連続表彰台でも坂本花織は不安顔。ファイナル出場権争いは日露で激戦に

連続表彰台でも坂本花織は不安顔。ファイナル出場権争いは日露で激戦に

 11月3日のグランプリ(GP)シリーズ・フィンランド大会の女子フリーを終え、坂本花織は「2位だったらファイナル(出場)も大丈夫だったけど、3位ではちょっと微妙になりましたね。あとはもう祈るだけです」と少し残念そうな表情を見せた。

 GPシリーズ初戦のスケートアメリカではショートプログラム(SP)、フリーともノーミスの演技で213.90点を獲得し、宮原知子に次いで2位。坂本は目標であるGPファイナル進出へ向けて好スタートを切った。中1週空けてのフィンランド大会には五輪女王のアリーナ・ザギトワ(ロシア)も出ていたが、他の選手の実績や自己ベストを見れば十分に2位は狙える状況。ここで早々とファイナル進出を確実にするのかと思えた。そして、本人もその気持ちでいたのだ。

 だが落とし穴は大会初日のSPで待っていた。「今日の公式練習の後でステップがレベル4にならない原因を中野(園子)先生から教えてもらい、急遽ステップを変えようと思って、集中が全部ステップの方に行ってしまった。それでジャンプのことが少し抜けてしまったのだと思います」と坂本は言うように、最初の連続ジャンプの予定だった3回転フリップで転倒した。

 そのあとのダブルアクセルは大きさと幅のあるジャンプで決めた坂本。そして、最後のジャンプの3回転ループは「ロンバルディア杯の時は最初のフリップで失敗して、ループにコンビネーションをつけなければと思って失敗していたので、今回は単発でもいいからループをきれいに降りようと考えていた」というようにきれいに跳んだが、その後で無理やりつけた3回転トーループはダウングレードになったうえに転倒してしまった。

 結果は57.26点で7位。だが「2回転倒してこれだけの点数を出してもらえたのはありがたいと思う」と坂本自身が言うように、ザギトワには離されたが2位の白岩優奈には6点強の差で希望は残った。

 そんななか、「ショートが終わった後に振り付けのブノワ・リショー先生から連絡が来て、200%の力でクリーンな演技をやれば表彰台に戻れると言われ、中野先生からは『フリーはもう死ぬ気で頑張りなさい』と言われました」と語った坂本だが、フリーの演技を始めた時は緊張で全身がガクガクしているような状態だったという。

「最初の3回転フリップ+3回転トーループを降りた時に5%だけホッとして、後半のダブルアクセル+3回転トーループ+2回転トーループを降りた時には半分くらいホッとして、という感じです」

 スピンの入りを間違え、コレオシークエンスではきつくなってしまうところもあったが、「フリーはジャパンオープンのあと、ショートより練習をたくさんしてきたので、ちゃんとやれば完璧にできるなという自信があった」と言うように、ミスは序盤の3回転ルッツのエッジエラーだけに抑え、自己ベストにあと2点強の140.16点を獲得。合計を197.42点にして2位を確保できたかに見えた。

 だがSP4位だった昨季の世界ジュニア4位でシニアの世界選手権にも出場していたスタニスラワ・コンスタンティノワ(ロシア)が、自己ベストの135.01点を出し、合計を197.57点にして坂本を上回る結果に。結局、坂本は3位になってしまった。

 1試合の最高得点で、坂本は、スケートアメリカの宮原とフィンランドのザギトワに次ぐ3位の得点(213.90点)で、スケートカナダ優勝のエリザベータ・トクタミシェワ(ロシア)を10点以上引き離しているが、ファイナル進出を巡るポイント争いでは厳しい状況に追い込まれた。

 ファイナル進出へ向けたポイント争いは、これまでの3戦で優勝している宮原とトクタミシェワ、ザギトワが優位に立つ。次のNHK杯では宮原とトクタミシェワが出場するが、自己ベストを見れば宮原の優勝が順当で、トクタミシェワは3位以内に入ればともに進出が決まる。また得点能力という面では、ここが初戦で、得点で3位以内に入る力を持っている三原舞依と紀平梨花が、宮原とともに表彰台を獲得しても、トクタミシェワは4位に食い込めば坂本と同点でも1位があるため上位にランクされる。

 また、ロシア大会ではザギトワの優勝の可能性が高く、彼女以外の有力選手の筆頭はカナダ2位の山下真湖だ。樋口新葉や1試合のみの出場となるグレイシー・ゴールド(アメリカ)が意地を見せるかどうかだが、もし山下が2位になれば、そこでファイナル進出が決まる。

 残りの枠は最終戦のフランス大会に持ちこされて、カナダ3位のエフゲニア・メドベデワ(ロシア)とフィンランド2位のコンスタンティノワ、さらにNHK杯で3位以内に入っていれば三原と紀平もその競り合いに参加する。

 もしトクタミシェワがNHK杯で3位以内に入り、山下がロシア杯で2位以上になっていれば、残りは2枠。両者ともそれを逃していれば4枠となるが、どちらにしてもロシア人選手と日本人選手の争奪戦になる。

 まずはNHK杯の結果と、次のロシア大会で山下が2位以内に入って初参戦でのファイナル進出をザギトワとともに決めるかどうかが注目だ。どちらにしてもファイナル出場権争いは、ロシア人選手と日本人選手の直接対決の結果次第。坂本のファイナル出場は、本人が言うとおり「祈るしかない」状況になってきた。

著者:折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)


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