すこぶる順調なダノンファンタジーに、もはや「ライバル」はいない

すこぶる順調なダノンファンタジーに、もはや「ライバル」はいない

2019年クラシック候補たち
◆第2回:ダノンファンタジー

 昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月9日/阪神・芝1600m)を制して、世代最初のGI馬となったのは、中内田充正厩舎(栗東トレセン)のダノンファンタジー(牝3歳/父ディープインパクト)だった。

 同馬は言うまでもなく、今春の3歳牝馬クラシックにおいて中心的な存在になるだろう。とはいえ、そんな彼女のキャリアは”敗戦”から始まった。

 昨春の2歳新馬(6月3日/東京・芝1600m)でデビュー戦を迎えたが、このレースでいきなり”ライバル”と出会うことになる。のちにGIIIサウジアラビアロイヤルC(10月6日/東京・芝1600m)を圧勝し、牡馬相手のGI朝日杯フューチュリティS(3着。12月16日/阪神・芝1600m)に果敢に挑み、そこでも1番人気に推されたグランアレグリアである。

 新馬戦では、グランアレグリアが1番人気、ダノンファンタジーが2番人気となり、結果も人気どおりの1、2着となった。レース後は、グランアレグリアの強さばかりが取り沙汰されたが、2着ダノンファンタジーも能力の高さを存分に示しており、勝ち馬には2馬身離されたものの、3着馬に3馬身半、4着以下には10馬身以上の大差をつけてちぎっている。

 実際にその後、ダノンファンタジーはグランアレグリアにも劣らぬ”一級品”だったことを証明する活躍を見せた。2戦目の2歳未勝利(9月16日/阪神・芝1600m)をムチも使わず”持ったまま”で楽勝すると、続くGIIIファンタジーS(11月3日/京都・芝1400m)では、先行してきたこれまでのレースとは一転、中団から強烈な末脚を繰り出して快勝。メンバー最速の33秒8という上がりをマークして、大外から見事に差し切った。

 そして、迎えた4戦目が阪神JFである。このレースでは18頭中16番手と、さらに後方のポジションを取ったものの、ラストは前回以上の豪快な決め手を披露。阪神の直線を力強く伸びて、直線で競り合ったクロノジェネシスもゴール前にきっちり振り切って鮮やかな勝利を決めた。

 レースを重ねるごとに迫力を増し、自分のスタイルを確立してきたダノンファンタジー。同馬の強みについて、関西競馬専門紙のトラックマンはこう語る。

「ダノンファンタジーは、現時点で課題が見当たらないところに強さの秘密があると言えそうですね。レース運びを見ても、いろいろなパターンに対応できますし、難しさを感じさせません。クラシック第1弾のGI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)はもちろん、距離が延びるGIオークス(5月19日/東京・芝2400m)でも、操縦性の面でアドバンテージがあり、好勝負を演じられるのではないでしょうか」

 そうした課題のなさは、前走後からの調整過程においても見られるようだ。トラックマンが続ける。

「前走後は放牧に出て、1月末にトレセンに戻ってきました。カイバ食いがよく、馬体重は10kgほど増えたとのこと。その分、調教も予定どおりこなしています。ここまですこぶる順調にきており、いい体調で春を迎えられそうです。このあたりも、クラシックに向けてプラスに働くでしょう」

 競馬においては課題がなく、状態も万全。もはや欠点はなく、”叩き台”となるGIIチューリップ賞(3月2日/阪神・芝1600m)は当然のこと、本番の桜花賞への見通しも相当明るい。

 桜花賞では、デビュー戦で敗れたグランアレグリアとの再戦が待っているが、現在の順調さではダノンファンタジーのほうが明らかに上。”ライバル”を一蹴し、真の女王になる可能性はかなり高いのではないだろうか。

著者:河合力●文 text by Kawai Chikara


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