コージィ城倉×クロマツテツロウ「巨人は吉田輝星を指名すべきだった」

コージィ城倉×クロマツテツロウ「巨人は吉田輝星を指名すべきだった」

Sportiva×GRAND JUMP
◆コージィ城倉先生×クロマツテツロウ先生 スペシャル対談

 10月25日に行なわれたドラフト会議。注目の根尾昂(大阪桐蔭)は中日が交渉権を獲得し、吉田輝星(金足農)は日本ハムが単独指名するなど、今年も多くのドラマが生まれた。このドラフトを、漫画『プレイボール2』の作者であるコージィ城倉先生とグランドジャンプでスカウトを題材にした漫画『ドラフトキング』の連載をスタートさせるクロマツテツロウ先生はどう見たのか。かつて高校野球児だったふたりが2018ドラフトを語り尽くした。

* * *

コージィ城倉(以下 城倉) 今回のドラフトは根尾昂が話題の中心だったけど、僕が注目をしていて気になったのはただ一点、どうして巨人は甲子園のスターである吉田輝星を獲りに行かなかったのか。

クロマツテツロウ(以下 クロマツ) たしかに。僕は根尾の動向も気になりましたが、誰が一番評価されているのか注目していたんです。そのなかで吉田が一巡目で声が掛からないなんて想像していませんでした。城倉先生が言うように、どうして巨人は行かなかったんやろって。

城倉 本当だよね。だって吉田は「巨人が好きです」ってポロって口走っちゃったんだよ。今や誰もが「12球団OKです」と言う状況にあって、吉田のあれはどんな言葉よりも重いし、運命的な金言。それに巨人は応えるべきだった。

クロマツ 巨人はドラフトで勝負にいかないイメージですよね。

城倉 安全策だとスターが生まれる確率は減るんだよね。せっかく甲子園で大スターになった吉田がアピールしてくれたのに、巨人はその運命を尊重しなかった。吉田の入団で日ハムには30億円の経済効果があると言われているらしいけど、巨人に行ったらそれどころじゃないよ。

クロマツ とんでもないことになりますね。

城倉 だから巨人は、もっとスター誕生ということを考えてほしい。巨人の最近のスター不足って惨憺たるものがあるじゃないですか。だから本当、今回はその一点に尽きますね。別に吉田が「巨人」って言わなかったらいいんですけど、事実言っちゃったんだから(笑)。あれは世紀の事件だと思っています。

クロマツ ダメ元で行くべきでしたよね。一本釣りできる可能性もあったんですから。僕は阪神ファンなんですけど、あそこもドラフトがうまくないというか……。全員いい選手なんでしょうけど、今回も正直大丈夫かって感じですよ。巨人と一緒で人気球団なんだから夢を買うというか、選択のほとんどが高校生だった日本ハムみたいに振り切ってほしいですよね。

城倉 巨人と阪神は、西武みたいに一本釣りしないと。結局、西武は今回、松本航(日本体育大)を一本釣りしたわけだし。

クロマツ そういうところは巨人と阪神は見習わないと。にしても、今回は高校生が上位を占めましたね。

城倉 高校生に集中するのは最近の甲子園ブームの影響もあるんだと思う。

クロマツ 各球団の育成システムも確立されてきて、大学で4年間過ごさせるよりは獲ってしまえ、といった感じがあるのかもしれないですね。

城倉 それはあるね。高校で才能が開花しプロへ行くモチベーションのある選手がいるなら球団は勝負すべき。だから昨年、清宮幸太郎がプロ志願届を出したときは嬉しかったよね。

クロマツ ええ、よく選択してくれたなって。

城倉 それを思うと、早稲田実業の後輩でソフトバンクに3位指名された野村大樹は、清宮のおかげだよね。あのまま早稲田大学に進んでもどうなっていたかはわからないことだし、実力が認められてプロで勝負したい選手は、高卒でも行くべき。だから吉田が「プロに行きます」といったときは嬉しかったなあ。

