【木村和久連載】ノーベル賞受賞の本庶佑教授に倣う、ゴルフ道の極み

【木村和久連載】ノーベル賞受賞の本庶佑教授に倣う、ゴルフ道の極み

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」
連載●第178回

 本庶佑(ほんじょ・たすく)教授、ノーベル賞受賞、おめでとうございます。

 先日、ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶先生。その受賞会見において、記者から次に何をしたいか? と聞かれて、「ゴルフのエージシュートを達成したい」と語っていたのが印象的でした。

 本庶教授は、現在76歳。ベストスコアは「78」ということなので、このまま健康でゴルフをやり続けていけば、まもなく達成できるような気がします。

 それにしても、ノーベル賞の次に欲しいのが、エージシュートというのは、恐れ入りました。比較するのも何ですが、どっちが欲しいかと言われたら、迷わずノーベル賞ですよね。

 本庶教授は、週1回ほど京都のコースでラウンドしており、練習も熱心にやられているとか。特に、パターと筋トレは欠かさないそうです。

 というわけで、ノーベル賞受賞者も欲しがるエージシュートについて、少し述べてみたいと思います。

 エージシュートは、自らのラウンドスコアが年齢と一緒、もしくは下回ること、とされています。そして一般的には、全長6000ヤード以上のコースで、という決まりがあります。

 とすると、全長6000ヤードに満たないシニアティーでラウンドをして達成した場合は、どうなるのでしょうか? “未公認エージシュート”といった感じですかね。

 エージシュートには史上最年少記録というのがあって、1975年、アメリカのプロゴルファー、ボブ・ハミルトンが59歳で「59」のスコアを出したのが、最少とされています。

 日本では、2013年にジャンボ尾崎選手が「62」のスコアを出して、プロのレギュラーツアーで初めてエージシュートを達成しています。そのとき、ジャンボ選手は66歳ですから、エージシュートより4アンダーも潜っているのが驚きです。

 シニアツアーでは、中村寅吉選手や青木功選手など、たくさんのシニアプロがエージシュートを達成しています。

 最近は健康寿命が長くなって、80歳を過ぎても元気にゴルフができるような環境になっていくと、エージシュートが夢の出来事じゃなくて、長生きしたご褒美ぐらいの扱いになって、量産されるようになるのではないでしょうか。

 どこかのアマチュアの爺さんで、エージシュートを数十回達成している人がいるそうです。そりゃね、90歳過ぎたら、80台を出していれば、全部エージシュートですから。もちろん、それはそれですごいことなんですけど、その方にとっては、簡単にできる散歩みたいなものなんでしょう。

 そう考えますと、世の中には自分の叶う夢の順位がぜんぜん違う人がいるのです。

 本庶教授もそうなんでしょう。教授の快挙を、俗謡というか、流行り歌にして歌うとこうなります。

「エージシュートは取れないけれど、せめて取りたや、ノーベル賞♪」

 こんな感じで、とりあえずノーベル賞を先にいただいた、本庶教授の大胆な戦略は誠に凄いです。言うまでもありませんが、エージシュート達成者の数と、ノーベル賞受賞者の数を比べたら、断然エージシュートのほうが多いですからね。

 そもそもエージシュートを達成しても、その人のご近所周りだけの話題で、ニュースにすらなりません。ノーベル賞は国を挙げてのお祝いですから、比べようもありません。

 ちなみに、この俗謡の元ネタは、江戸時代の山形県は庄内地方で歌われていた流行り歌で、だいたい次のような感じです。

「本間様にはなれないけれど、せめてなりたや殿様に♪」

 当時、山形県の庄内地方に、日本一の大地主とされた本間家というのがあって、所有している土地のあまりの広さに、殿様よりもお金を持っていると言われていました。そこで民衆は、本間様にはどうあがいてもなれないけれど、せめて殿様にはなりたいなぁって、流行り歌を歌ったのです。

 民間人の本間様より、殿様のランクが下、というのが笑えますよね。

 で、このコラム的なポイントは、本間様です。本間と聞いて何か思い起こすことはないですか? えっ、ひょっとしてあれですか?

 そうです、ゴルフメーカーの『HONMA』です。

 その本間様ですが、どんだけ土地を持っていたかというと、庄内の酒田から現在の山形市ぐらいまで、所用で出かけたときに「すべて自分の持っている土地を歩くだけでたどり着けた」というのですから、びっくりです。

 距離にして、約100km。そんな土地持ってみたいですなぁ。

 かくして、その本間家の傍系ですが、その末裔が『本間ゴルフ』を立ち上げた、というお話です。

 だから、地元酒田で大火(1976年)が起きたとき、当地での雇用が減ってしまったため、『本間ゴルフ』は酒田工場をオープンさせているのです。

 今回は話がどんどん横道にそれていきます。

 本庶教授じゃないですけど、自分のゴルフで叶わぬこと以外で、何か他に達成できそうことはないか。そこでまた、流行り歌を考えてみました。結果、こんなのができました。

「タイガー・ウッズにはなれないけれど、せめてなりたやセックス依存症♪」

 タイガー・ウッズは偉大なプレーヤーですが、イジられキャラでもある、ということで書いてみました。熱心なファンの方は、ご容赦くださいね……。

 PGAツアーの優勝回数とメジャーの優勝回数の更新が目前に迫っているタイガー。前人未到の記録をまもなく達成すれば、歴史上でもっとも偉大なゴルファーになるでしょう。

 けど、そこまでの過程においては、多数の女性と不適切な関係があり、それを聞いた奥さんがアイアンを持って追いかけ回し、そこでケガをしたとか、しないとか。

 そうして、心も体もボロボロになっての、懸命のリハビリ。セックス依存症のらく印を押されての、施設での療養。ゴルフとは関係ないところでも、いろいろなことがありました。

 そんなこんなで、セックス依存症という病名を世界的に広めたことについては、タイガーの貢献度は大きいです。

 病気を抱えていたとき、タイガーはレストランなどで出会った女性に気軽に声をかけて、そのままデートしていたとか。そう聞くと、気さくな性格で、なかなかいいヤツじゃないですか。

 だって、普通はあれぐらいのクラスだと、トップモデルや有名女優と付き合って浮き名を流すもんでしょ。まあでも、一応結婚をしていましたから、大型不倫騒動になるのはマズいと思って、一般人と”擬似恋愛”を楽しんでいたのでしょうね。

 そんなわけで、タイガー・ウッズには到底なれませんが、街で声をかけたら、女のコが気軽についてくるぐらいの生活ができたらなぁ、とやんわり妄想しております。

 勢いついでに、あとふたつほど歌を詠んで、締めくくりたいと思います。

「東京五輪なのに、なぜかゴルフは埼玉で開催。せめてやってよ、東京で♪」

 霞ヶ関カンツリー倶楽部には恨みはありませんが、そういうことは”埼玉オリンピック”のときにやってほしいですなぁ。たぶん、未来永劫ないと思うけど……。

「軽井沢ゴルフ倶楽部には入会できないけれど、せめてなりたや携帯会社の社長さん♪」

 日本一入会するのが難しいと言われる軽井沢ゴルフ倶楽部。入会審査に落ちた人は数知れず。なかには、某キャリアのオーナーもいるとかいないとか。

 普通、携帯会社の社長になるほうが難しいでしょ。10人もいないんだから。でもそれだけ、ゴルフのメンバー道を極めるのって、大変なんですね……。

著者:木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa


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