フィギュア団体で見えたライバルの好調。宮原・坂本のメダル戦略は?

フィギュア団体で見えたライバルの好調。宮原・坂本のメダル戦略は?

 個人戦へ向けての”足慣らし”という意味合いもあるフギュアスケート団体。2月8日の男子SPで1位になった宇野昌磨は勢いをつけたが、 女子のSPとフリーに出場した日本の2人にとっては少し厳しい結果になった。

 11日のSPに出場した日本女子のエース・宮原知子は、68.95点で10人中4位に終わった。演技後、「最初の連続ジャンプ(3回転ルッツ+3回転トーループ)のトーループは、自分でも『大丈夫だな』という感覚で降りられた」と語った宮原だったが、ルッツとともに”回転不足”と判定されたのが痛かった。

 結果的にその連続ジャンプは10.30点の基礎点が7.20点になり、さらに出来映え点(GOE)でも減点されてしまう。技術点も上位6名の中で最も低い34.33点にとどまった。

「点数が予想より低かったので、『ジャンプ全部で回転不足を取られたのかな』と思いました。練習からけっこう緊張していて、リンクに立ったときは『いよいよ五輪で演技をするときがきてしまったんだな』と、ドキドキとワクワクでいっぱいでした。

 本番はすごく緊張するかもしれないと思っていたけど、楽しく滑ることができて演技自体はすごくよかったと思うので……。点数が低かったのは悔しいけど、大きなミスがなかったこと、全体的には思い通りに気持ちよく滑れたことはよかったと思います」

 五輪での初めての演技を前向きに振り返った宮原は、ステップもしっかりメリハリをつけて滑ることができていた。回転不足を取られた連続ジャンプの3回転ルッツについては「そんなに悪いジャンプだったとは思っていないので、修正点は少ない」とし、さらに「ルッツがよければセカンドのトーループもよくなるはずだから、そんなに心配していない」と笑顔で続けた。

 一方、12日のフリーに登場した坂本花織は、滑り出しから動きに硬さが見えた。

 演技後に「四大陸も全日本も足が震えていたけど、今回はそれ以上に足が震えすぎてタイミングが合わなかった」と明かした坂本は、最初の連続ジャンプで「3回転フリップは今までにないような降り方をしていた」と、セカンドの3回転トーループを付けられなかった。結局、3回転フリップは回転不足も取られ、GOEでも減点されてしまう。

 その後のステップからは柔らかさを取り戻したようにも見えたが、本人は「失敗をした後は『落ち着いて!』と言い聞かせていた」と苦笑する。

「『最初のミスをどうリカバーするか』ばかりを考えていたので、緊張しっぱなしの4分間でした。でも、練習だったら転んでいただろう、後半の3回転フリップ+3回転トーループや、ダブルアクセル+3回転トーループは意地で耐えました。あんまり『五輪だ』という緊張感はないと思っていたんですけど、たぶん心の中にはあったんだと思います」

 通常の国際大会に比べると現地入りが早く、坂本は「まだ試合じゃない」という気持ちになっていたという。そのため、9日と10日は中野園子コーチとともに江陵を離れてソウルに行き、借りたリンクでみっちりと秘密特訓をしていた。

 しかし本番では精神的に追い詰められ、ジャンプで加点をもらう得意なパターンには持ち込めなかった。結果は、自己ベストを10点以上下回る131.91点で、フリーを滑った5人の中で最下位。それでも、「(ソウルでの)特訓がなかったらもっとひどかったと思う」という坂本は、「個人戦の前にもう1回特訓に行き、ガッツリ頑張ります」と意欲を見せた。

 不安なスタートとなった日本勢2人に比べ、他国のライバル選手たちは好調だ。

 SPとフリーの2種目に出場したイタリアのカロリーナ・コストナーは、31歳にして世界トップクラスであることを証明する滑りを披露。フリーでは後半のジャンプで失敗が続き134.00点の4位だったが、SPは自己記録にあと3.20点まで迫る75.10点で2位に入った。

 カナダ勢でSPに出場したケイトリン・オズモンドは、最初の連続ジャンプで回転不足を取られるなどのミスはあったものの、演技構成点では38.28点を獲得して71・38点の3位。2015年にカナダ選手権の覇者となったガブリエル・デールマンも、フリーで137.14点を出して3位と調子を上げてきている。
 
 アメリカのフリーに出場した長洲未来は、トリプルアクセルを決めただけではなく、これまでに多かった”他のジャンプが回転不足になる”という欠点を修正。ノーミスの演技で、自己記録を5点以上更新する137.53点を出して2位につけた。

 そして、ロシア勢の”Wエース”は相変わらずの強さを見せつけた。

 今年1月のヨーロッパ選手権で、右足甲の亀裂骨折から復帰したエフゲニア・メドベデワはSPに出場。コンディションが心配されたが、少し不得手にしているダブルアクセル以外はGOE加点で2点と3点を並べる完璧な演技を披露し、昨季の国別対抗戦で出したSPの歴代最高得点を0.21点上回る81.05点で1位となった。

 また、フリーに出場したアリーナ・ザギトワは、ジャンプをすべて後半に入れているプログラムをノーミスで滑り切った。メドベデワ同様に、今年1月のヨーロッパ選手権で記録した自己ベストを0.11点上回る158.08点は、2位の長洲に20点以上の差をつけての圧倒的な1位だ。

 個人戦でも、メドベデワとザギトワの”同門対決”が金メダルをめぐる熾烈(しれつ)な争いとなることは間違いない。宮原と坂本は、それ以外の選手と銅メダル争いをする形になるだろう。

 団体戦を終えた宮原は「みんな大きなミスなく演技をするので、ノーミスの演技をすることが大前提だということを、あらためて肌で感じました。私も個人戦をしっかり頑張ろうと思います」と話した。まずは21日の女子シングルSPで、いかに開き直って攻めの演技ができるかが、メダル獲得のカギになりそうだ。

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