◇大相撲夏場所11日目(2024年5月22日 東京・両国国技館)

 元十両で東幕下11枚目の藤青雲(26=藤島部屋)が風の湖(21=押尾川部屋)との幕下全勝対決を制して6連勝と星を伸ばした。

 立ち合い、先に手を降ろした風の湖が勢い込んで突っかけること3度。今度は藤青雲が先に両手をついて待ち、4度目で成立した。当たり合ってから風の湖が前傾姿勢で出てくるところを、藤青雲が冷静に上からはたき落とした。立ち合いについては「自分が(手を)つくのが遅かったかな」と反省。取組後すぐに審判部から呼び出され、両者ともに注意を受けた。

 藤青雲は新十両だった昨年夏場所で勝ち越すも、場所後の稽古中に左膝前十字靱帯断裂の大ケガ。手術とリハビリによる3場所連続休場を経て今年の初場所で三段目から復帰し、幕下上位まで番付を戻してきた。これで6戦全勝とし、幕下優勝と十両復帰へ王手。「とりあえず6番勝っているので、そこは気にせず思い切り自分の相撲が取れれば」と無欲の心構えを示した。

 幕下の全勝は藤青雲と、今場所幕下最下位格付け出しデビューの草野(22=伊勢ケ浜部屋)の2人。熊本・文徳高の4年後輩にあたる草野との幕下優勝を懸けた対戦を見据え「同じ高校で対戦するのは川副(伊勢ケ浜部屋)ぐらいしかないので、最後楽しもうと思う。悔いが残らないように、楽しみです」と意気込んだ。