◇パ・リーグ 西武5―4楽天(2024年4月19日 ベルーナD)

 連勝男が、連敗を止めた。西武・今井はポーカーフェースとは裏腹に、チームの7連敗を「止める気でいた」と熱い気持ちだった。楽天戦は21年から自身11連勝とした。

 「自分の勝ち星よりもチームが勝てることだけを考えた」。西武ブルーシリーズと銘打たれた試合で、伝統の水色を身にまとった。4月中の8連敗だと、同色のユニホームだった所沢移転初年度の79年以来の危機だった。

 今季は全球種の平均球速が上がり、特に直球は151・1キロから2・4キロ増の153・5キロと力強さを増した。オフに2年連続で福岡県久留米市内の鴻江スポーツアカデミーで自主トレを行い、足でタイミングやリズムを取ることが適する「あし体」であることが分かった。「投げる前にマウンドに立った時点で7割ボールが決まっている」と意識する。

 7回5安打1失点の9奪三振で、今季2勝目。右翼手が打球をそらして訪れた3回2死三塁のピンチは、この日最速の157キロ直球の後に、スライダーで空振り三振。「僕がカバーするところだと思った」と切り抜けた。

 楽天を上回って最下位を脱出した松井監督も「スピードも上がっている。力強さも、向かっていき方も、腕の振りも(強い)」と評した。今井は「優勝する一年にしたい」と宣言した。(神田 佑)