杉山・浅田両氏が西野ジャパンを熱烈選考。「大島僚太中心の代表に」

杉山・浅田両氏が西野ジャパンを熱烈選考。「大島僚太中心の代表に」

◆どうなる?西野ジャパン〜杉山茂樹×浅田真樹(後編)

──おふたりが考える、望ましい西野ジャパンのメンバーを、具体的に挙げていただけますか。

浅田 個人的に言えば、とにかく大島僚太(川崎F)を中心にチームを作ってほしいところです。日本的というか、ポゼッションを高めることを考えているのであれば、余計にそう思います。

杉山 日本人の売りは何かといったら、技術なんですよ。で、どう見ても一番うまいのは大島なんです。それをどう使うか。長谷部誠(フランクフルト)のポジションで大島を使うのかどうか、という問題はある。確かにフロンターレではそのあたりのポジションでやっているけど、右ウィングもやったことがあるし、大島のベストポジションはどこなのかというのは実はまだよくわからない。

 おそらくワンボランチのアンカー役としては大島ではないと思うんです。当然、ダブルボランチだったら、片方は大島で、片方はどちらかというと固いタイプの人。組み合わせにもよるんだろうけど、大島は使わない手はないですよね。

 ハリルホジッチの一番の失敗は大島です。最終予選の最初のUAE戦(1−2で敗戦)で初めてスタメンで出すと、PKを与えちゃって、それからもう呼ばなくなった。あの試合に抜擢したということは、ハリルホジッチは大島を買っていたわけですよ。ハリルホジッチの悪いところは、そこで失敗した後、育てることを放棄したんです。

 その後、E−1選手権で召集して中国戦で先発させたら、別のチームになったかのようなしっとりとした雰囲気の試合を30分したけれど、大島はそこでケガをしてしまった。ハリルホジッチは徹底的に大島と相性が悪かったわけです。

 3月のマリ戦にも出て、またケガをしていたけど、僕の見立てだと、大島も無理してハリルホジッチに合わせようとするから、すぐ前にパスを出したりして、彼本来の”味”は出てなかった。まだ代表で大島がその真髄を見せたことはないんです。でも、うまいことは確かなので、長谷部か大島かという選択はちょっと違うと思うけど、長谷部を下げるという意味において、もう1人誰を加えるかというのだったら、大島じゃないか。

浅田 僕ももちろん長谷部の代役として大島を、という話ではないです。もう大島を中心にして、あとは誰を配すかという考え方をしていいと思います。

杉山 あとは三竿健斗(鹿島)がいいと思います。Jリーグのなかで三竿はこの1年で一番伸びた選手。背も高いし、センターバックの経験もあるからそういう能力もある。三竿と長谷部は、雰囲気的に若干かぶるんです。でも、操作能力は三竿のほうが高いし、同じ能力だったら若いほうを出しておけということもあります。大島と三竿の組み合わせはあると思います。

浅田 キーパーだってもう中村航輔(柏)でいいと思いますよ。4年後は”アラフォー”の川島永嗣(メス)にこだわる理由はない気がします。ディフェンスでは遠藤航(浦和)もいいと思っています。ちょっと危ういところはいっぱいあるけど、縦に入れるセンスは、やはりJリーグではいいと思う。

杉山 彼はどこでやるのかという問題があるね。サイドバックなのか、ディフェンシブハーフなのか、センターバックなのか、適性がまだ見えない。逆に言えば、どこでもできるので1枚入れておけばいいという話ではあるけれども。

浅田 リオ世代でいえば植田直通(鹿島)とか、オリンピックは出てないけど、山中亮輔(横浜FM)とか。また、ある程度ボールをつなぎたいというのであれば、中谷進之介、中山雄太(ともに柏)。サイドバックでは松原健(横浜FM)、室屋成(東京)、小池龍太(柏)あたりかな。すでに22歳でリオ世代ではありませんが、宮原和也(名古屋)は守備能力が高いうえ、つなぎのセンスがあるので、ポゼッションを重視するなら適性は高い。

杉山 そのあたりの選手に、もう少し場数を踏ませておくべきだった。去年のE−1選手権のときでさえ、けっして若い選手を選んではいなかったから。そのときはケガで出そびれたけど、西大伍(鹿島)は実力者。年齢はいっているけど、そのテクニックは捨てがたい魅力です。

浅田 ただ、DFラインはある程度、経験重視になるのはしょうがないのかなと思います。センターバックは吉田麻也(サウサンプトン)、槙野智章(浦和)、森重真人(東京)あたりが中心。サイドバックも酒井宏樹(マルセイユ)のケガが問題ないんだったら、酒井、長友佑都(ガラタサライ)あたりというのが順当でしょう。