クロマツ たぶん甲子園の大フィーバーがなかったら大学進学でしたでしょうしね。危なかった(笑)。

城倉 ただ、吉田は高校時代の肩の酷使から回復させるために1年間ノースローでやってもらいたい。栗山英樹監督はニュース番組で「案外1年目からいけるんじゃないか」なんて言ってたけど、いやいや、やめてくださいよって(笑)。吉田はとにかく大事に育ててほしい。で、数年後は吉田が10勝して清宮が30本塁打で、ふたりでお立ち台に立っている。そんな光景が目に浮かぶなあ。

クロマツ いいですね。そのときセットアッパーには今回日本ハム5位指名の柿木蓮(大阪桐蔭)がいるかもしれない。

城倉 柿木は頑丈そうだからローテに入っているような気もするな。

クロマツ あのジャイアンっぽい柿木の投げっぷりが結構好きなんですよね。

城倉 しかし柿木は夏の甲子園の優勝投手だったのに、準優勝の吉田がドラフト1位で、さらに大阪桐蔭で控えだった横川凱(かい)が巨人のドラフト4位。このねじれはねえ……。

クロマツ 漫才の『M−1グランプリ』みたいですよね。準優勝が出世するみたいな(笑)。心情的には複雑でしょうけど、柿木にはこれを奮起に頑張ってもらいたいですね。

城倉 大阪桐蔭と言えば今回のドラフトの主役はまぎれもなく根尾なんだけど、間違いなくプロで通用するでしょ」。ただ起用法について世間で言われている二刀流ではなくピッチャーに絞ってやってもらいたい。

クロマツ 僕もピッチャーとしての根尾が見たいですね。大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が投げるよりも興味があります。

城倉 セ・リーグなんだから打席に立つわけだし、バッティング練習をよくするピッチャーでいいと思うんだよね。週に1試合、投手として先発し、打席に立つ。打順は9番になると思うけど、打てるピッチャーが下位打線にいたら、相手チームにとってそんな恐ろしいことはない。結果、根尾が投げるときはチーム力もアップして勝率が上がるだろうから優勝にも貢献できる。ただ実際は内野が濃厚なんだろうけど……。

クロマツ その場合は、オリックス・仰木彬監督時代の嘉勢敏弘みたいに野手登録なのにたまに投げるとかやってもらいたいですね。

城倉 ああ、ショート守って、たまにワンポイントで投げるとか。

クロマツ で、投げ終わったらショートに戻るみたいな。そんな水島新司先生の漫画にあるような世界を見たいなって思うし、根尾ならばそれが可能なような気がするんですよね。

城倉 僕が頭に描いているのは、高卒で開幕戦デビューした立浪和義(元中日)の通算2480安打超えかな。二遊間を守る高卒選手でその夢をかなえることができるとしたら根尾と、今回のドラフトで4球団が競合した小園海斗(報徳学園)だけだと思う。高卒1年目から出場したらどれだけの記録が出るのか。彼らなら2500安打はおろか3000安打も目指せる可能性がある。

クロマツ そうかもしれないですね。小園が広島に決まっとき、こんな”カープ顔”久しぶりに見たって感じでした(笑)。

城倉 かつてのパ・リーグ的というか、素朴だよね。ただ広島の現在の選手層を考えると小園が1年目から出場するのは難しいのかなって。今、一番充実しているチームだから。

クロマツ ただ、あの守備力はハンパないですからね。もったいないですよ。田中広輔をサードにコンバートして小園をショートで使ってくれれば面白いんですけどね。根尾も含め、来季の開幕オーダーがどうなっているか今から楽しみですね。

城倉 そうだね。ここ近年ドラフトを見ていると華のあるスター選手がパ・リーグに行くケースが多かった。今回も吉田と藤原恭大(大阪桐蔭)というスター選手がパ・リーグに行ったけど、セ・リーグには根尾と小園というスター選手が加入することになったのは喜ばしいことだと思う。結果2対2ってことで、ちょうどよかったんじゃないかな。彼らがどんな活躍をするのか、今後も注目していきたいね。

著者:石塚隆●文・構成 text by Ishizuka Takashi


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