディスでは最終日最終組で優勝を争い2位タイ。賞金ランキング、メルセデスランキングともに46位となり、すべりこみでシードを獲得。「とりあえずひと安心」と語った。

柏原のようにシード獲得に安堵した選手がいる一方、あと一歩のところでシードを逃した選手もいる。

2019年のCAT Ladiesで初優勝した黄金世代の淺井咲希は賞金ランキングが50位とシード圏内だったが、エリエールレディスで予選落ちしたことで52位となり、来季の前半戦の出場資格は与えられるもののシード陥落となった。

50位有村智恵との獲得賞金の差は45万5491円。1ストロークで逆転の可能性がある差だった。淺井は「精一杯やったので悔いはない」と語っているが、今季を振り返って「あの一打が」と、頭をよぎるプレーもあるのではないだろうか。

淺井は今季51試合に出場し、132.5ラウンドプレーしている。平均ストロークが73.0599。今季約9700ストロークしている計算になる。9700分の1。1シーズントータルの1ストロークが分ける明暗の差は、ツアー選手の厳しさを物語っている。

来季に向けた戦い

今季の戦いで、初めて来季のシードを獲得した選手は13人。これは過去最多で4年連続増加。若い世代の台頭が著しい今の女子ゴルフ界の状況を表している。

初シード選手:西郷真央(2001年10月生)、西村優菜(2000年8月生)、山下美夢有(2001年8月生)、笹生優花(2001年6月)、吉田優利(2000年4月)、金澤志奈(1995年7月生)、植竹希望(1998年7月生)、野澤真央(1997年3月)、仲宗根澄香(1992年1月)、田辺ひかり(1997年4月生)、臼井麗華(1998年12月)、菅沼菜々(2000年2月)、山路晶(1998年9月)

また、今季持っていたシード権を喪失した選手は19人。その中には、一時代を築いた中堅選手がいる。2015、2016年賞金女王のイ・ボミや、引退を表明した、2017、2018年賞金ランキング4位のキム・ハヌル、2014、2018年の賞金ランキング5位の成田美寿々などだ。

若い世代の選手の台頭と、下り坂の実力者。このコントラストが鮮明に浮かび上がるのが、毎年のシード争いが決着するこの時期。

来季のツアーへ挑戦意欲がありながらシードが無い選手は、来季のツアー出場資格をかけた予選会、クオリファイングトーナメントに出場する。戦いはまだ終わらない。

シードを獲得した選手も同様にゆっくりとは休んでいられない。身体を休めるのは最小限にして、来年3月頃予定の来季開幕に向けて動き始めなければ、次々に出てくる若い選手の勢いに追いやられてしまう。

層が厚くなった女子ゴルフ。今季どれだけ成績が良くても、来季どうなるかは分からない。実力者でもまず意識するのがシード。今季の戦いの終了と同時に、来季、シード獲得に向けた戦いは始まっている。

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