4人組グループ「ふぉ〜ゆ〜」のメンバーで大阪府出身の越岡裕貴が主演し、先月関西ジャニーズJr.を卒業した京都府出身の室龍太と初共演の舞台『ッぱち!』が2021年5月13日(木)から銀座 博品館劇場で、5月28日(金)からニッショーホール(旧ヤクルトホール)で上演される(なお、5月21日(金)から松下IMPホールで上演予定だった大阪公演は、大阪府からの要請に従い、全日程中止となっている)。

初日を前に、ゲネプロ(舞台総通し稽古)と取材会が行われ、出演する越岡と室、作・演出の霧島ロックが参加した。写真とともに当日の模様をお伝えする。 

越岡裕貴(ふぉ〜ゆ〜)

越岡裕貴(ふぉ〜ゆ〜)

ーー初日を前にした思いをまずは教えてください。
 
越岡:残念ながら大阪公演は中止という形になってしまったんですが、東京公演だけでも幕が開くということに、すごく幸せを感じていて。ポジティブに捉えていこうかなと思います。幕が開けて、お客さんに観てもらうことができるんだという嬉しさでいっぱいですね。
 
室:キャストの方々とスタッフさんが力を合わせてつくった作品。こうして世に出せることをすごく幸せに思います。
 
霧島:大阪公演は残念ながら中止になりました。3人とも地元が関西なので、それだけに残念さは倍増なんですが、でも東京はやれる形になって、本当に感謝しています。奔走してくださったスタッフや制作のみなさんは、見えないところでいっぱい苦労なさっていたと思う。大変な思いをなさっていたと思うので、舞台でお芝居が、お客さんの前でお芝居が披露できることを感謝しています。とにかくね、稽古が楽しくて。お客さんにも一緒に楽しんでもらえるお芝居に、しましょう!

越岡・室:はい!
 
ーー2019年に初演があって、今回、越岡さんと室さんを招いた形で上演されるんですよね。
 
霧島:そうですね。やっぱりメインのお二人がキラキラ輝いていて。稽古場に現れた時から、まぁ太陽のようで……。
 
越岡:そんなことないですよ!(笑)
 
室:ありがとうございますっ! よく言われますっ!
越岡:少しは謙遜しぃや(笑)。
 
霧島:空気が変わるというか。そんなに「俺についてこい」というタイプではないけど、自然に周りがお芝居したい、ついていきたいという気持ちになるんですね。それがすごいなぁと思いました。
 
越岡:褒められてもそんな何もでないですよ(笑)。僕は一番最後に(稽古に)参加させてもらって、結構みなさん出来上がっている状態での参加だったので、不安はあったんですけど、カンパニーの皆さん、いい人ばかりで。そこに僕が飛び込んでいくだけみたいな感じだったので、稽古場から楽しかったですね。

室龍太

室龍太

ーー越岡さんと室さんは初共演ですよね。
 
越岡:そうですね。一度も一緒に芝居したくなかったんですけど。
 
室:したくなかったじゃない! してこなったんです!
 
越岡:めちゃくちゃいい役者です。他の舞台などで、いろいろ経験しているので。刺激を受けますね。後輩ではありますけど、舞台上でもすごいなと思います。
 
室:あざますっ!
ーーすごいところとは?
 
越岡:なんだろうなぁ。堂々としている感。
 
室:え、堂々としているように見えました? 脇汗びっちゃびっちゃですよ、緊張して(笑)。
ーー室さんは越岡さんをどう見ていらっしゃいますか?
 
室:こっしゃんさん(※室は越岡のことをそう呼んでいる)は本当ね、自然体というか、全然飾っていないというか。ほんまに吉岡の役がぴったりに感じて。他の舞台とか観させてもらったんですけど、これまではシュっとした役のイメージが多かったので、真逆のイメージのこっしゃんさんを見て、すごいなと思いました。
 
ーー「こっしゃんさん」と呼ばれているんですね(笑)。
 
越岡:僕、小5まで大阪に住んでいて。その時のあだ名が「こっしゃん」でした。東京に越してきて「こっしー」になりました。シュッとしました(笑)。

演出の霧島ロック

演出の霧島ロック

ーーさてさて、関西弁でのお芝居はどうですか?
 
越岡:初めてですね。でも普段、親とかと話すときは、関西弁なので、そんなに違和感なく。
 
霧島:ちょいちょいシュッとしてしまうんだけどね(笑)。
 
ーーそうなんですね。でも、ノリは関西ですよね?(笑)
 
越岡:そうですね。いや、室が、こてこての関西弁を話してくるんでね……。
 
室:何いうてますのん!
 
越岡:それや(笑)。だから自然と僕も戻れたと思いますね。
 
ーー「優しくて不器用な大阪人たちの物語」。どんなことを感じられましたか?
 
