本番まで残り約1カ月…羽生結弦は平昌五輪で4回転を跳ぶのか?

本番まで残り約1カ月…羽生結弦は平昌五輪で4回転を跳ぶのか?

 2月9日から開幕する平昌五輪の関心の的となるのが、男子フィギュアスケートだ。その最大の注目ポイントは、五輪連覇を狙う羽生結弦の故障からの回復具合だろう。羽生にとって、昨年10月22日までロシアで開催されたロステレコム杯以来の実戦の舞台となるのが、五輪本番になりそうだからだ。

 羽生は、かつて中国杯で衝突事故があった2015-2016シーズンには、12月の全日本選手権後に手術のため入院。その後、練習を再開したものの右足首を捻挫して2週間練習ができなかったにもかかわらず、世界選手権ではトップに2.82点差の2位になる演技をしてみせた実績もある。それだけに、「回復さえすれば」という期待は大きい。

 羽生の回復が順調なら、まずは開会式当日に行なわれる団体戦男子ショートプログラム(SP)で、リンクの足馴らしすることになるだろう。ただし、現状を考えれば4回転ルッツへの挑戦は無理があると思われ、4回転ループはフリーに入れるだけということになる可能性は高い。

 それでも、今シーズン初戦のオータムクラシックのSPでは、右膝痛で4回転ループを封印し、4回転サルコウと4回転トーループ+3回転トーループの構成で自身が持つ歴代最高得点を1.75点更新する112.72点を獲得していた。その実績が大きなプラス材料になる。

 また、フリーでも15年のグランプリ(GP)ファイナルでは4回転サルコウと4回転トーループ2本の構成で219.48点を獲得しているだけに、4回転2種類だけの構成でも330点を出す力を持っていることは証明されている。

 では、その羽生を平昌で脅(おびや)かすのは誰になるのか。

 羽生が15年に出した合計330.43点の世界最高得点に次ぐ実績を持っているのが宇野昌磨で、今季初戦のロンバルディアトロフィーで319.84点を記録した。さらに、16年世界選手権で314.93点を出したハビエル・フェルナンデス(スペイン)と、17年の四大陸選手権で307.46点を出したネイサン・チェン(アメリカ)が続く。17年世界選手権で303.58点を出しているボーヤン・ジン(中国)は今季のGPファイナルを捻挫で欠場しているが、得点能力から見れば、これら4人の選手が羽生のライバルになってくるだろう。

 宇野は昨季の世界選手権ではSP2位で発進し、フリーでもSP5位から逆転優勝した羽生に2.28点差の2位になるなど、シニア移行後は確実に表彰台に上っている安定感が強みだ。フリーに4回転サルコウを入れて4種類5本の4回転という構成に挑戦している今季は、初戦で自己最高得点を出しながらも、その後は試合へのピーキングでやや苦しんでいる。

 だがそれは、新たな4回転を増やしたり、後半を難度の高い構成にしているからともいえる。GPファイナルのフリーの後には「失敗してもいいから4回転トーループを跳んでおくべきだったと少し後悔している」と話していたように、克服すべきところは些細な調整のみ。それがしっかりできれば、羽生に迫る可能性もある。

 そんな日本人男子のダブル表彰台に割って入ってきそうなのが、今季のGPファイナルを制したチェンだ。4回転ジャンプの申し子ともいえる彼は、昨季の世界選手権のフリーで6本の4回転を入れてきたように爆発力を持っている。そのうえ、今季は演技構成点も上積みしてきている。1月の全米選手権では、SPではステップアウト、フリーではパンクして1回転半とトリプルアクセルのミスが続いたが、それでも合計で315.23点を獲得して圧勝した。

 チェンの強みは、本人が「その時の調子によって4回転の構成を変える」と話していたように、その柔軟さにある。フリーのジャンプ構成を、ファイナルでは4回転ルッツと4回転トーループを2本にしていたが、全米選手権では不調だったルッツをSP、フリーとも使わず、フリーでは前半に4回転フリップ2本で、後半に4回転トーループ2本とサルコウ1本という4回転ジャンプ合計5本の構成にしている。チェンは、「練習ではいろいろな構成をやっている」とも話していたが、その柔軟な対応力は五輪でも大きな武器になってくるだろう。昨季の世界選手権は6位と振るわなかったが、着実に安定性を身につけているだけに要注意だ。

 ボーヤン・ジンは、昨季前半戦は調子が悪かったものの、世界選手権では3位になり、大舞台にうまく合わせてくる能力は持っている。さらに、フェルナンデスも今季はGP初戦の中国杯で体調不良のため6位に沈んでファイナル進出を逃してはいるが、フランス杯のSPではノーミスで17年世界選手権に出した自己最高得点に1.19点差まで迫る107.86点を記録。宇野の追撃を振り切って優勝している。また、12月のスペイン選手権でもSPで107.73点を出しているだけに、4回転3本の構成にしているフリーをノーミスで滑れば、メダル争いに絡んでくる力は持っている。

 そのほかでは、GPファイナル3位のミハエル・コリャダ(ロシア)も、要注目選手になってきている。自己最高得点はまだ282.00点で、ファイナルでも4回転ルッツなどで転倒していたが、SPは転倒があっても99.22点の高得点を獲得した。さらに、その2週間後のロシア選手権では、4回転ルッツのステップアウトに加えてトリプルアクセルでも減点されるミスがありながら、SPで101.62点を獲得。フリーでも、4回転サルコウの転倒や、トリプルアクセルが1回転半になるなどいくつかミスはあったが、179.54点を獲得しており、こうしたミスをなくせば一気に得点を伸ばしてくる可能性はある。

 平昌五輪本番まで残り約1カ月。各選手がどのような調整をして本番に臨んでくるのか、そして羽生のコンディションはどこまで戻るのか、その戦いはすでに始まっている。

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