序列が激変、あの馬は急浮上。オークス直前の「3歳牝馬ランキング」

2018年3歳クラシック
Sportivaオリジナル番付(牝馬編:第4弾)

 3歳牝馬クラシックの第1弾、GI桜花賞(4月8日/阪神・芝1600m)は、それまで4戦無敗と断然人気のラッキーライラック(父オルフェーヴル)がまさかの2着敗戦。代わって戴冠を遂げたのは、豪快な末脚を繰り出した関東馬のアーモンドアイ(父ロードカナロア)だった。


強烈な末脚を披露して桜花賞を制したアーモンドアイ

 年明けのシンザン記念(1月8日/京都・芝1600m)から直行という”異例のローテーション”も苦にしないで圧巻の快勝劇。ラッキーライラックの「1強」ムードも、完全に振り払ってみせた。

 なお、その後に行なわれたオークストライアルでは、人気のサトノワルキューレ(父ディープインパクト)がフローラS(4月22日/東京・芝2000m)を制し、年明けデビューのランドネ(父ブレイム)がスイートピーS(4月29日/東京・芝1800m)を勝って、それぞれオークスへの出走切符を手にした。

 牝馬クラシック第2弾となるGIオークス(5月20日/東京・芝2400m)へ、いよいよメンバーが出そろった。今回は、そのひのき舞台に向かう3歳牝馬の『Sportivaオリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、独特なデータを駆使するパソコン競馬ライターの市丸博司氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今回はオークスに出走予定の3歳牝馬の実力・能力を分析しランク付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。




 桜花賞、そしてオークスに向けての前哨戦の結果は、ランキングに大きな変動をもたらすこととなった。

 1位になったのは、桜花賞を制したアーモンドアイ。前回3位から9ポイント加算して、一気にトップへと躍り出た。この勢いのまま、二冠達成なるのか、注目である。

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「アーモンドアイは、レースを経るごとに自らのTF指数(※市丸氏が独自に編み出したデータ指数)を大きく更新。桜花賞では1頭だけ次元の違うレースを見せて、過去6年で最高の数値を記録しました。

 それも、最内を回ったラッキーライラックが普段の年なら勝てるだけの高い指数を叩き出している一方で、アーモンドアイは4角で大外に出して、最後方から直線だけでコンマ3秒もぶっちぎったのですから、相当な価値があります。上がり33秒2をマークした末脚は、他馬より1秒も速く、文字どおり『他馬が止まって見える』レベルでしたね。

 父がマイルまでで強さを発揮したロードカナロアのため、オークスでは距離の壁が囁かれるでしょうが、母フサイチパンドラはエリザベス女王杯(京都・芝2200m)の勝ち馬で、オークスも2着。その血も引いていることを考えれば、問題ないと思います。

 そもそも桜花賞で、後方から進んでここまでの強さを見せた馬が、オークスで失速するとは考えられません。順調なら、オークスは負けられない――それぐらいの評価をしています」

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「デビュー戦は2着に終わりましたが、そこから2カ月→3カ月→3カ月のローテーションで、未勝利→シンザン記念→桜花賞と3連勝を飾ったアーモンドアイ。レースを使う3週前あたりから時計を出し始めて、馬なり調整できっちり仕上がるタイプで、成長曲線に見合った調整法のため、まったく無理をしていない印象を受けます。それでいて、これだけのパフォーマンスを出せるのは、『能力の高さ』と言わざるを得ません。

 ロードカナロア産駒だけに、『距離がどうか?』ですが、基本的にオークスはスローペースで折り合い重視という展開になりやすく、上がりが速くなる傾向が強いです。アップダウンの激しいラップを刻まなければ、心配はないでしょう。

 また、パドックからテンションが上がってしまう馬が多いロードカナロア産駒にあって、この馬は常に落ち着き払っていて、オンとオフがしっかりしています。折り合いに絶対の自信を持っており、気性的に舞い上がることもなく、能力をしっかり出し切れるのも心強い限りです。

 ストライドよりは、回転を速める走法。瞬発力勝負で同世代の馬には負けることはないでしょう。ルメール騎手が”トリプルクラウン”を意識する逸材。1位の座は揺るぎません」





 2位は、桜花賞でついに土がついたラッキーライラック。はたして、オークスでの巻き返しはあるのだろうか。

木南友輔氏(日刊スポーツ)
「トレセンでは、桜花賞の戦前から『取りこぼすなら、桜花賞。距離が延びるオークスは大丈夫』という声が大きかったんです。実際、桜花賞は敗戦。ただ、同レースではオークスを見据えた仕上げだったようにも見えました。ならば、オークスでの巻き返しは十分に考えられます。

