香川に挨拶できなかった酒井高徳。新監督の「主将はゴウ」でスッキリ

香川に挨拶できなかった酒井高徳。新監督の「主将はゴウ」でスッキリ

 ブンデスリーガ第22節、ドルトムント対ハンブルガーSVは、ドルトムントが2−0で勝利を収めた。ドルトムントは長らく不調に陥っていたが、これで単独3位に浮上。一方のハンブルガーSVは17位で変わらず、だいたい例年通りの成績となっている。

 ドルトムント側のトピックスとしては、マルコ・ロイスが259日ぶりに試合に復帰したことが挙げられる。しかもいきなりの先発で、キャプテンマークを巻いての出場にスタジアムは湧いた。また、新加入ミシー・バチュアイがホームで初出場。2試合連続の得点を挙げ、得点後には先代のバットマンであるオーバメヤンを彷彿とさせるバク宙を見せ、ファンを喜ばせた。

 しかし、先発した香川真司は67分に負傷で交代した。ペナルティエリア手前で横にパスを送った直後、バランスを崩すようにして倒れ、自らピッチを退いた。ベンチ前で手当てを受けていたのは左足首。特に相手の寄せが厳しかったわけでもないシーンで倒れ、珍しく自ら退いたことは気がかりだが、W杯シーズンゆえに大事をとったと思いたい。

 試合後、香川に挨拶をしようと、ハンブルガーの酒井高徳はドルトムントのロッカーに向かったが、すぐに引き返してきた。香川はすでに不在だったのだ。広報の発表では病院には行かないということだったが、実際はどうだろうか。

 一方のハンブルガーSVはマルクス・ギズドル前監督が解任され、1月22日、ベアント・ホラーバッハが新監督に就任した。その後は2分けを経て、ドルトムント戦が初の黒星となった。だが、戦い自体に手応えがあるようで、酒井は笑顔も見せながらこう語る。

「いい形で入ったと思うし、いい流れで試合できたと思うんですけど、最後のところのクオリティが……という印象が強かったです。持たされるという感じもあったけど、だとしてもボール持てた時間は多かったし、向こうは(ボールを)取ってもほとんど何をしたらいいかわからない状態が続いている感じが多かったので。後半も、どっちかといったらまだ何か起こりそうだなという雰囲気はあったんですけど、そのへんで仕留められないところが違うところかなと思うし、それが自分たちの得点力不足を表しているのかな」

 ドルトムントに一時期のような相手を圧倒する勢いがないこと、一方でハンブルガーは監督交代を経てまだまだ自らのサッカーが確立していないことを冷静に指摘した。

 とはいえ、酒井にどことなくスッキリした雰囲気があるように見える理由のひとつは、新監督からの信頼を肌で感じているからだろう。ギズドル前監督は2016年9月、チーム変革の一環として就任と同時に酒井を新キャプテンに指名した。

「嬉しくて『やります』と言ったけど、外された人の気持ちも考えなくてはいけなかった。でも、やっていこうと思う」と、当時の酒井は初々しく語っていたものだ。「ドイツ語もできないくせに、と思われている」と言いながら、ドイツメディアの前に立ち続け、ピッチでは時に熱すぎるほどの気持ちを見せてきた。

 だが、そのキズドルが、今季はチームが不調に陥ると、試合によって酒井を主将から外すようになる。酒井には迷いが生じた。

「気にならないと言ったら嘘になりますけど、自分の中であまり気にしていなかった。というのは、どんな立場でも自分のやることをやろうと思っていたから。チームがよく回らなかったのは、(自分に)キャプテンを名指しで指定したのにもかかわらず、(いろいろな選手にキャプテンを任せることで)『誰が本当にキャプテンなのか?』という雰囲気が、なんとなく流れてしまったのもあると思う。

 それは自分がキャプテンだったからとか、そうじゃなかったからとかではなくて、チームの中ではっきりしないことが浮かんでいると、誰に頼ったらいいのか、どうチームを組み立てたらいいのか、選手自身もわからなくなってくる。今、話したいことあるけど、『誰がキャプテンなの?』って。

 結局、毎試合毎試合、マギー(メルギム・マフライ)がやったり、パパ(キリアコス・パパドプーロス)がやったり。なんにも話がなくてその状態が続いたので、違う選手を信頼しているのかなという感覚で、自分はいました」
 
 その状況も監督交代によって一変した。

「サッカーのこともそうですけど、『いい選手なんだから自信を持ってやれ』と言われている。日頃の振る舞いだったり、練習への取り組みの姿勢だったりというのは前から知っているし、評価していると言われて。チームの前で『キャプテンはゴウでいく』、僕を含めた『チームの幹部(選手)の奴らを中心にチームを作っていきたい』というのを、ハッキリ公言してくれた。チームで今、誰がどういう立場なのかというのはわかっていると思うので、やりやすくなったし、その辺の信頼というのを置いてくれているのかなと思います」

 もうひとつ、酒井がスッキリして見えた理由は、実際にスッキリしたからだ。体重を3〜4キロは絞ったという。明らかにシャープさが増したのは、W杯も見据えたフィジカルコントロールということもあるのだろう。

 指揮官からの信頼が確かになったぶん、試合で結果を出さなければならない立場であることも明らかになった。チームを1部残留に導くこと、それこそがあらためて主将に指名された酒井の使命となる。

関連記事

webスポルティーバの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索