杉山 まあ実際にはディフェンス、特にセンターバックはいじりにくいんですよ。思い切りいじるとしたら前でしょう。

浅田 前線は久保裕也(ゲント)や中島翔哉(ポルティモネンセ)で全然いいと思います。別に原口元気(デュッセルドルフ)や乾貴士(エイバル)にこだわる必要もない。今の日本代表は、(1次リーグの)3試合を玉砕覚悟でいって、万が一勝ち抜けば、4戦目はどうなったっていいという状況のチーム。目標がベスト8とかいうようなチームでは、もはやない。だから4試合も5試合も戦うために必要な選手の頭数を考える必要もないという気がします。

杉山 ウィング的な選手で言えば、遠藤渓太(横浜FM)、そして伊東純也(柏)も悪くない。そしてCFは、サッカーのスタイルが変われば、選ぶ選手も変わってくる。ハリルホジッチだったら、やはりトップにはキープ力ある選手がほしかったんです。そうすると大迫勇也(ケルン)、杉本健勇(C大阪)が優遇されるということになる。でも西野さんになって価値観が変わったら、小さな選手にもチャンスがある。岡崎慎司(レスター)、興梠慎三(浦和)、小林悠(川崎F)のようなタイプのセンターフォワードです。

 そしてセンターフォワードの味付けをどうするのかによって、トップ下も変わるじゃないですか。岡崎がワントップにいれば、本田圭佑(パチューカ)がトップ下とか。トップにキープ力がないときは、その下にキープ力があるとバランスが取れるんです。そのへんのコンビネーションも微妙です。

浅田 ハリルホジッチは圧倒的にJリーグを軽視していたから、例えば中島翔哉を呼んだときに「皆さんには発見だったかもしれないけど、私はずっと追跡していた」と言った。でも、FC東京にいたころから明らかによかったわけで、お墨付きを海外のクラブに求めていたような印象があった。西野ジャパンでは、正当にJリーグで活躍している旬な選手を見極めてピックアップするような流れにしてほしいですね。

 その意味では、若手重視とは逆行してしまうけど、札幌の躍進をけん引している都倉賢はおもしろい。フィジカル能力は日本人離れしているし、点を獲るだけでなく、ボールの収め方もうまくなっています。同じ札幌の三好康児も、狭い局面で無理がきく。21歳という若さも魅力です。

杉山 特にストライカーは旬なほうがいい。実力的にはみんな遜色がないから、いま当たっている選手を出したほうがいい。最後の1枠ぐらいは、そのときのJリーグの得点王でいいぐらいです。海外でプレーする選手は、(リーグの)レベルが高いこともあって、それほど点を獲れてはいない。ストライカーというのはノリが大切で、いまの時点でガンガン点を獲っているFWを入れたほうがいいんです。興梠も小林も金崎夢生(鹿島)も、若いとはいえないところが、微妙といえば微妙なんだけど。

浅田 いまJリーグで若くして点を獲っているというと、金子翔太(清水)とか。わりとバネがあって、日本的なサッカーというような言い方をするのだったら、いいかもしれない。

杉山 確かに小さくて、世界の人はビックリしちゃうかも。90分はもたないけど、交代で出てくるのはいいかもしれないね。あとは鈴木優磨(鹿島)。多少ゴリゴリ系の選手だけど、サイドもできれば真ん中もできる、日本人選手には珍しい多機能的な幅がある。

浅田 サッカー協会の田島幸三会長はハリルホジッチ解任の会見で、「W杯で勝つ可能性を2パーセントでも3パーセントでも上げるために」と言っていたでしょう。もしかしたら単純に今回の大会で2パーセント上げるんだったら、本田、岡崎、香川真司(ドルトムント)、長谷部、長友、川島と、みんな使ったほうがいいのかもしれない。でも、長い目で見たらそれは絶対いいことじゃない。

杉山 まさに長い目で見ると、日本はいい選手の発生率が下がっていて、右肩上がりとはとても言えない状況です。ベスト8なんて奇跡だというところまで来てしまっている。そのときに必要なコンセプトは、次に落ち込まないということ。だからロシアは捨てろとは言わないけど、多少の見込み違いはあっても若手をガンガンと使ってリニューアルしていかないと、ジリ貧になってしまう。

浅田 日本代表が”古き良き時代”に逆戻りするのだけはやめてほしいと思います。

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