メジャー制覇の夢を語らぬ松山英樹。沈黙が示す全米オープンへの想い

メジャー制覇の夢を語らぬ松山英樹。沈黙が示す全米オープンへの想い

 ゴルフの全米オープン(6月14日〜17日/ニューヨーク州)がまもなく開幕する。今年と同じシネコックヒルズGCで開催された2004年の全米オープンで、4位タイの好成績を収めたのは丸山茂樹だった。

 1891年設立という長い歴史を持つ名門コースであり、前回大会ではアンダーパーを記録したのがわずか2人という屈指の難コースは、14年の時を経て、全長が6996ヤードから7440ヤードとなった。1ホール平均で約25ヤードも長くなり、フェアウェーを外せば、ヒザのあたりまで伸びたフェスキューが待ち受ける。距離が伸びた分、フェアウェーとグリーンは広くなったものの、グリーン上ではどぎつい傾斜がトップ選手の頭と手元を惑わせる。

 四方を海に囲まれたようなリンクスコースで、気まぐれな強風が吹き荒れるのも、まさにメジャー仕様だ。118回目を迎える全米オープン。解説者としてシネコックヒルズを再訪した丸山は、14年前からの変貌ぶりに驚きを覚え、これも時代の変化(ゴルフの進化)と得心している様子だった。

「飛距離が伸びた分、セカンド地点の景色が(14年前とは)まるで違います。ラフに入ったら、1ペナのようなもの。まず、広いフェアウェーに”置く”ということが攻略のカギになる。

 グリーンの傾斜は相変わらずすごいですけど、14年前に比べたら、グリーンは圧倒的に柔らかいですね。それはシネコックヒルズだから、というわけではなく、最近のメジャーはグリーンがそこまで硬くなくて、スピードも速くない」

 そして、こう続けた。

「当時は、『タイガー・ウッズvsUSGA(全米ゴルフ協会)』みたいなところがあって、USGAがタイガーを目の敵(かたき)にして、どれだけグリーンを難しくするか、ということに苦心していましたから(笑)。

 今は、タイガーを見て育った世代が活躍する時代。日本の競馬界でいう、ディープインパクト産駒の競走馬がしのぎを削り合っている状況にあると思います。真っ直ぐ飛ばして、(誰よりカップに)入った選手が勝つ」

 昨年の全米オープンで2位タイと、日本人初のメジャー制覇にあと一歩に迫った松山英樹にも当然、そのチャンスはある。前週の土曜日にコース入りして、合計3ラウンドをこなして本戦を迎える松山は、コースの印象と攻略のカギを淡々と語った。

「フェアウェーは確かに広いですけど、ティーショットをラフに入れたら大変なことになる。グリーンはポアナ芝で、傾斜がすごい。

 まずはフェアウェーをキープして、それができたらショットがカギを握るし、それが外れたらアプローチが大事になる。すべてがうまくいかないと勝てないと思いますけど……そんな完璧なゴルフはできないと思うんで、一つひとつ、無駄なものがないように」

 2月に発症した左手親指の付け根部分の痛みは消えた。全米オープンは初出場だった2013年大会も10位タイフィニッシュ。毎年、開催コースが異なるとはいえ、験(げん)のいい大会でもある。

 さらにフェアウェーとグリーンが広く、距離が長いシネコックヒルズの特徴も、松山には合っているような気がしてならない。

「どういうコースが自分に向いているかは知らない。そう思われるなら、それでいい。(優勝スコアは)見えていません。(警戒すべきホールは)全ホールです。チャンスホールは何カ所かありますけど、それも風によって大きく印象が変わる」

 昨年は全米オープンの2位に続き、全米プロ選手権でも最終日に一時首位に立ちながら、優勝を逃し、涙した(最終結果は5位タイ)。6度目の全米オープン開幕直前に、メジャー制覇の夢をまるで口にしない松山にこそ、それに賭ける強い想いが感じられたのだった。

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