第63回春季北海道高校野球大会札幌支部予選の組み合わせが23日、全道10支部予選のトップを切って決まった。北星学園大付は昨秋に続き2季連続、春は2年ぶりの支部突破に挑む。今秋ドラフト候補の1メートル91の長身右腕、石田充冴(じゅうざ、3年)は今春自己最速を更新する143キロをマーク。すでに7球団が視察に訪れている注目右腕が成長をマウンドにぶつける。

 今月の練習試合で143キロをマーク。既に、NPB7球団が視察している。注目を集める中で「やってきたことが少しずつ出てきている。春はそれがどこまで通用するか」と表情を引き締める。

 昨秋全道大会初戦の駒大苫小牧戦では7回途中3失点で降板したが、6回までは無安打無失点と好投。初めて背負った背番号1の重圧とも戦った秋を経て、自信をつかんだ。春休みの関東遠征で、東海大菅生、土浦日大など3試合に先発。全国区を相手に「直球で空振りが取れた。直球は通用すると感じることができた」と振り返る。

 帰道後からは、投球練習で20メートルと本来の18・44メートルで半数ずつ投げ込む取り組みを始めた。直球も変化球も、最初に20メートルの距離で投げ込むことで自然と強く腕を振ることを意識する。「まだまだ腕が振れていなかった変化球も鋭くなったし、それから18・44メートルにすると(距離が)近く感じてコントロールしやすい」。そんな成果を出している右腕に、沼山健吾監督は「考え方、意識が成長している」と話す。

 成長と同時に未知の可能性も秘める右腕が掲げるのは、夏の甲子園で勝つこと。そのためにも春は「最低でも全道ベスト4」が目標だ。「チームとして動く中で、個人の邪念が入ると勝てない。チームが勝ち、その中で活躍を認められることで、目標のプロも近づくと思っている」。激戦ブロックをくぐり抜け、春の円山を手繰り寄せる。(竹内 敦子)

 ◇石田 充冴(いしだ・じゅうざ)2006年(平18)7月21日生まれ、旭川市出身の17歳。旭川啓明小1年で野球を始め、旭川緑が丘中時代は旭川北稜シニアでプレー。高1秋の支部予選で初ベンチ入りし、2年秋から背番号1。家族は両親。父・威仁さんは米独立リーグでプレー。名前の由来は「北斗の拳」の「ジュウザ」から。右投げ右打ち。