◇プロボクシングWBO世界バンタム級タイトルマッチ 王者ジェーソン・モロニー<12回戦>同級5位・武居由樹(2024年5月6日 東京ドーム)

 ボクシングの4大世界戦が6日、東京ドームで行われ、セミファイルのWBO世界バンタム級タイトルマッチは挑戦者の武居由樹(27=大橋)が王者のジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)を判定で破り、新王者となった。21年に立ち技格闘技のK―1から転向した武居は日本人初のK―1とボクシングでの世界王者となった。また、この勝利で通算100人目の日本ジム所属の男子世界王者となった。

 「足立の悪ガキ」がボクシングでも世界の頂に立った。武居は母子家庭で育ち、問題児ぶりに手を焼いた母親の考えで、小学5年からキックボクシングジム「パワーオブドリーム」の古川誠一会長の自宅に住み込んで他のジム生と共同生活を送った。フジテレビ「ザ・ノンフィクション」で特集されるほどの“悪ガキ”が、K―1そしてボクシングで世界王者に輝いた。

 井上尚弥が統一後返上したバンタム級戦線は、4日に西田凌佑がIBFのタイトルを奪取し、この日、武居もWBOの王座に君臨。同じくこの日防衛に成功したWBAの井上拓真、WBCの中谷潤人と主要4団体のベルトを日本人ファイターが占めることになった。

 バンタム級には“キックの神童”でボクシング転向後3連勝を飾った那須川天心(帝拳)、元日本王者の堤聖也(角海老宝石)など実力者がそろっている。この日、会場に中谷と那須川も来場していた。

 日本人が世界王者を独占したバンタム級にファンは早くも大興奮した。「バンタム級黄金期」「日本人同士の統一戦見たい!」「日本人世界王者含めて誰がバンタム級で一番強いか見てみたい」「日本人世界王者でWBSS開催してくれ!」「大橋会長!WBSS開催おねがい」などの声が上がった。