兄よ姉よ、見ててくれ。タンタフエルサは着実にクラシックの夢を追う

兄よ姉よ、見ててくれ。タンタフエルサは着実にクラシックの夢を追う

厳選! 新馬情報局(2018年版)
第34回:タンタフエルサ


 兄や姉が涙を飲んだクラシックの舞台において、弟や妹がそのリベンジを目指す、というのも競馬の面白味のひとつである。

 今年の3歳世代においても、そうした境遇にある馬は少なくない。美浦トレセン(茨城県)の国枝栄厩舎に所属し、デビューへ向けて調整を重ねているタンタフエルサ(牡3歳/父ディープインパクト)も、その1頭だ。

 母のタンタスエルテは、チリで競走生活を送り、GIを含めて数多くの重賞を制してきた名牝。2歳時には、チリの2歳牝馬チャンピオンにも選ばれている。

 現役引退後、日本で繁殖生活に入った彼女は、すでにクラシックの舞台に2頭の産駒を送り込んでいる。

 1頭目は、2009年に産んだパララサルー(牝/父ディープインパクト)。2戦目の未勝利戦で勝利を挙げると、そこから500万下特別、桜花賞トライアルのオープン特別であるアネモネS(中山・芝1600m)と3連勝を飾って、牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(阪神・芝1600m)に挑んだ。

 迎えた本番、戦前には連勝の勢いもあって伏兵の一角として注目を浴びたものの、最後方からの追撃も及ばず9着に終わった。

 その後、秋にはオープン特別の紫苑S(中山・芝2000m)を勝利して、改めて大舞台での活躍が見込まれていたが、惜しくもこのレースを最後に引退。6戦4勝という高いポテンシャルを示しながら、道半ばにしてターフを去ることになった。

 もう1頭は、2012年生まれのタンタアレグリア(牡6歳/父ゼンノロブロイ)。こちらは、ダービートライアルとなるGII青葉賞(東京・芝2400m)で2着となって、GI日本ダービー(東京・芝2400m)への出走権を獲得した。

 距離適性から競馬界最高峰の舞台でも穴人気して一発を期待されたが、結果は7着に終わった。それでも、後方から堅実な脚を使って能力の片鱗は見せた。

 以降、GI菊花賞(京都・芝3000m)でも4着と善戦し、古馬になってからも重賞戦線で奮闘。5歳となった昨年、GIIアメリカジョッキークラブカップ(中山・芝2200m)を勝って初の重賞制覇を遂げている。

 そんな兄と姉の果たせなかった夢、クラシックでの戴冠を託されたタンタフエルサ。同馬を間近で見ているスタッフたちは現段階でどのような評価をしているのか、関東競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「(タンタフエルサは)体質が弱く、それでここまでデビューが遅れてしまったようです。パララサルーやタンタアレグリアの若い頃と同じで、『トモ(腰から後脚の付け根)に甘い面がある』とスタッフ。それもあって、『牧場でもあまり乗り込めなかった』とのことで、陣営としてもなかなか苦心しているようですね」

 デビューの予定は、1月28日の3歳新馬(東京・芝1800m)。ただ、満を持してここへ送り出すというよりは、「一度レースに使うことで、変わり身を見せてほしい」という陣営の思惑があるという。

 その辺の事情について、先述のトラックマンが続ける。

「兄も姉もクラシックには乗りましたが、スタッフは『使いつつよくなっていった』と話しており、晩成タイプと捉えているようです。タンタフエルサに対するイメージも、その点は変わらないみたいです。ゆえに、陣営としては早急な結果を求めておらず、『兄と同じくいいモノは持っているので、レースの中で成長していけば(秘めた能力が)開花するかも』と、ゆったりと構えています」

 タンタフエルサのここまでの過程は、決して順風満帆だったとは言えない。そういう意味では、兄や姉のリベンジを期待するのは酷なような気もするが、その資質は兄や姉にも劣らないという。

 ならば、まずは兄や姉がたどり着いたクラシックの舞台に立つことを目指してほしい。その第一歩となるデビュー戦の走りに注目である。

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