越岡:大きく踏み出す一歩ではなく、ちょっとだけ踏み出すということが描かれていると思います。踏み出すことって、難しいことやとも思うけど、みんなに支えられているんだなと感じる作品で。普段の日常も支えられて生きているんやなと思えるようになりましたね。いや、思っていなかったわけではないんですけど、強く思うようになったという気はします。
 
室:僕も稽古の時に、休憩時間にこっしゃんさんと喋っていたんですけど、前回出ていた作品も大阪公演が中止になっちゃって、すっごい笑顔で、「僕、何か悪いことしたかな」と言っていたんですよ。それにグッときちゃって。誰も悪くないのに、(公演中止が)重なっちゃって。その場では笑っていたんですけど、実はグッときていた思い出があります。

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

ーー「一歩」を踏み出すという部分では、室さんではジャニーズJr.を卒業して初めての舞台ですね。
 
室:ありがとうございます! でも、別にやることは特に変わったことはなくて。何が変わったと言われても、実感はないんですけど。期待していることといえば、ジャニーズJr.を卒業して、給料が上がるのかなぁと(笑)。やっぱり大事じゃないですか! ほら、関西ですから!
 
越岡:がめついからね(笑)。
  
室:(お年玉分を)回収しないとね!

越岡:いや、何の話しているの(笑)。
ーー越岡さんから何かアドバイスありますか?
越岡:アドバイスなんてないですよ(笑)。僕も変わったなという実感はなかったですし、目の前のことをしっかりやれば。ダイジョーブ!
 
室:いや、ほんまに思っているんか(笑)。 

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

ーーそれにしても息がぴったりですね。お二人でまたいろいろとお仕事ができそうな予感がします。

室:ですって、マネージャーさん!(笑)
 
越岡:めちゃくちゃ打ち解けている感じがしますね。もともとこの作品をやるまで、あまり話したこともなかったので。あまりどのタイミングで仲良くなったのか覚えていないですけど。関西弁がそうさせたのかな……。友達みたいな感覚ですね。
 
室:僕の愛嬌力がそうさせたんじゃないですかね(笑)。いや、こっさんしゃんがほんまに優しいんですよ。何でも受け入れてくれる。あまり行き過ぎると怒られるかなとは思っているんですけど。
 
越岡:器でかいやろ?
 
室:本当に! わんこそばぐらい。
 
越岡:ちっちゃいな!

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

ーー今回の舞台でも「支えてくれるもの」がひとつのキーワードになっているように思います。みなさんを支えてくれるものを教えてください。
 
越岡:ファンのみなさんにはすごく……いや、優等生な回答しているな。
 
霧島:うん、面白くない。僕は腸活のために、大嫌いな納豆を毎日食べているんですけど、室さんが食べるキムチを入れたら……。
 
室:いや、食べるラー油です。食べるキムチって、それはただのキムチです(笑)。
 
霧島:そうか(笑)。それを入れたらおいしいと言われて、毎日の食生活を支えられています(笑)。
  
越岡:それで言ったら、僕は日々の睡眠ですね。寝ることが一番好きかもしれない。ぐっすり寝れますよ。一瞬で寝ることもできます。
ーーなにかおすすめの安眠方法ありますか?
越岡:動画やラジオを流しながら寝ることですね。雨の音とかを聞きながら。最近は音をかけないと寝れないですね。

ーー室さんは何か支えられているものありますか?
室:そうですね。僕はファンの人の……。
越岡:僕も最初に言ったよ! お前、そこはお金やろ(笑)。
 
室:お金と言ったらがめついじゃないですか(笑)。本当にファンのみなさんが応援してくださる思いを支えに頑張っております。 

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

ーー綺麗にまとまりましたね(笑)。初日を迎えるにあたって、改めて意気込みをお願いします!
 
室:大阪公演は中止になってしまいましたけど、東京公演は無事初日を迎えられます。引き続き対策をしながら、キャスト、スタッフさんともに力をあせていい作品になるように突っ走っていきたいと思います。お願いします!
 
越岡:こういう状況下の中なので、スタッフの方々が万全の状態でやってくれているので、お客さんは本当に安心して足を運んでもらえたらなと思います。残念ながら、大阪の話を大阪でできないというのはあるんですけど、東京公演は博品館劇場、そして、ニッショーホールとあるので、最後まで誰一人欠けることなく千秋楽まで突っ走っていきたいと思います。

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

物語の舞台は、大阪の街の片隅で営まれている古道具屋。東京で家具デザイナーの仕事をしている河野裕之(室龍太)が、幼少時代を過ごした関西に戻り、小学校時代の旧友の吉岡雅人(越岡裕貴)を訪ねるところから物語は始まる。
   
河野と吉岡ほか、登場するのは、吉岡の高校時代の友人の白石ケン(斉藤太一)、吉岡の妹のミチル(天野弘愛)、ミチルの友人の石橋玉子(香月健志)、同じく友人の竹本祥子(斉藤ゆき)、吉岡と親戚のような関係性の風間孝明(後藤英樹)、居候の御前崎ヒロシ(三谷健秀)と、どこにでもいそうだけれど、強烈な個性を持つキャラクターばかりだ。周囲が個性的すぎるゆえ、河野役の室と、越岡役の吉岡が“普通”に見えてしまうのだが、それはそれで自然な感じで、個人的には好感が持てた。
 
何か大きな事件が起きるわけではないし、平凡な日常を描いているのだが、関西らしいノリツッコミの場面もあれば、事情が明らかになるにつれ、じーんと胸を打つ場面もある。蚊取り線香やかき氷、うちわ、庭で採れたきゅうり、蝉など、随所に日本の夏を感じつつ、約2時間(途中休憩なし)で繰り広げられる、大阪の人情味あふれる会話劇を楽しみたい。

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

舞台『ッぱち!』ゲネプロの様子

 

取材・文・撮影=五月女菜穂