令和6(2024)年12月歌舞伎座公演にて、中村獅童、尾上菊之助出演による『あらしのよるに』が上演されることが決定した。

きむらゆういち原作の絵本『あらしのよるに』(講談社刊)は、平成6(1994)年の発売以来、高い人気を誇り、続編を含めた累計発行部数350万部を超えるベストセラーシリーズ。ゲームやアニメ映画、舞台とさまざまなメディアで作品化され、主人公の狼がぶの声を中村獅童が勤めた大ヒットアニメ映画『あらしのよるに』は、世界各地で上映された。そして、平成27(2015)年9月には、京都・南座にて歌舞伎の舞台として上演。人気絵本の世界観をそのままに、狼と山羊の迫力満点の立廻りや圧巻の群舞、義太夫や長唄など歌舞伎ならではの演出や技法を随所に取り入れた舞台は、話題となり、翌28(2016)年12月には歌舞伎座、30(2018)年11月には博多座と、各地で上演を重ね多くの人々に愛されてきた。

本年は原作の発刊30周年となる記念の年。この度、12月の歌舞伎座で再び『あらしのよるに』が上演される。出演は、初演時から狼のがぶを演じ続けてきた中村獅童、そして近年『マハーバーラタ戦記』や『風の谷のナウシカ』、『ファイナルファンタジーⅩ』など新作歌舞伎にも意欲的に取り組んでいる尾上菊之助。『あらしのよるに』という作品に様々な形でかかわり、原作と歌舞伎を結びつける存在として作品を作り上げてきた獅童と、今回が『あらしのよるに』初出演となる菊之助の共演で上演する。

中村獅童

中村獅童

尾上菊之助

尾上菊之助

狼だけど気のいいがぶと、愛らしくも芯の強い山羊のめいとの秘密の友情を描いた感動作に期待しよう。

【あらすじ】
ある嵐の夜出会った狼のがぶと山羊のめい。二匹は楽しく語り合い「あらしのよるに」という言葉を合言葉に、次の日に再び会うことを約束します。そして、嵐の過ぎ去った翌日、二匹は互いの姿を知り……