森岡亮太をベルギーで直撃!「ナメられないように結果を残してきた」

森岡亮太をベルギーで直撃!「ナメられないように結果を残してきた」

 2017年12月8日に行なわれたスタンダール・リエージュ戦。ワースラント=ベフェレン(ベルギー)のMF森岡亮太は、ピッチの中心で輝いていた。

 攻撃の際には必ずボールが彼を経由し、”ゴール”の確率が高められていく。結果的に3−1で勝利したこの一戦で、森岡が記録として残した数字は左CKでのアシスト1本だったものの、その存在感を見れば、彼がチーム、監督から大きな信頼をつかんでいるのは間違いないだろう。

 そんな現状にあって、森岡は今、どんなことを感じながらサッカーに向き合っているのか。日本を飛び出して約2年。ふたつ目のクラブで躍進を続けながら、日本代表にも復帰を果たした彼の胸中に迫る――。

――スタンダール・リエージュ戦は先行される展開でしたが、同点に追いついてからは内容、結果ともに理想的な戦いでした。

「(試合は)ほぼパーフェクトでしたね。内容的には今シーズンで一番よかったかもしれない。失点の仕方はもったいなかったけど、追いついてからはほぼゲームを支配していたし、チームとしても、僕個人としても、やろうとしていたこと――ボランチでしっかり相手を潰しつつ、(選手それぞれが)お互いにいい距離を保ちながら、真ん中、サイドと理想的にボールをつなぎ、攻撃のチャンスを作り出すことも徹底できていました。

 僕自身、試合前のミーティングで監督が言っていた『ここのスペースでは必ずリョウタを見つけて、ボールを経由させろ』という指示のもと、たくさんボールも触れたし、楽しくプレーできました」

――ベフェレンに加入後は、ほぼ先発フル出場(第21節終了時点で出場21試合。そのうち17試合が先発フル出場)。今の言葉からも、またプレーを見ていても、周りからの信頼がうかがえます。早々に信頼をつかむために工夫されたことはありますか。

「基本的に、アジア人はナメられますからね。ナメられないように……と思って工夫したところで、ナメられる(笑)。ということは、シロンスク・ヴロツワフ(ポーランド)でプレーしていたときから感じていたし、だからこそ、プレーで違いを見せるしかないな、と。実際にヴロツワフでも、ベフェレンでも、明確な結果を残せるようになれば、明らかに周りの態度が変わってきましたからね。

 唯一、意識したことを挙げるなら、ポジション的に僕は”出し手”で、周りにはボールを欲しがる選手がたくさんいる、ということを自覚することくらい。

 要は、周りの選手に『おまえ、ちゃんと(パスを)出せよ』的な不満を持たれると、(自分より)上に立たれてしまうので、逆に僕が『このパスを決められないの?』『そこに動けよ』というシチュエーションをできる限り多く作って、周りの選手に『悪い、(今のは)俺が動いていなかった』と謝らせるくらいの雰囲気にもっていくこと。それによって、自然と周りも僕に合わせてプレーしてくれるようになっていった気がします」

――ヴィッセル神戸時代も、2014年以降は森岡選手がチームの中心でした。そのときと今とでは”信頼”の種類も違いますか?

「全然違います。ヴィッセル時代は……チームメイトのほとんどが同じ日本人で言葉も理解できるし、自分が特に働きかけなくても、攻撃シーンではほとんど僕を経由していたというか。そもそも、日本は”察する”文化である分、ボールを持った選手に寄れば、何も言わなくてもボールは出てくるし、みんなが僕のやりたいことを察して動いてくれていた。

 でも、海外はまず”自分”ですから。自分が点を取るために”僕を使う”のが基本で、僕がしたいことを察して点を取る、ではない。だからこそ、『こいつにボールを預ければ、いいパスをもらえるし、自分も点を取れる』と思わせる必要性はより感じるようになりました」

――プロになったときから、海外移籍には強い願望を持っていました。その第一歩としてヴロツワフを選んだ理由と、そこからベルギーリーグのベフェレンへの移籍を決めた理由を教えてください。

「かねてから……それこそ、高校生のときから僕は、スペインリーグのバルセロナでプレーする選手になりたい、という夢を描いていましたからね。で、単純にその可能性の確率を上げるには、『ヨーロッパに行くしかない』という考えがありました。そして、『ヨーロッパに行く』というチャレンジを選択したとき、チャンスをくれたのが(最初は)ヴロツワフしかなかった、ということです。

