サッカー人生激変。スピードスター前田大然「高2のターニングポイント」

サッカー人生激変。スピードスター前田大然「高2のターニングポイント」

東京五輪を目指す若きフットボーラーたち(1)
◆松本山雅FC・前田大然@後編

 3月のパラグアイ遠征でU−21日本代表デビューを果たし、初先発のベネズエラ戦でさっそく2ゴール。勢いをそのまま、所属する松本山雅FCでも前線の一角を射止めてみせた。今シーズンの活躍を振り返った前編に続き、後編では希代のスピードスター、前田大然のサッカー人生におけるターニングポイントや今後のビジョンに迫った。


―― ここまで話を聞いてきて、すごくポジティブだと思うけど、負けていたとしても、「負けてない」と言ってみたり、ゴールが奪えないことを気にしていても、「気にしていない」と言ってみたり、自分に言い聞かせているようなところもあるんですか?

前田大然(以下:前田) どうですかね。もともと、入れへんときは入れへんし、入るときは入るしって割り切っているので、あまりネガティブになることはないですかね。常にポジティブでいるようにはしています。

―― さきほど、「自信は常に持っている」とも言っていましたが、自信は揺るがないんですか?

前田 揺るがないですね、はい。

―― 頼もしいですね。

前田 たぶん、スピードがあるからだと思います。誰にも負けない武器があるから。武器がひとつもなかったら、自信があるとは思えないですけど。

―― 誰にも負けない武器を自分は持っている、というのが安心感というか。

前田 すごく自信になりますね。テクニックよりもスピードって、すごく武器になると思うので。そのおかげで自信を持ってプレーできますね。

―― いつごろから自信を持ってプレーできるようになったんですか? ターニングポイントのような出来事ってありますか?

前田 自信を持つようになったターニングポイントはわからないですけど、サッカー人生のターニングポイントはありますね。

―― それは、いつですか?

前田 高2のときです。そのころ、ヤンチャだったので、1年間サッカーをさせてもらえなかったんですよ。それで1年間、社会人サッカーをしていて……。サッカー部の総監督、監督、コーチの方々で話し合って、そうしようということになって。

―― 山梨学院高が選手権で優勝したのを見て、憧れて進学したんですよね?

前田 そうです。でも、あのころは自分のことしか考えてなくて、自分さえよければいいや、という考えで。それで、サッカー部から離れている間に、自分の考えが変わったというか、これじゃあダメだって。もっと周りのことも考えないといけないし、みんながいるから自分がいる、っていうことをすごく感じた。あの1年があったからプロになれたと僕は思っているので、本当に大きなターニングポイントでした。今、献身的に守備をしているのも、あのときに学んだからだと思います、

―― 当時のサッカー部の監督は今、アルビレックス新潟シンガポールを率いている吉永一明監督ですよね?

前田 そうですね。吉永さんにはすごく感謝していて、3年になって戻ってきたとき、すぐに試合に使ってくれた。「サッカーがうまいだけじゃダメだ」と教えてくれたり、「お前はプロになれるから」「大学よりもプロに行け」って、ずっと声をかけてくれたんです。選手権もインターハイも予選で負けてしまってアピールできなかったけど、吉永さんがスカウトの方を呼んでくれたりもした。この人のためにもプロに行かないといけないっていう想いがあったので、山雅に決まってよかったです。今もちょくちょく連絡しています。吉永さんはいつも気にかけてくれるので。

―― 吉永監督は、前田選手にプロになる才能があると感じているのに、ひとりで決めたわけではないにせよ、1年間部活に参加させないという決断をしたわけですよね。その決断はすごいですね。

前田 僕も気になります。そういうふうにずっと言ってくれていたなかで、あの決断をしたのは、どういう想いがあったのか、いつか聞いてみたいですね。でも、僕にとっては、あの1年があったから今がある、ということは間違いないですね。

―― ちなみに、坊主頭は昔からですか?

前田 そうですね。ずっと坊主です。試合前にいつも剃るので、1週間に1回って感じです。少しでも伸びてくると気になります。今も長いくらいです(笑)。坊主だと目立つじゃないですか。すぐに名前を覚えてもらえるし、気合いも入りますし。それこそ高2のとき、サッカー部から離れていたときに少し伸ばしたくらいで、それ以外は、ずっと坊主です。

―― 身近な目標として東京五輪がありますが、将来、海外でプレーしたいといった希望はあるんですか?

前田 海外に行きたい、っていう想いは常にありますね。でも、それにはまず日本で活躍しないことには行けないと思うので、まずは山雅をJ1に上げて、J1で活躍したいです。

―― 思い描くリーグは?

前田 ドイツでやりたいです。ガツガツした感じが僕は好きなので、そこでどれだけできるか試したいです。

―― ブンデスリーガの試合中継もかなり見る?

前田 いや、あまり見ないです(苦笑)。サッカー自体、あまり見ないんですよ。なので、ガツガツした感じというのもイメージです(笑)。

―― そうなんですね。では、オリンピックといって思い浮かぶ大会は?

前田 いや、オリンピックも見たことがないです。

―― 本当に?

前田 覚えがないですね。でも、最初に見たワールドカップなら覚えてますよ。南アフリカ大会でした。

―― 最近じゃないですか(笑)。日韓大会も見ていない?

前田 たぶん、生まれてないです。

――いや、2002年ですよ(笑)。

前田 僕は1997年生まれだから5歳か。でも、そのころ、まだサッカー始めてないですから。

―― 本当にサッカー、あまり見ないんですね。さすがにメッシやクリスチアーノ・ロナウドは知っていますよね?

前田 当然じゃないですか(笑)。世界的な選手は知っています。ただ、夜中に遅くまで起きて見ようとは思わないだけです。

―― なるほど。プレー専門なんですね。A代表も意識していますか?

前田 Jリーグや五輪代表で活躍していけば、いずれたどり着くもんやと思っているので、今はそこまで意識してないですね。まずは山雅で試合に出続けることが一番大事だと思っていて、そのなかでゴールを量産できたらいいし、どんどんステップアップしていけたらいいな、と思っています。

―― では最後に、アジア大会へはどんなイメージで臨みますか?

前田 山雅のチームメイトにもアジア大会に出場した選手が何人かいて、優勝した選手もいるので、僕たちも優勝したいなと思います。自分はFWだし、やっぱりFWがゴールを獲れれば勝てると思うので、ゴールにこだわっていきたいと思います。

著者:飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi


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