女優の桐谷美玲(34)が22日、日本テレビ系「news every.」(月〜金曜後3・50)にキャスターとして生出演し、心不全のため16日に死去した俳優の中尾彬(なかお・あきら)さん(享年81)を追悼した。

 番組では冒頭で中尾さんの訃報を伝えた。桐谷は、13年公開の映画「ラブ・スウィング〜色々な愛のかたち〜」、15年公開「ヒロイン失格」などで、中尾さんと共演した経験がある。

 森圭介アナウンサーから「桐谷さんは共演されたことがあるということですが」と振られた桐谷は、「“一緒にお弁当を食べよう”とか、いつも気にして声を掛けて下さったり、とても優しい方でした」とつぶやいた。森アナが「心よりお悔やみ申し上げます」と哀悼の意を示すと、桐谷も頭を下げていた。

 中尾さんは、高校卒業後の1961年に武蔵野美術大学油絵学科に入学。翌62年に日活ニューフェースの第5期に合格し、映画デビューを果たすが、画家の道を捨てきれずに大学を中退してフランスに留学したこともあった。帰国後の63年に劇団民藝に研究生として入団し、翌65年に中平康監督の「月曜日のユカ」で主演の加賀まりこのボーイフレンドを好演して注目を集めた。70年に日活と民藝を離れてフリーに転身。75年に「本陣殺人事件」で金田一耕助役で主役を張ったほか、東映「極道の妻たち」シリーズ、東宝「ゴジラ」シリーズ、伊丹十三監督の「ミンボーの女」、さらには「アウトレイジ ビヨンド」や「龍三と七人の子分たち」など北野武監督の作品に重用され、コワモテから気の良い親分まで変幻自在に演じ分けて貫録を示した。ドラマではテレビ朝日「暴れん坊将軍」の初代徳川宗春役やNHK土曜ドラマ「ハゲタカ」などで存在感を示した。

 おしゃれとしても知られ、マフラーやスカーフを首元からぐるぐる巻きにする“ねじねじ”がトレードマークだった。