 チューリップ賞(3月3日/阪神・芝1600m)、桜花賞と、積極的な競馬をしたことで、やや力む面があるかもしれませんが、デビューからコンビを組む鞍上に期待しています」

土屋真光氏(フリーライター)
「桜花賞は、いかにも”優等生”な競馬で、アーモンドアイの切れ味に屈してしまいました。『優等生な競馬』=『完璧な競馬』と見れば、逆転は難しいところでしょうが、この馬の父はオルフェーヴル。優等生の殻を脱ぎ捨てたとき、もうひとつ上のギアが出せるはずです。オークスでは、あえて大味な競馬をしてもらいたいですね」

 3位に入ったのは、フローラSを快勝したサトノワルキューレ。2400m戦の経験も豊富で、圏外から一気にランクインを果たした。ただ、オークスについては、やや懐疑的な意見も上がっている。

吉田氏
「サトノワルキューレはデビュー以来、6kg減→6kg減→4kg減と馬体重は減り続けていますが、これは骨格に見合った数字と判断していいでしょう。体幹が強く、ブレのないフォームとクッション性に富んだ長めのつなぎは特筆ものです。

 レースでは、馬の力を信頼しているのか、あえてスタートは抑え目にして、後方で馬群に入れずに競馬を進めています。折り合い面にはまったく不安がなく、フローラSのレースぶりと走破時計から、ポテンシャルの高さも疑いようがありません。

 ただ、父のディープインパクトや、同世代の2歳王者ダノンプレミアムなどと同じく、ポテンシャルが高すぎるため、ツメが薄く挫跖(※ざせき/硬いものを踏んだときなどに起きる蹄の底の炎症)などの心配があるのは気がかり。また、これまでは約2カ月半→中5週→中5週と、比較的ゆとりあるローテーションできたものが、今回は中3週。しかも、再度の関東遠征というのは懸念されます。

 レース後、10日〜14日経って、それなりの時計が出せれば、そうした心配も杞憂に終わると踏んでいましたが、坂路でゆっくりとしか乗れなかったのを見ると、やはり不安が募ります。前走が最高の状態という可能性があり、上積みがあるかどうか、微妙なところです」

市丸氏
「フローラSはクビ差の勝利でしたが、2、3着の2頭が前で粘っているところへ、1頭だけ異次元の末脚を繰り出しての勝利。当然、別路線なら『この馬!』と考えるのが、順当でしょう。

 ですが、フローラSは肝心のレースレベルが今ひとつ。桜花賞上位組とは、経験したレース内容が違いすぎます。思わぬ惨敗があっても、不思議ではありません」

 4位は、桜花賞で3着に入線したリリーノーブル(父ルーラーシップ)が入った。距離延長を味方に、オークスでも上位争いが期待されている。

土屋氏
「桜花賞は、ラッキーライラックを目標に据えた競馬をして、それでいてラッキーライラックを捕らえ切れなかったことには不満が残ります。それでも、前哨戦のチューリップ賞でのコンマ4秒差から、コンマ1秒差まで、その差を詰めました。その点から、さらなる上積みが見込めます。

 もともとデビュー戦が東京コースで、距離が延びるのも、父がルーラーシップということから好材料。オークスの舞台適性は高いと見ています。ベストは2000mのような気もしますが、有力2頭はマイルがベストと考えれば、逆転の可能性も十分にあると思います」

 5位には、桜花賞当日に行なわれたオープン特別の忘れな草賞(4月8日/阪神・芝2000m)を勝ったオールフォーラヴ(父ディープインパクト)が初のランクイン。母は重賞2勝、GIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)3着の実績を持つレディアルバローザという良血馬だ。

木南氏
「忘れな草賞は先行馬にはかなり厳しい競馬でしたが、オールフォーラヴは4コーナー3番手から直線早め先頭に立って、最後は後続の猛追をしのぎ切りました。母はスピードタイプでしたが、2度の重賞勝ちは1800m戦でしたから、距離の融通も利きそうです。課題は、初の関東圏での競馬。輸送さえ克服できれば、チャンスがあるかもしれません」

 桜花賞を経て、勢力図が激変した3歳牝馬戦線。オークスでも力関係がガラリと一変するような結末を迎えるのか。多くの馬にとって、未知なる世界となる熾烈な”消耗戦”から目が離せない。

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