こちらのホンダ勢は3連勝。酷暑のテキサスではゆっくり走るが勝ち!

こちらのホンダ勢は3連勝。酷暑のテキサスではゆっくり走るが勝ち!

 テキサス州ダラスはもう盛夏で、レースウィークエンドの日中の最高気温は摂氏35度にも達した。この暑さでは、ドライバーやクルーはもちろん、ファンが観戦するのも大変なため、ナイトレースとして開催されている。

 ダラス郊外にある全長1.5マイルのオーバルは、コーナーに最大24度ものバンクがつけられており、多重アクシデントの起こりやすい”パック・レーシング”(集団走行のレース)となる危険性をはらんでいる。そのためインディカーシリーズ運営サイドは、マシンが作り出せるダウンフォース量をウィングの角度などのレギュレーションによってコントロールし、マシン同士が接近しすぎないようにしている。

 今年は新しいエアロキットが導入されたが、テキサスは2日間のイベントであるため、マシンのセッティングを十分に行なう時間はなかった。

 こういうときに強いのがエンジニアリング能力の高さで定評のある名門、チーム・ペンスキーで、彼らは予選で1〜3位を独占。平均時速220.613マイルをマークしたジョセフ・ニューガーデンがポールポジションで、2位にシモン・パジェノー、3位にウィル・パワーが入った。シボレーエンジンのこの3人はコンマ1秒以下の差に収まっていた。

 ただし、シボレー勢が必ずしもパワーアドバンテージを持っていないことは、エド・カーペンター・レーシングの2台が14、18位と低迷したことでわかる。

 一方のホンダ勢では、ルーキーのロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が4位につけ、5位にセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)7位にスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、8位にアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、そして9位に佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が続いた。

 決勝は夜7時45分過ぎにスタート。PPからニューガーデンがトップを保ったが、タイヤのトレッド面が水泡状に剥離する症状(ブリスタリング)が起こり、後退した。テキサスのレギュレーションでは、ダウンフォースが少なく、タイヤが空転して表面の温度が上がりすぎてしまうのだ。まだ路面温度が高いレース序盤は、ほぼすべてのチームが同じ問題に悩まされた。インディ500ウィナーのパワーもマシンのハンドリングが悪く、ルーキーと接触してクラッシュ。リタイアという結果に終わった。

 レースが進むにつれて路面の温度は下がっていく。しかし、テキサスの暑さは尋常ではなく、ゴール時でもまだ路面温度は37度だった。

 多くのドライバーたちがブリスターに悩まされるなか、予選7位だったディクソンは、序盤は抑え気味に走行。徐々にスピードアップしていき、2回目のピットストップを終えた後にトップに立つ。そして、ひとりきれいなタイヤで走り続け、リードを10秒以上に広げた。

 レース終盤にはアクシデントによるフルコースコーションが2度出されたが、いずれもリスタートでトップを守ると、そこからはスッとリードを広げ、悠々とゴールまで逃げ切った。先週のデトロイト・レース1でシーズン初勝利を挙げたばかりのディクソンは、2勝目をマークするとともに、これでポイントリーダーに躍り出た。

 予選で強かったペンスキー勢は、セッティングも走り方もタイヤへの負担が大きく、宿敵ガナッシに完敗を喫した。それでもパジェノーが終盤のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)による猛アタックをしのぎ、2位でフィニッシュ。何とかシボレーの面目は保たれた。

 ちなみにパジェノーの後ろ3〜9位はホンダ勢。10位のチャーリー・キンボール(カーリン)は1ラップダウンだった。テキサスでの優勝でホンダは今季5勝目。デトロイトの2レースからこれで3連勝となり、シボレーを一歩リードすることとなった。

 実は、ディクソンの独走には理由があった。チップ・ガナッシ・レーシングだけがタイヤの温度管理対策を持っていたのだ。

 4月のタイヤテストでもブリスターが出ていたため、ファイアストンは運営側にタイヤのスクラビング(一度高速で走ってタイヤに熱を入れることで、トレッド表面の剥離が起こりにくくなる)を義務づけることを提案した。そこで運営側は「最低4セットは平均時速190マイルのラップを1周以上走り、少なくともレースの前半はそのタイヤで戦うこと」というルールを設定した。

 しかし、ガナッシ陣営は1周だけでなく、もっと多くの周回数をこなしたタイヤを複数用意してレースに臨んだ。さらに、ディクソンはタイヤが急激に温まることがないよう注意して走っていた。特にレース前半の路面温度が高い時間帯は、ピットアウト直後の数ラップは全開で走らず、タイヤ温度の急激な上昇を避けた。タイヤの使い方に関しては、彼らはファイアストンのエンジニア以上に深い知識を持っていたのだ。

 これでディクソンはキャリア通算43勝目。マイケル・アンドレッティと歴代3位タイに並んだ後、1週間で単独3位になった。マリオ・アンドレッティの52勝、AJ・フォイトの67勝を抜くのは難しいかもしれないが、今後も勝利数を伸ばしていくだろう。

 ディクソンは「マイケル・アンドレッティをはじめとするドライバーたちを深く尊敬している。AJ・フォイトやマリオ・アンドレッティ、アンサー・ファミリーと同じリストにディクソンという名前が並んでいることには、まだ馴染めていない。すばらしい環境で戦えていることに感謝している。私はチームと幸運に恵まれている」と、謙虚に語る。

 期待された琢磨は予選9位からスタートし、9〜12番手を保って第1スティントを終えた。ディクソンと同じように、暑い序盤は我慢の走行を続け、コンディションの変化にうまく対応して終盤に”戦えるスピード”を獲得する作戦だった。

 ところが、2スティント目にリヤタイヤにブリスター発生した。プラクティスではフロントだけだったが、リヤにも発生したため、予定外のピットストップを行ない、2ラップダウンに陥った。ゴール間近でリードラップに復活できたが、そこから上位へと進出するのは難しく、7位でフィニッシュしている。

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