◇第106回全国高校野球 福岡大会2回戦 東海大福岡8―2小倉南(2024年7月3日 北九州市民)

 春夏連続出場を目指す東海大福岡が初戦を迎えた。

 1メートル87の長身エース右腕、佐藤翔斗投手(3年)は4―2と2点リードの6回から登板した。練習試合で最速を更新して144キロになった背番号1は「いい流れを持ってこようと思った」と腕を振った。4回で4安打されたが無失点に抑えた。以前は制球に苦しむこともあったが、この日は無四球だったことに「そこは良かった」と話した。

 燃えた場面があった。8回2死二塁の守備。ファウルエリアにフラフラと上がった打球を追っていた捕手の井上和翔主将(3年)が三塁ベンチに飛び込みながらボールを取りに行った。ボールはつかめなかったが、佐藤は「全員で勝ちに向かってやっている中、一つのアウトをもぎ取ろうとする姿は自分も負けてられない」とよりスイッチが入った。直球で遊ゴロに抑えてピンチを脱した。

 今春の選抜では初戦の宇治山田商戦に先発したが、5失点完投負け。春の九州大会では初戦で宮崎商に3―16でコールド負け。佐藤は登板しなかったが、投手リーダーを務めているだけに「ほかの投手が打たれたのは自分が目配り、気配りできていなかったせいなので。自分が打たれたというそれぐらいの気持ちで夏に向け再スタートしました」と全員でもう一度鍛え直してきた。

 過去3度選抜出場があるが、東海大五時代も含めてない初の夏出場に向け佐藤は「自分たちは挑戦者」と気を引き締めていた。