◇セ・リーグ 広島6−2阪神(2024年5月21日 マツダ)

 広島・床田が阪神との首位攻防初戦で抜群の安定感を発揮した。初回の制球難を即座に立て直し、7回1/3で6安打2失点(自責1)。阪神・才木と並ぶ5勝目を挙げて防御率1・27とともに2冠に立ち、56回2/3の投球回を合わせれば3部門でリーグトップだ。

 「先に点を取ってくれたので、楽な気持ちで投げられた。始まったばかりなので特に気にしていないけど、試合をつくれているのはいいことだと思う」

 極めて珍しい立ち上がりだった。初回先頭の近本に明らかなボール球でストレートの四球。フォームが乱れて先行きが案じられた中、続く中野の遊撃右への強いゴロを矢野が好守で防ぎ、力を得た。

 「初回はビビった。ストライクが入れへん入れへんって。(矢野の好守は)大きかったですね。いつも助けてもらっている」

 村上とは今季早くも4度目の投げ合い。「先に点を取られないように」と投手戦を覚悟した。3回までに5点の援護もらい、かつ2回以降は制球が安定したことで軽快にゼロを並べた。2点を失った8回1死一、二塁でお役御免。これで難敵とは2勝2敗となった。

 「村上があんなに点を取られるのは初めて見た。大きかった。五分に持っていけたので、次に当たれば思い切ってやれるかな…と」

 本拠地マツダスタジアムではクリス・ジョンソン以来、左腕で2人目の20勝目。新井監督は「今日も素晴らしい投球だった。打ち取った当たりが内野安打になったり不運もあったけど、しっかり投げてくれた」と賛辞を惜しまなかった。(江尾 卓也)