関屋記念で、帰省先への手土産をゴージャスにしちゃう4頭を見っけ

 GIII関屋記念(新潟・芝1600m)が8月12日に行なわれる。

 最後に、有利、不利の少ない600mを超える”日本最長の直線”での真っ向勝負が見られる夏のマイル戦。実力馬がその能力を存分に発揮できる舞台といえる。

 とはいえ、そんなレースでも”穴党”の出番がないわけではない。ここ10年の結果を振り返ってみても、1番人気は2勝と、十分な成績を残しているとはいえない。

 そうした状況にあって、たとえば昨年は、7番人気のマルターズアポジーが逃げ切って波乱を演出。2着に4番人気のウインガニオン、3着に5番人気のダノンリバティが入って、3連単は13万1710円という超万馬券となった。

 また、2010年には、6番人気のレッツゴーキリシマが勝利。2番人気のセイクリッドバレーが2着、10番人気のリザーブカードが3着となって、3連単の配当は13万640円という高値をつけた。

 こうして、過去にはオイシイ配当がしばしば出ている。ならば、今年も波乱が起こることを願って、高配当狙いに徹してみてもいいだろう。そこで、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで台頭しそうな”穴馬”をあぶり出してみたい。

 まず着目したいのは、かつて重賞で好走していながら、勝ち星から遠ざかって人気が下がっている馬だ。

 典型的なのは、2009年に13番人気で3着となったマイネルスケルツィと、先にも触れた2010年に10番人気で3着に入ったリザーブカードである。

 前者は、重賞2勝の実績を持っていた。ただそれは、2年以上も前の話で、2度目の重賞制覇を決めてからは、ダート戦のオープン特別を1勝しているだけで、芝のレースではずっと勝ち星から遠ざかっていた。直近のレースでも人気を得ながら敗戦を繰り返して、重賞の関屋記念では人気が急落していた。

 後者は、重賞勝ちこそなかったものの、4歳時の年末にオープン入りを決めると、5歳時には重賞で馬券に絡むことが何度もあった。ところが、年齢的な衰えもあったのか、6歳になると低迷。およそ1年半もの間、馬券圏内(3着以内)に入ることはなく、7歳時に挑んだ関屋記念で人気を得られるはずもなかった。

 それでも、2頭は直近のレースで着順ほど、大きく負けていなかった。どちらもその年のレースでは、すべて勝ち馬から1秒以内に入っていた。つまり、ちょっとしたことで上位に絡む可能性はあったわけだ。

 これらと似た馬が、今年もいる。ベルキャニオン(牡7歳)である。

 もともと3歳時にはGIII共同通信杯(東京・芝1800m)で2着になるなど、一線級とも互角に戦っていた素質馬。しかし、ダービー出走後、およそ2年近く戦列を離れていた。そして一昨年、5歳春に復帰して、昨年の6歳春にはオープ入りを果たすも、以降は勝ち星に恵まれていない。

 7歳となった今年も、ここまで重賞を3走して、7着、5着、6着と振るわない。そのため、今回も上位人気は見込めないが、前3走はいずれも勝ち馬から1秒以内に入線し、大崩れはしていない。

 過去の例を踏まえれば、いろいろなことがかみ合って、リズムよくレースを運ぶことができれば、上位進出のチャンスはある。同馬の大駆けに期待してみるのも悪くはない。

 続いて注目したいのも、同じく重賞で実績を残している馬だが、近走で大敗を喫して人気を落としたタイプだ。

 例になるのは、2008年に8番人気で3着となったタマモサポート。同馬はそれまでに重賞1勝、GIII戦で3着になるなどの実績があったが、直前のオープン特別で13着と大敗して低人気にとどまった。

 冒頭で触れたマルターズアポジーもそうだ。前年の秋と同年の2月に立て続けに重賞を制していながら、2走前のGI大阪杯(阪神・芝2000m)で12着、前走のGIII七夕賞(福島・芝2000m)でも11着と惨敗して、一気に人気を落としてしまった。

 他にも、重賞での好走歴がある2010年の優勝馬レッツゴーキリシマ(6番人気)や、重賞を4勝していた2014年の勝ち馬クラレント(4番人気)などが、直近のレースで大敗して人気を落としたが、関屋記念で巻き返している。

 今年の出走馬の中から、それらに近いタイプを探してみると、1頭の馬に目が止まった。チェッキーノ(牝5歳)である。


オークス2着の実績を持つチェッキーノ

 同馬は、3歳時にGIIフローラS(東京・芝2000m)を制し、GIオークス(東京・芝2400m)でも2着と好走した世代トップクラスの実力馬だ。だが、その後はケガに泣かされて、およそ2年間も休養を余儀なくされた。

 そして、前走のオープン特別・米子S(6月17日/阪神・芝1600m)で復帰。2番人気に推されたものの、さすがにブランクは長く、勝ち馬から1秒2離されての7着と完敗した。

 その結果、完全復活にはまだ時間がかかる――そう評価したファンも少なくないだろう。おかげで、今回は人気落ち必至な状況だが、実績馬による大敗からの巻き返しは、過去にも多く見られるパターン。チェッキーノの一発があってもおかしくない。

 今一度、過去10年の結果をつぶさに見てみると、関屋記念では意外にも逃げ、先行馬の激走が多いことがわかる。勝ち馬に絞っても、6頭が4コーナー3番手以内から勝利を手にしている。

 結局、最後に日本最長の直線が控えているが、その長さを気にするがゆえ、差し、追い込み馬の仕掛けが遅れて、そのまま逃げ、先行馬の先着を許してしまうケースが多くなるのだろう。

 ということなら、狙い目は先行馬だ。とりわけ注視したいのは、上り調子の馬たち。先行して2011年のレースを勝ったレインボーペガサスや、2013年のレースを制したレッドスパーダが、前走でも勝利してそのまま連勝を飾っているからだ。

 今回のメンバーなら、エイシンティンクル(牝5歳)と、ショウナンアンセム(牡5歳)が浮上する。どちらも先行馬で、2連勝中と勢いもある。

 エイシンティンクルは、1000万下、1600万下と連勝中。最近は逃げるだけでなく、逃げ馬の後ろにつける先行策もとれるようになった。競馬の幅が広がって、安定感が増しているのは心強い限りだ。

 ショウナンアンセムは、1600万下、オープン特別と2連勝。新潟と同じ左回りの東京競馬場で連勝をしてきたことも、大きなプラス材料となる。

 ともに初めての重賞挑戦となるため、実績馬に人気は譲るが、今の調子と舞台適性から、勝ち負けの可能性は十分。軽視は禁物だ。

 いよいよ世間はお盆休みに突入。そこで充実した時間を過ごすためにも、ちょっとした小遣い稼ぎをしたいところ。おそらくここに挙げた4頭が、その手助けをしてくれるに違いない。

著者:text by Sportiva


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