アニメ「金田一少年の事件簿」シリーズの金田一一役などで知られる声優の松野太紀(まつの・たいき)さんが、26日に右大脳出血で死去したことがわかった。56歳。所属していた株式会社青二プロダクションが27日に公式サイトを通じて伝えた。通夜、告別式は近親者のみにて執り行う。

 「金田一少年の事件簿」の主人公・金田一一役を始め、声優、タレントとして活躍していた松野さん。城西国際大学ではメディア情報学科で非常勤講師としても人気を博していた。

 その“教え子”の一人に、男性アイドルグループ「Snow Man」の佐久間大介(31)がいて、今年3月30日放送の文化放送「Snow Man佐久間大介の待って、無理、しんどい、、」の放送100回目という佐久間がパーソナリティーを務めるラジオのメモリアル回に松野さんがゲスト出演していた。

 その放送内で松野さんが「記念すべき日に僕なんかで良かったんですか」と問いかけると、佐久間は「逆、逆!記念すべき日だからこそ僕にこの業界で仕事ができるように教えてくださった先生が来てくださる方がもう…」と声のトーンを上げ熱弁。10年ぶりぐらいという再会を懐かしんだ。

 松野さんが「先生言うのやめてもらっていい(笑い)。(生徒たちからのあだ名である)タッチィに今日から変えない?」とイタズラっぽく提案しても「いやいや僕の中で、やっぱりずっと先生なので」と強いリスペクトを示していた。

 大学に声優学科ができた1期生だという佐久間。「誰が来るの?ってなって。松野太紀さんが来るって…え?ウソだろ?みたいな。あの『金田一少年の事件簿』の一ちゃんだとっ?みたいな」と初めて講師と学生として会った日のことを回想。「(芸能界の仕事はしていましたが)声優として、そこが初めてでした。仕事の関係で全部は出席できなかったですが、朝の1限でも意地でも出られる時は出席していましたね」と声優や舞台など芸能界の仕事をする上での恩師であり師匠であり、永遠の先生だと思いを伝えた。松野さんも、佐久間が(旧ジャニーズ事務所所属の)芸能人であることが資料に記されていて、そういうことには触れないで「みんなと同じように、という感じで」と学校側から言われていたといった裏話を披露するなど“師弟”で当時のキャンパスライフの思い出話に花を咲かせた。

 「声優になりたい、有名になりたい、売れたいと毎回アニメ柄Tシャツを着て僕の講義を聞いていたあの大介が…」と感慨深げに語っていた松野さん。放送後には「めでたい100回記念回にお招き頂き恐悦至極です。ご縁あって彼の学生時代を知る一人として、相変わらずの人懐っこさと眩しいくらいに素敵な大人になっている姿を見て胸が熱くなりました」とコメントも発表していた。