失意のレブロンが引き金に。超大型移籍で来季のNBAは激変するか?

失意のレブロンが引き金に。超大型移籍で来季のNBAは激変するか?

“レブロンの夏(The Summer of LeBron)、再び”――。

 NBA現役No.1プレーヤーの称号を欲しいままにするレブロン・ジェームズが、再び大きな決断を下す時期が近づいている。

 クリーブランド・キャバリアーズ(以下、キャブズ)の大黒柱として、4年連続でイースタン・カンファレンスを制したレブロンだったが、5月31日に開幕したNBAファイナルはゴールデンステイト・ウォリアーズに屈辱的なスイープ負け(4連敗)。6月8日の第4戦では地元で85−108と大敗を喫し、最終決戦の舞台でウォリアーズに2年連続で惨敗した。

 この第4戦終了後、ロッカールームでレブロンはしばらく放心したように佇(たたず)んでいた。「選ばれし男」と呼ばれてプロ入りした怪物もすでに33歳。子供たちが近づいてくるまでほとんど身動きもしなかった姿からは、今年も優勝回数を増やせなかったことへのフラストレーション、落胆、怒りが感じられた。

 レブロンは今オフに3500万ドル(約38億5000万円)のプレーヤーオプションを持ち、FAになることができる。2年前に地元チームのキャブズを頂点に導き、すでにクリーブランドでの役目は果たした。今のキャブズはすでにキャップスペース(チーム総年俸の上限−チームの総年俸)を大幅に超過し、大きな伸びしろは感じられない。だとすれば、次のステップを踏み出す時が来たのかもしれない。

 NBAファイナル敗戦後の失意の表情を見て、多くの関係者が「レブロンが再び移籍を考慮している」と推測したのは当然だろう。

「タレント面では、ウォリアーズと僕たち5人のベストプレーヤーを比べれば彼らのほうが優れている。それが真実だ。彼らは才能に恵まれているだけでなく、聡明さも備えている。そんなウォリアーズと競い合えるだけのチームを作るにはどうすればいいかをみんなが考えているよ」

 ファイナル第4戦の前日に、レブロンはウォリアーズがキャブズより1枚も2枚も上のチームであることを半ば認めていた。それと同時に、「才能だけでなく聡明さ」という言葉から、移籍先に求める条件を提示したとも受け取れる。

 それを考慮した上で、次の職場はどこが有力なのか。候補に挙げられることが多いのが、フィラデルフィア・76ers、ヒューストン・ロケッツ、ロサンゼルス・レイカーズの3チームである。

 チームの将来性を考えたとき、最も理にかなうのは76ersだろう。ジョエル・エンビード、ベン・シモンズというスーパースター候補を軸に、今季はプレーオフでイースタン・カンファレンスのセミファイナルに進む大健闘。加えて、今年度のドラフト指名権、大きな補強が可能なキャップスペースも持っている。この76ersに飛び込めば、個人で継続してきた8年連続ファイナル進出という記録の更新が見えてくる。

 一部の関係者の間では、「レブロンがよりハイレベルなウェスタン・カンファレンスに属するチームに行くことはない」という説が長く囁かれてきた。ウェストに行った場合にはシーズン中にさらに消耗し、ファイナル進出記録の継続も容易ではなくなるからだ。

 ただ、レブロンがウェスタン行きも考慮していると仮定した場合、ロケッツも有力な候補となる。今季のMVP獲得が確実視されるジェームズ・ハーデン、屈指のPGであるクリス・ポールを擁するタレント集団は魅力たっぷりだ。

 今プレーオフの西カンファレンス・ファイナルでも、ロケッツは第5戦を終えた時点でウォリアーズを相手に3勝2敗とリードしていた。結局は逆転負けしたが、このチームにレブロンが加われば、来季は打倒ウォリアーズの可能性も十分。今オフに同じくFAになるポールとレブロンは親友同士なだけに、2人が”談合”の末にチームメイトになっても驚きはない。

 一方、今季開幕直後からレブロンの移籍先として”大本命”に挙げられてきたのは、実はレイカーズだった。ロンゾ・ボール、ブランドン・イングラムという評価の高い若手を擁している上に、今オフには高額スターを2人手に入れられるだけのキャップスペースも保持している。有能なビジネスマンでもあるレブロンにとって、”ハリウッドのお膝元”に本拠地を置くチームは魅力的に違いない。

 ただ、今オフに相当巧みにチームを作り替えない限り、レイカーズはすぐに優勝を狙えるチームにはならないだろう。噂されるオクラホマシティ・サンダーのポール・ジョージとレブロンの同時移籍が実現しても、それだけでウォリアーズ、ロケッツに太刀打ちできるかどうかは不透明だ。レイカーズは、長くレブロンのライバル的存在と見なされてきたコービー・ブライアントのチームという印象も強く、自らのブランドにこだわるレブロンがこの名門フランチャイズを選ぶかどうかは微妙に思える。

 その他、古巣のマイアミ・ヒート、レブロンが尊敬するグレッグ・ポポビッチHCが率いるサンアントニオ・スパーズを候補に含めるメディアも存在する。そして、もちろんキャブズ残留の線も捨てきれない。今季のファイナル終了後、レブロンは移籍の可能性を否定しなかったが、故郷への愛着を感じさせる言葉も残している。

「(来季にどうするかは)現時点ではまったくわからない。僕が常に考えているのは家族のことだ。特に子供たちの年齢もしっかりと考慮しなければならない。4年前に決断を下したときには彼らはまだ小さかった。今はティーンエイジャーがひとり、ティーンエイジャーになろうとしている子がひとり。そして、前回は生まれていなかった娘がいる。落ち着いてすべてのことを考慮するが、家族が最優先であることに変わりはない。だから、今この場で伝えられる答えはないよ」

 さらなる栄冠を目指して76ers、ロケッツに行くか。大都会でのビジネスチャンスも考慮した上でレイカーズを選ぶか。愛する家族も快適に感じるであろう故郷チームのキャブズと再契約を結ぶか。ここでの答えから、バスケットボール選手として、人間として、レブロンの現時点でのプライオリティが見えてくるのかもしれない。

 さまざまな選択肢が考えられるだけに、結末は読みづらい。現時点ではっきりしているのは、FA選手との交渉が解禁される7月1日から、とてつもない喧騒がスタートするということ。”レブロンの夏”の行方はリーグの勢力図を変えかねないだけに、その獲得を狙うチームの一挙一動からは目が離せない。

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