一騎打ち。羽生結弦不在のファイナルを制するのは宇野か?チェンか?

一騎打ち。羽生結弦不在のファイナルを制するのは宇野か?チェンか?

 羽生結弦が欠場となった今年のグランプリ(GP)ファイナルの男子。12月6日からバンクーバーで行なわれる試合ではこの大会の連覇を狙う世界王者のネイサン・チェン(アメリカ)と、ファイナルと平昌五輪、世界選手権のすべてで2位にとどまった悔しさを晴らそうとする宇野昌磨の一騎打ちになりそうだ。

 それは今季ここまでの戦いから見ても明らかだ。ふたりはGPシリーズ連勝でファイナルに駒を進めてきたが、ともにノーミスの演技はできていない。チェンはスケートアメリカで今季2位の280.57点、宇野はスケートカナダで今季3位の277.25点を出している。

 ショートプログラム(SP)ではふたりとも2大会連続でミスをしているが、フリーでは、チェンはスケートアメリカで”ノットクリアーエッジ”がひとつだけというほぼノーミスの演技で189.99点。羽生がフィンランド大会でマークした今季世界最高得点の190.43点に肉薄している。ただし、冒頭に入れる予定の4回転フリップを3回転ループにしてレベルを落とした構成での結果であることを考えると、まだ点数は伸びそうだ。

 宇野はスケートカナダのフリーで188.38点を出しているが、最初の4回転サルコウが回転不足になっただけでなく、後半のトリプルアクセルからの3連続ジャンプと3回転サルコウ+3回転トーループはGOE(出来栄え点)でともに2点台の減点をされての結果だった。

 ちなみに、今回の出場選手でそのふたりに続く得点を出しているのは、スケートカナダ2位で、羽生の欠場で繰り上がり出場を果たしたキーガン・メッシング(カナダ)で、265.17点になる。

 宇野とチェンが顔を合わせた5日の公式練習では、先にSPの曲かけをした宇野は最初の4回転フリップが低いジャンプになって転倒。次の4回転トーループも転倒する滑りになった。

「曲かけが終わってからの練習の中盤では調子が悪いのかなと自分でも思っていたけど、考えてみれば調子が悪いのはフリップだけで、トーループはコンビネーションを意識しすぎたからかなと思って。試合で失敗しているのと似た感じで失敗をしてしまった。ここまでは課題になっていた回転し過ぎを防ぐために、試合でも跳べている単発の4回転トーループを跳んで、それに3回転トーループを付けるという意識で練習してきたんです。でもフリップを失敗したことでそれを忘れてしまったので、4回転トーループも失敗してしまっただけかなと思います」(宇野)

 そう話す宇野はその後、4回転トーループ+3回転トーループもきれいに決めていた。また「このところ思うように上に上がらない」と悩んでいる4回転フリップについては、「いろいろ考えても仕方ないので、まっすぐ跳んで思い切り締める。そのふたつに集中して頑張りたいなと思います」と話し、最後には修正してきれいな回転のジャンプにしていた。

 さらに、フリーの最初に入れながらも回転不足が多かった4回転サルコウは、「最近はサルコウの方がフリップより確率がよくなってきて、回転不足もなく降りられるようになっている」と、余裕を持ったジャンプにして成功させていた。

「今回は、回りすぎが課題になっている4回転トーループの連続ジャンプは、ショートもフリーも単発の意気込みで跳ぼうと思っています。4回転フリップは調子は悪いけど、せっかく自分の武器と言えるところまで確率を上げてきていたので、だからこそちゃんと自分のものにしたいなと思っています」

 こう話す宇野は「ベストを尽くせば自ずと結果はついてくると思うので、まずは自分の最大限の演技をするだけです」と明日からの試合へ向けての意気込みを口にした。

 一方のチェンは、調子を上げてきているようだ。今回のエントリープランは、SPはフランス大会から行なっているようにトリプルアクセルの後に4回転フリップを跳んで、後半に4回転トーループ+3回転トーループを入れる構成。フリーはこれまでの2試合は4回転がトーループ2本を含めた2種類3本の構成を、前半に4回転フリップと4回転ルッツ、4回転トーループを入れて、後半に4回転トーループ+3回転トーループを入れる3種類4本にしてきた。

 さらに、少し苦手意識があるトリプルアクセルは1本だけにして、得点が1.1倍になるラスト3本のジャンプに、4回転トーループからの連続ジャンプに加え、3回転ルッツ+3回転トーループ、3回転フリップ+1Eu+3回転サルコウと連続ジャンプを3本入れて高得点を狙う。

 練習を見ていても4回転トーループは余裕を感じさせるジャンプで、4回転フリップもきれいな軸で跳んでいた。さらに4回転ルッツは軸が少し斜めになる傾向はあったが着実に着氷していた。

 チェンの連覇となるか、宇野のシニア主要国際大会の初タイトル獲得となるか──。ふたりの戦いは、300点超の決戦になる可能性が高い。

著者:折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)


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