◇セ・リーグ 巨人1―1中日(2024年5月21日 東京D)

 巨人は両軍合わせて42選手が出場した中日戦(東京D)で延長12回、4時間25分の戦いも決着つかず。今季4度目の引き分けに終わった。延長戦は今季7試合目で、2勝2敗3分けとなっている。

 山崎伊、高橋宏と両先発右腕の投げ合いで6回まで0―0のまま試合が進行。

 山崎伊が7回1死から7番・田中に左翼スタンドぎりぎりに飛び込む一発を浴びて先制を許したが、相手マウンドが2番手右腕・清水に代わったその裏、先頭・丸がこの試合3安打目となる遊撃への内野安打を放ち、代走・重信が二盗に成功。立岡の犠打で三塁に進むと、吉川の中犠飛で追いついた。

 だが、1―1で突入した延長戦では投手陣が無安打に抑える一方で、打線も岸田のこの試合2人目の猛打賞となる11回の1安打だけ。

 巨人が7投手を含めて20選手、中日が7投手を含めて22選手と両軍合わせて42選手が出場する総力戦だったが、巨人が7安打6四球も12残塁、中日が5安打9四死球も11残塁という痛み分けだった。

 阿部慎之助監督(45)は8回途中5安打1失点だった先発右腕・山崎伊の好投のあとも高梨、船迫、バルドナード、西舘、大江、泉のリリーフ6投手が無失点リレーだったことに「ピッチャーは責められません」とキッパリ。

 山崎伊は先制された直後に追いついてもらい、7回までに92球を投げていたが、8回も続投。2死から細川、ビシエドに連続四球を与えたところで111球で降板した。

 「まぁ、1点だったし、何とか攻撃陣を信じて引っ張ったんだけどね」。“中日キラー”で、今季無傷の開幕4連勝中だった山崎伊の5勝目を願っての続投だったが、最後はいっぱいいっぱいと判断して監督自らマウンドに向かい、投手交代を告げた。

 何度もチャンスがありながら12残塁で1得点に終わった巨人打線。だが、それについても「そうだね。そのチャンスで打てないだけで。何とかしようとしているのは見えるので。まあ、明日は打ってくれるでしょう」と期待した。

 また、左膝前十字じん帯損傷で手術を受け、戦列を離れていた34歳の立岡が負傷した2022年6月9日の西武戦(ベルーナD)以来712日ぶりに復帰。

 支配下登録および出場選手登録して即日「2番・右翼」に起用した指揮官は「良い仕事をしてくれたし。これくらいはできる選手だと思っていたので」と、復帰後初安打こそお預けとなったものの3回と7回に2度の犠打を決め、5回の第3打席では2ストライクから粘って四球出塁するなど存在感を発揮したベテランの復帰を喜んでいた。