秋華賞は過去の激走サインと似る5頭。配当1000万円超えが再び?

秋華賞は過去の激走サインと似る5頭。配当1000万円超えが再び?

 3歳牝馬三冠の最終戦となるGI秋華賞(10月14日/京都・芝2000m)は、春の二冠(桜花賞、オークス)を制し、史上5頭目の牝馬三冠に挑むアーモンドアイの断然ムードにある。

 秋華賞の歴史を振り返ってみても、彼女の偉業達成には追い風が吹いている。というのも、1996年に秋華賞が創設されて以降、春の二冠を獲得した馬は、ブエナビスタを除いて皆、三冠を決めているからだ(2003年スティルインラブ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナ)。

 また、唯一敗れたブエナビスタにしても、勝ったレッドディザイアとハナ差の接戦を繰り広げて2着に入線。レース後、降着処分によって3着となったものの、勝ちに等しい内容を見せている。

 こうした結果を踏まえれば、アーモンドアイも勝ち負けに加わることは必至。三冠達成の可能性は極めて高いと言える。

 ただ一方で、「競馬に絶対はない」と言われているとおり、アーモンドアイの断然ムードに注意をうながすデータもある。今一度、過去の秋華賞の結果を見てみれば、単勝1倍台の圧倒的な支持を得ていた人気馬たちがしばしば敗れているのである。

 先述のブエナビスタ(2009年)をはじめ、ダンスインザムード(2004年、4着)、ラインクラフト(2005年、2着)、ヌーヴォレコルト(2014年、2着)らがそう。そして古くは、創設初年度の1996年に、単勝1.7倍と断トツ人気だったエアグルーヴが10着に敗れている。

 そうした波乱もあり得るとすれば、思い切って穴狙いに徹してみるのも悪くない。そこで、過去の10年の結果を参考にして、秋華賞で躍動しそうな激走馬を探し出してみたい。

 近年の秋華賞では、トライアルとなるGIII紫苑S(中山・芝2000m)の1、2着馬が、4年で3勝と目覚しい活躍を見せている。とすれば、今年も同レースの1、2着馬が狙い目になると踏んでいたが、今年はその2頭とも秋華賞を回避してしまった。

 そこで着目したいのが、もうひとつのトライアルであるGIIローズS(阪神・芝1800m)である。例年は有力馬が集まる同レースだが、今年はアーモンドアイをはじめ、桜花賞、オークスで2、3着の座を争ったリリーノーブル、ラッキーライラックと、春のクラシック上位組が参戦してこなかった。

 そういう意味では、例年メンバーが手薄な印象のある紫苑Sのイメージと重なる。であれば、ここ最近の”トレンド”となる紫苑S組というのを、ローズS組に代用してみてはどうだろうか。

 つまり、ローズS(9月16日)で1着のカンタービレと、2着サラキアに食指が動く。

 カンタービレは、春にGIIIフラワーC(3月17日/中山・芝1800m)を勝ったあと、GIオークス(5月20日/東京・芝2400m)では13着と大敗を喫した。だが、まさにひと夏越して成長し、4カ月ぶりとなる前走のローズSを快勝した。

 片や、サラキアは春のクラシック出走こそ叶わなかったものの、重賞で善戦を重ねていた素質馬。こちらも休養中にたくましさを増して、8月の古馬混合の500万特別を圧勝すると、ローズSで2着に入って三冠最後の一戦には駒を進めてきた。

 ローズSの結果から、2頭は3、4番人気が予想される。それでも、アーモンドアイが一本かぶりになることを考えれば、逆転候補として十分に”穴馬”扱いできるだろう。

 それに何より、最近の秋華賞は3番人気がめっぽう強い。過去5年で4勝もしているのだ。その事実に鑑みても、彼女たちの一発を期待してみてはどうだろうか。

 続いて注目したいのは、古馬混合の500万下、1000万下を勝っている馬だ。過去、そうした面々が何度となく穴を開けている。

 2011年に7番人気で2着となったキョウワジャンヌ、2012年に6番人気で3着となったアロマティコ、2015年に8番人気で3着に入ったマキシマムドパリらがいい例だ。

 夏場に古馬相手に勝利を収めている馬は、実力の裏付けがあり、波に乗っているとも言える。そして今年も、そんな馬たちが波乱を起こす可能性は大いにある。

 その視点で言えば、今回はプリモシーンが最有力候補。500万、1000万どころの話ではなく、古馬混合の重賞、GIII関屋記念(8月12日/新潟・芝1600m)を勝って挑んでくるからだ。

 先に触れたローズS組のカンタービレ、サラキアと人気を争って、もしも”3番人気”に推されるようなことになったら、なおさら外せない。

“夏の上がり馬”で考えた場合、より穴っぽいところを狙うなら、ミッキーチャームが面白い。

 現在3連勝中の同馬は、2走前の500万条件(7月22日/函館・芝1800m)、前走の1000万特別・藻岩山特別(8月5日/札幌・芝1800m)と、古馬相手に連勝。成長過程にあって、年長馬相手に立て続けに勝っている、その勢いは見逃せない。

 前述のキョウワジャンヌやアロマティコ同様、ミッキーチャームも春のクラシックには縁がなかった。同馬が既成勢力を蹴散らして、あっと驚くような激走を見せてもおかしくない。

 最後に、競馬史上にも残る”大番狂わせ”となった2008年の例を取り上げてみたい。3連単で、JRAのGI史上2番目となる1098万2020円という超高配当をつけた一戦だ。

 そのときレースを制したのは、11番人気のブラックエンブレム。実は今年、その再現を期待できそうな馬がいる。

 トーセンブレスだ。

 なぜなら、同馬の臨戦過程がブラックエンブレムにとても似ているのだ。ブラックエンブレムは、春にフラワーCを勝って、オークスで4着と好走。トーセンブレスも、フラワーCで2着に入って、桜花賞で4着と健闘している。

 要するに、どちらもフラワーCで勝ち負けを争って、クラシックでの好走歴がある。そのうえで、2頭とも休み明け初戦のローズSで15着と大敗を喫しているのだ。

 かなりのこじつけ、といった印象は否めないが、重賞での好走例があって、クラシックでも善戦している実力馬であれば、直前に大敗を喫しても、決して侮れないということ。人気急落が予想されるトーセンブレスの大駆けに、大きな”夢”を託してみてはどうだろうか。

 急激な成長期にある3歳秋。より洗練された乙女たちの争いにあって、際立った華やかさを披露し、最高の輝きを放つのは、どの馬なのか。ここに挙げた馬の中にも、その候補はいるはずである。

著者:text by Sportiva


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