阪神は大山悠輔がwRAA3.3

プロ野球開幕から2カ月が経過し、セ・リーグは上位と下位の差が開いてきた。首位・阪神は8連勝で貯金17に増やした一方、昨季の優勝チームで5位のヤクルトは10連敗で借金11。阪神は2位DeNAに6ゲーム差をつけ、逆にヤクルトは4位・巨人と5ゲーム差に広がった。最下位・中日とも0.5差しかなく危機的状況だ。

SPAIAでは5月23日から28日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。

wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

セ・リーグ週間MVPインフォグラフィック


首位・阪神は大山悠輔が好調をキープしている。先週は19打数6安打の打率.316、1本塁打、7四死球でチームトップのwRAA3.3をマークした。28日の巨人戦(甲子園)では7回にダメ押し二塁打を放つなど4番の重責を果たしている。

チーム防御率2.64と投手を中心とした守りの野球で首位を快走している阪神だが、チーム打率もリーグ2位の.253。大山は近本光司、中野拓夢、木浪聖也とともに打率3割をキープしており、中軸として貢献度は高い。

DeNAはネフタリ・ソト、広島は秋山翔吾がトップ

2勝4敗と負け越したDeNAはネフタリ・ソトがwRAA1.9でチームトップだった。先週は13打数4安打の打率.308、1本塁打。25日の巨人戦(東京ドーム)では4号ソロを含む2安打を放つなど存在感を放っている。

広島は秋山翔吾が好調だ。23日の中日戦(マツダ)で3安打猛打賞、25日の中日戦でも2安打を放つなど、先週は22打数8安打の打率.364だった。wRAAは3.3。シーズン通算でもリーグ2位の.361と高打率をキープしており、頼もしい存在だ。

4位・巨人は高卒3年目の秋広優人がwRAA3.7と高い数値を叩き出している。先週は全6試合で安打を放ち、23打数9安打の打率.391、2本塁打をマーク。最近は3番で起用されており、背番号55を受け継いだスラッガーが成長の跡を見せている。

ヤクルト村上宗隆は今季初の週間MVP

10連敗中のヤクルトだが、村上宗隆に少しずつ当たりが戻ってきたのは希望の光かも知れない。先週は21打数6安打の打率.286、2本塁打、6四球。wRAA3.1で今季初の週間MVPに輝いた。三冠王に輝いた昨季と比較すると物足りないとはいえ、9本塁打はリーグトップタイ。四球が増えてきたのも明るい材料と言えるだろう。

12球団トップは中日・細川成也だった。wRAAは全選手の中で断トツの7.5。現在11試合連続安打を継続中で、先週も23打数11安打の打率.478、2本塁打をマークした。27日のDeNA戦(バンテリンドーム)ではバウアーから4号、5号のソロ2発を含む4打数4安打の大暴れ。月間打率も.367と高く、現役ドラフトでDeNAから移籍した24歳が月間MVPに輝く可能性も出てきた。

プロ野球は今週から交流戦に突入。好調の選手はもちろん、不振の選手にとっても心機一転を図る好機だ。毎年、終わった頃には順位が大きく変動しているのも交流戦の特徴。これからの18試合はシーズンへの影響も小さくないだけに、各チームの戦い方が注目される。

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