 それは、ベフェレンへの移籍も同じで、先ほど話した”確率”を少しでも上げるために、当時の状況を抜け出そうと考えていたなかで、正式にオファーをくれたのはベフェレンだけだった。

 いや実は、2016年の夏の段階でも移籍話が浮上し、ベフェレンを含めていくつかオファーをもらっていたんです。でも、そのときはクラブ側の諸事情で実現せず……という経験を踏まえて、今回は、自分で設定した期限内に正式なオファーをくれたチームに移籍しようと決めていました」

――海外に出なければ得られなかった”成長”を挙げるとしたら何でしょう。

「点を取ること、アシストすること、など結果に直結するプレーをより意識するようになったこと。もちろん、国内でプレーしていたときもそれは求められていましたが、当時はチームが機能していないなら、機能するように自分もプレーすることが大事だと思っていたところもあり……。

 でも今は、そんなことより、目に見えて結果を残していかないと、自分自身の居場所がなくなりますからね。マインド的にも、プレーでも自分をより主張することが増えた気もします。

 また、”持っているテクニックをいかに試合で発揮できるか”も、より深く考えるようになったことのひとつです。というのも、テクニックだけを見れば、日本人のレベルは世界的に見ても決して低くはないと思うんです。でも、それを試合の中でいかに発揮するかという部分では、フィジカルで劣ることもあり、ありのままを発揮できていない。しかも、結果的にテクニックより、フィジカルで勝る選手のほうがピッチに立つことも多いですしね。

 その現実を目の当たりにして、ヴロツワフ時代は『あいつのほうが下手なのに、なんで僕が使われないの?』と不満を抱いたこともあったけど、結局フィジカルなしで、”世界”で戦えるはずがないですから。そこを真摯に受け止めて、自分に足りない部分をプラスアルファで補おうとするようになったのも、海外に来てからだと思います」

――ベフェレンでの活躍が目にとまり、10月には日本代表にも復帰しました。海外で経験を積んだ効果は、手応えとして感じられましたか。

「2014年に初めて日本代表に選ばれたときに、日本代表に入ることが大事なのではなく、入って『何をどれだけできるか』がすごく重要だと感じた自分がいて。その部分に関しては、当時の自分はすごく遠いところにいる気がしたんです。実際、ブラジルやウルグアイと対戦しても、ただただ相手の強さを感じるばかりで、その中で自分が戦えるイメージがまったく湧いてこなかった。

 それもあって、より”海外”を意識するようになったというか。厳密には、(海外への移籍も)日本代表に入るため、というより、入ったときにできることの数を増やすための選択でした。

 そういう考えのもとでこの2年、海外でプレーしてきて、今回、久しぶりに代表で戦って感じたのは、2014年のときより断然、自分のプレーイメージが膨らんでいたということ。しかも、対戦相手が同じブラジルだったこともあり、自分の中での答え合わせができたというか……。

 つまり、ベルギーのこんな小さなクラブでプレーしていても、『やっぱり(海外に)来てよかったな』と思えたことは自信になったし、今後、もっと上のレベルのクラブにステップアップしていけば、より自分ができることのイメージは膨らんでいくはずだと確信しました」

――その”ステップアップ”を図るうえで、目標として描いていることはありますか。

「僕の中では一貫して、バルセロナでプレーすることがてっぺんにあるので、そこに近づくことが目標だし、それがひいては、日本代表やワールドカップにつながっていくのかなとも思います。というと、大抵の人が、26歳という僕の年齢、立ち位置を踏まえて『それなら、もっとスピードアップして前に進まないといけないんじゃないか』と思うはずですが、結局、どれだけスピードアップしたいと願っても、やるべきことは同じですからね。

 もちろん、いつだって気持ちのスピードアップは必要だけど、そこに体、プレーが伴っていかなければ、結局はバランスを崩してしまう。だからこそ、毎週末の試合のために、1週間の準備で何ができるか、どんな結果を残せるか。そのために1日1日をいかに有効に過ごすのか、を積み重ねていくしかない。それは10代の選手でも、26歳の僕でも一緒だと思うんです。

 だからこそ、頭にあるのは無駄に焦ることはせず、今いる環境で精一杯、戦い抜くことのみ。……ってことをヴロツワフ時代に壁にぶち当たり、苦しんだことで、心から感じている自分がいるので、今は着実に自分のいる場所で結果を残すことを考えていますし、それが自分の可能性をより広げてくれると信じています」

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