明け4歳世代がやっぱ強いのか。東西の金杯でおいしく乾杯できる4頭

 2019年の競馬シーンが幕を開ける。

 開幕を飾るのは、今年も東西の金杯だ。この1年の”競馬運”を占ううえでも、見事に的中させて幸先のいいスタートを切りたいところだ。

 まずは、関東で開催されるGIII中山金杯(1月5日/中山・芝2000m)。過去10年間で1番人気は4勝、2着1回、3着3回、着外2回と、馬券圏内(3着以内)に絡んでくる確率はかなり高い。それでも、2009年、2010年には3連単の配当が20万円超えを記録するなど、好配当が生まれるケースも多く、穴党にとっては楽しみなレースである。

 しかも、デイリー馬三郎の木村拓人記者によれば、「少し様相が違う」という今年は例年以上に波乱含みだという。

「(過去、安定した成績を残している)1番人気がどの馬になるのか、正直、見当がつかないからです。登録メンバーを見ても皆、そこそこ実績があって、ハンデもそれなりに背負っていますしね。

 そうなると、各紙、印が分かれると思うので、当日は意外な馬が人気になる可能性もあります。それだけ人気が分散されれば、どの馬が来ても、好配当が見込めるのではないでしょうか」

 実際、重賞戦線で安定した実績を残している馬が顔をそろえ、勢いのある上がり馬や、生きのいい明け4歳馬、さらに復活したGI馬など、人気になってもおかしくない馬が何頭もいる。逆に言えば、断然の「主役は不在」という状況にある。

 そこで木村記者は、昨年のジャパンC以降、チャンピオンズC、有馬記念と、古馬混合GIをすべて制した明け4歳勢の中から1頭、名前を挙げた。

「コズミックフォース(牡4歳)です。昨年の日本ダービー3着馬で、ハンデは56kgとやや見込まれた感がありますが、それが嫌われる材料となるなら”穴馬”として面白い存在だと思います。



昨年のダービーで3着と奮闘したコズミックフォース

 ダービー後の秋2戦は、GIIセントライト記念(中山・芝2200m)7着、GI菊花賞(京都・芝3000m)15着と振るいませんでしたが、セントライト記念では太め残り、菊花賞は距離がいかにも長すぎました。敗因は明確で、これら2戦に目を瞑(つむ)れば、ハンデ戦のGIIIなら、十分に通用するはずです。中山・芝2000mという舞台も、ちょうど1年前のGIII京成杯で経験して2着と結果を残していますから、心強い限りです。

 同じ明け4歳馬では、ステイフーリッシュ(牡4歳)やタイムフライヤー(牡4歳)が人気になりそうですが、前者は関東への長距離輸送で馬体減りが心配され、後者はコース実績があるものの、”ハマリ”待ちのようなところがあって、絶対的な信頼は置けません。これらの陰に隠れて人気の盲点になりそうなコズミックフォースは、まさに今回が狙い目ではないでしょうか」

 木村記者はもう1頭、注目している馬がいるという。

「ランガディア(牡5歳)です。体質が弱く、ここまで来るのに時間がかかりましたが、素質はこのメンバーの中に入っても見劣りしません。他馬との比較で、ハンデ54kgは有利。2000m戦も前走で勝っており、問題ないでしょう」

 コズミックフォースとランガディアは、ともにキングカメハメハ産駒。過去10年で2勝を挙げている同産駒がワンツーフィニッシュを決めれば、ビッグなお年玉になることは間違いない。

 翻(ひるがえ)って、関西で行なわれるGIII京都金杯(1月5日/京都・芝1600m)はどうか。こちらは、過去10年で1番人気が2勝、2着2回、3着1回、着外5回と、信頼度は今ひとつ。

 おかげで、3連単は過去10年すべて万馬券。2016年は30万円超えの高配当となり、それを含めて5万円以上の好配当が7回も出ていて、穴党にとっては腕が鳴るレースと言える。

 そして今年も、”オイシイ馬券”が期待できると日刊スポーツの太田尚樹記者は言う。

「昨秋、各路線で大活躍だった明け4歳世代。ここにもGI戦線を賑わせた明け4歳世代が多数そろいました。ただ、京都金杯はハンデ戦らしくひと筋縄ではいかないレース。過去10年で、馬連も3桁配当が1度もありません。今年も、”いいお年玉”が期待できると思いますよ」

 確かに、パクスアメリカーナ(牡4歳)やサラキア(牝4歳)など、強力な面々がそろった明け4歳世代。人気の中心となるのは、間違いなく彼らだろう。

 だが、太田記者が言う”いいお年玉”をゲットするなら、妙味があるのは他の世代。そこで、太田記者は7歳馬のグァンチャーレ(牡7歳)を推奨する。

「明け7歳のベテランで、今回が36戦目になりますが、1番人気になったのは、わずか1回だけ。走っても、走っても、人気しない、穴党にはすごく重宝される馬です。

 前走のオープン特別・キャピタルS(2018年11月24日/東京・芝1600m)でも、6番人気の低評価を覆(くつがえ)して快勝。明け4歳の”強力世代”を代表するマイラー、タワーオブロンドンをクビ差で封じました。

 京都のマイル戦では、GIIIシンザン記念を勝っている他、オープン特別で2度の2着があります。また、2走前のGIIスワンS(2018年10月27日/京都・芝1400m)でも、休み明けで勝ち馬にコンマ1秒差の3着と好走。鞍上の古川吉洋騎手も『京都がいいのは間違いない』と、同舞台での適性には太鼓判を押しています。

 好位で手堅く立ち回れるので、開幕週の馬場も歓迎のくち。明け4歳世代に注目が集まって、今回も人気の盲点となってくれれば、しめたものです」

 太田記者はもう1頭、話題の明け4歳世代からカツジ(牡4歳)をオススメする。

「前走のGIマイルCS(2018年11月18日/京都・芝1600m)では8枠16番発走ながら、最後は大外からメンバー最速となる上がり33秒4の豪脚を繰り出して、コンマ2秒差の4着と善戦。にもかかわらず、下馬評から『意外と人気がないな』と感じるんですよね。

 当時の京都はイン有利の馬場で、上位3頭の馬番が着順同様、1番、2番、3番だったことを思えば、この4着は相当価値があります。2着ペルシアンナイトも、3着アルアインもGI馬ですから、まさしくGI級の力を示した走りだったと言えるのではないでしょうか。

 主戦の松山弘平騎手によれば、『カッカしていたのが、落ちついてきた』とのこと。明け4歳世代屈指のマイラーが本領を発揮すれば、ハンデ56kgでも勝ち負けになるはずです」

 競馬の1年の計は、金杯にあり。今年こそ、金杯で”乾杯”したい方、ここに挙げた馬たちで勝負してみてはどうだろうか。

著者:土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu


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