2024年12月、演出・栗山民也、主演・中山優馬による舞台『血の婚礼』が上演されることが決定した。

本作は、スペインを代表する劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカが、実際の事件をもとに執筆し、ロルカの三大悲劇のひとつとして知られている傑作戯曲。スペイン・アンダルシアを舞台に、互いの家族の期待を背負いながら結婚式を迎えようとしている一組の男女のもとに花嫁の昔の恋人が現れ、すべてを変えてしまう。言葉では説明のつかない愛への衝動、伝統と因習に縛られた男たちの闘い、女たちの戦いを描く。

舞台の演出を務めるのは、「ロスメルスホルム」「オーランド」といった海外戯曲から、こまつ座「夢の泪」「母と暮せば」まで幅広く手掛け、2023年に旭日小綬章を受章した日本演劇界の巨匠・栗山民也。花嫁のかつての恋人・レオナルドを、舞台「ゲルニカ」「星降る夜に出掛けよう」や、テレビドラマ、バラエティなどジャンルを超えて活躍する中山優馬が演じる。

共演として、結婚式を迎えようとしている花婿を、舞台「デカローグ」、「ビロクシー・ブルース」、「ザ・ドクター」などに出演し巧みな演技で注目を集め、上演を控える「彼方からのうた」では主人公を演じる宮崎秋人、レオナルドと花婿の間で揺れる花嫁を、映画「世界の終わりから」で主演を務め、舞台「明るい夜に出かけて」などへの出演も話題の伊東蒼、レオナルドの妻を舞台「デカローグ」や主演映画「茶飲友達」で高崎映画祭・最優秀主演俳優賞を受賞し、存在感を増す岡本玲、花嫁の父を、「フェードル」「ロスメルスホルム」「オーランド」など栗山演出作品には欠かせない谷田歩、花婿の母を、こまつ座「夢の泪」への出演や『ふくすけ 2024−歌舞伎町黙示録−』」の上演を控える秋山菜津子がそれぞれ演じる。

上演決定にあたり、演出の栗山民也、主演を務める中山優馬からコメントが到着した。

演出 栗山民也 コメント

もうだいぶ前のこと、その時住んでいたロンドンの震える冬を抜け出し、暖かなスペインへ向かった。マドリッドに着いてからは列車で東海岸をゆっくりと2週間かけて南下、目的地であるアンダルシアを目指した。

その地にあるアルバイシンの丘を登ると、ただ透明な青色だけの空の下、小さな美術館と小さな野外劇場がポツンとあった。偶然にもその夜、その劇場ではロルカの「ジプシー歌集」をもとにした音楽劇をやっていて、彼の地グラナダに来た目的が叶った。

そのグラナダで生まれたガルシア・ロルカの「血の婚礼」を、今回やっと上演することができる。あの丘の上のあの喉から絞り出すような熱く乾いた声、あの力強く踏み鳴らし続けるステップのリズム、そしてあの劇場をギュッと包み込んだ、むせ返るような濃い人間たちの欲望の輪を思いながら、心躍るままに創ろうと思う。ロルカに出会いたい、その一心で。

中山優馬 コメント

「血の婚礼」に出演させて頂ける事、また栗山さんの作品に出られる事、大変嬉しく思います。

それと同時に、「血の婚礼」という偉大な作品に巡り合わせて貰った事に、感謝と共に重圧も感じています。

現代の社会においては決して許される事のないであろう物語。僕が演じさせて頂くレオナルドは、強くも卑怯で愛に溢れた男。多くを失い、多くを手に入れた男なのだと思います。そんな彼をたくさん愛し、表現したいと思います。僕なんかの小細工が通用する役ではありませんので、少しの衝動も逃さず、文字通り全身全霊で演じ切りたいと思います。

胸の引き裂かれる様な熱い愛を、劇場で見届けて下さい。

あらすじ

太陽が照りつける灼熱の大地スペイン、アンダルシア。

母親と二人暮らしの花婿は、働き者の花嫁との婚礼を間近に控えているが、花婿を愛する母は二人を歓迎できずにいた。花嫁は過去に、フェリクス一族のレオナルドと恋人関係だったという噂があるからだ。

遡ること20年前、花婿の父と兄はフェリクス一族に殺されたのだ。花婿の母は暴力への憎しみを全身に宿し続けながらも、女手ひとつで残った息子を育て上げたが、いまも心が晴れずにいた。

現在のレオナルドの妻は、花嫁の従姉妹。二人の間には子どもがいる。それにも関わらず、レオナルドは今もなお、花嫁への熱情を抱き続けているという。

ついに迎えた婚礼の朝。レオナルドは花嫁を尋ね、燃え続ける思いを告げる。花嫁は動揺を隠して婚礼の一日を過ごすが、祝宴の真っ最中、レオナルドとともに姿を消してしまう。婚礼の宴は大騒ぎになり、花婿は花嫁とレオナルドを追いかけた――。

森のなか、「月」が3人を照らし出し、「死」が囁きかける。そして、悲劇が繰り返される。