“村神様”は8試合ノーアーチで打率急降下

ほぼ決まりかと見られていたセ・パ両リーグの首位打者が窮地に立たされている。セ・リーグはヤクルト村上宗隆、パ・リーグは日本ハム松本剛が打率トップを走っているが、2位選手の追撃を受け、その差が縮まってきたのだ。

三冠王を狙う村上は55本塁打、132打点で2位に大差をつけており二冠王は確実だが、最大の難関は打率。一時はリードを広げていたものの、55号を放った9月13日の巨人戦以降は調子を落としている。16日の中日戦から8試合ノーアーチで、26打数3安打の打率.115。シーズン打率.325まで降下し、2位の中日・大島洋平(.320)に迫られている。

3度の三冠王に輝いた落合博満も「一番難しいのは打率」と語っていた通り、一度打てば減ることのない本塁打や打点と違い、打率は打たなければ下がる。村上は日本人最多となる56号へのプレッシャーなのか、自分のスイングを見失ったのか、明らかなスランプに陥っており、修正は簡単ではない。

最高打率.341まで上がったものの、首位打者争いは分からなくなってきた。追い上げる大島は2019年、2020年に2年連続最多安打に輝いた実力者だけに不気味だ。

松本をオリックス吉田正尚が猛追

パ・リーグトップの松本は.349とハイアベレージをキープしているが、2位のオリックス吉田正尚が猛追。24日の楽天戦で21号2ランを含む3安打6打点と爆発するなど、9月は月間打率.435と調子を上げており、シーズン打率も.337まで上昇しているのだ。

セ・リーグの首位打者争いに比べるとまだ差はあるが、何と言っても吉田正は昨年まで2年連続首位打者の実績がある。2020年は.350、2021年は.339の高打率でタイトルを獲得しているのだ。追われるより追う方の強みもあるだろう。

松本は帝京高から入団11年目だが、2017年に115試合に出場して打率.274を記録したのがキャリアハイで、タイトル争いの経験はない。今季は開幕戦で4番に抜擢され、7月20日に左膝蓋骨下極骨折で抹消されたものの、8月16日に復帰後も打率3割5分台をキープしてきた。最下位に低迷する日本ハムの中で、数少ない明るい話題のひとつだ。

村上、松本ともに追い上げてくる2位選手が実力者だけにプレッシャーは小さくないだろう。しかし、この苦しみこそが血肉となり、将来に活きるはず。村上は三冠王、松本は初タイトルを獲得できるか。残り試合、最後まで目が離せない。

※成績は9月24日現在

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