◇東都大学野球1部春季リーグ・第3週第4日 神宮(2024年5月22日 国学院大 3―1 亜大)

 国学院大が接戦を制して今季初の勝ち点をつかんだ。敗れると最下位が決定する大一番を制し、鳥山泰孝監督は「勝つならこういう展開かなと。選手は腹をくくってやってくれました」と興奮気味に語り出した。

 苦しかった。だからこそ、白球が右翼席へ吸い込まれると自然と笑みがこぼれた。同点の8回、先頭で決勝の右越えソロを放った今秋ドラフト候補の柳舘憲吾内野手(4年=日大三)は「チームのための一本をと思って打席に入った結果、最高の結果になってくれた」と胸を張った。

 試合前まで打率・188。昨春は首位打者にも輝いた東都が誇る安打製造機がかつてない不振に苦しんでいた。それでも、この日も「1番・三塁」で先発出場。「自分たちのやってきたことを疑いだしていた時もあったが、そんなこと言っていられる状況じゃないと。目の前の一球に集中した」と初回に左前打を放つと吹っ切れた。試合は1点を争う接戦となったが最後は柳舘が決め「感動しながら見ていました」と指揮官。自力での1部残留に望みをつないだ。

 試合は9回に期待のルーキー・緒方漣内野手(1年=横浜)がリーグ戦初本塁打を左翼スタンドへ運び貴重な追加点を奪った。大一番で勝負強さを発揮し、「つなぎの気持ちで打って、少し届かないかなと思ったんですけど入ってくれて良かったです」と喜んだ。

 1部残留のためには未消化となっている日大戦で勝ち点を奪うしかない。すでに1敗しており連勝するしか生き残る道はないが、チームを支えてきた柳舘は「自分たちの中では“奇跡の3連勝”と言っていて。最後、国学院はやっぱり粘ったなというところを見せられたら」と覚悟を示した。