玉田圭司が分析した日本代表。三銃士より「大迫勇也の存在が大きい」

玉田圭司が分析した日本代表。三銃士より「大迫勇也の存在が大きい」

◆玉田圭司インタビュー前編

 昨年末、玉田圭司が名古屋グランパスからV・ファーレン長崎への移籍が決まった。今年で39歳を迎える快足FWが、1年でのJ1復帰を目指す長崎で新たな挑戦を始める。

 Jリーグで活躍を続ける玉田は、2004年から2010年にわたって日本代表でも活躍(国際Aマッチ72試合に出場し16得点)。とくに2004年のアジアカップ、準決勝のバーレーン戦で劇的な決勝ゴールを決めたシーンを覚えているファンも多いだろう。

 そんな玉田は、現在の日本代表、アジアのサッカーをどう見ているのか。1月末に長崎の沖縄キャンプで直撃した。


──現在(このインタビューは1月29日に実施)、日本代表はアジアカップを戦っていて、準決勝は難敵のイランに3−0で勝ちました。それまではずっと接戦でしたが、玉田選手が活躍して優勝に貢献した2004年大会の戦いと比べていかがですか?

「似ているんじゃないですかね。あの時も楽に勝った試合はほとんどなかった。その意味では、通じるところはありますよね。今大会はすべてを観ているわけではないですが、イラン戦はよかったと思います」

──戦前の大方の予想では、「アジア最強」と謳われるイランに苦しむだろうと言われていましたが。

「あの大迫(勇也/ブレーメン)の1点目で、イランは(集中が)切れてしまったんだと思います。日本が失点してもおかしくない場面はあったけど、それを耐えたのはすばらしい。『アジア最強』と言われていたイランから挙げた勝利により、選手たちはとても大きな自信を得たでしょうね」

──でもそれ以前は、接戦に次ぐ接戦を制してきました。2004年大会もそうでしたけど、そんなギリギリの戦いの経験とはどんなものだったんでしょうか?

「オレはあの時、代表に入ったばかりで、チーム最年少だったんじゃないかな。だからチーム全体のことなんて全然考えられなくて、自分のことで精一杯だった。最初のほうは自分のプレーに関係なく、チームが勝っていった感じでしたね。それで最後に、準決勝と決勝で得点できた。一番いいところでね(笑)。振り返ればいろいろ思うところもありますけど、当時はチームの状態を考える余裕なんてまったくなかったですね」

──現在の日本代表にも面白いアタッカーがいます。南野拓実選手(ザルツブルグ)、堂安律選手(フローニンゲン)、そして今回のアジアカップは負傷により欠場した中島翔哉選手(アルドハイル)。この3人は、『三銃士』とも呼ばれています。玉田選手とも役割やポジションが近い選手たちですが、彼らの印象はいかがですか?

「いい意味で、『勢いでやっているな』と。ただ、イラン戦では南野選手が活躍しましたけど、3人の実力を考えると、まだそこまで結果は出せていないのかな、とも思います」

──今回のアジアカップに出場できなかった中島選手は、移籍が話題になっていますね。

「カタール移籍は本当に決まったんですか!? 今朝、そんな報道が出ていましたけど。移籍金は44億円でしたっけ」

──公式な発表はまだみたいですね。少し前にはプレミアリーグに行くとも噂されていましたが。

「彼は面白い選手ですよね。見ていて楽しいプレーをする選手だし、どんな相手にも恐れずにガンガン仕掛けていくのがいい。ただ、今の代表では、やはり大迫の存在が大きいでしょう。ボールをキープできて、周囲を生かすことができる。ああいうタイプの選手がいるからこそ、若い3人が生きているのかなと思います」

──これまで、玉田選手にそんなタイプのパートナーはいましたか?

「(ジョシュア・)ケネディなんかはそうでしたね。彼はすごく器用でしたから。代表で一緒にやった中では、クボタツ(久保竜彦)。大迫のような巧さはなかったけど、一緒にやっていて面白かった。すごく難しいボールでもジャンプして収めて時間を作ってくれたり、ちょっと考えられないタイミングでシュートを打ったり。勉強になりましたよ」

──勉強といえば、玉田選手も子供たちを指導することがあると思います。その際に、心がけていることはありますか?

「僕自身、小中高と自由にやらせてもらったので、同じようにあまり縛ることなく指導しています。自分もそこが原点なので。テクニックがあって、ドリブルやシュートがうまい選手が好きだから、やっぱりそういう選手を育てたいですね」

──好きな選手といえば?

「当然、リオネル・メッシはすごい。自分と同じ左利きで器用なアタッカーが好きなので、アントワーヌ・グリーズマンとか、ダビド・シルバとか。国内だと、家長(昭博)が好きですね。独特な感覚を持っている」

──家長選手は、川崎フロンターレでまたひとつスケールアップしたような印象もあります。

「いいチームに行ったなと思います。いつか一緒にやりたいです。やれないだろうけど(笑)」

──コンサドーレ札幌のチャナティップ選手はいかがですか? 

「本当に巧い。あれだけ両足をうまく使ってドリブルできる選手って、なかなかいないんじゃないですか。小柄な体をうまく利用していますよね」

──チャナティップ選手のようなアジア人選手が台頭し、今回のアジアカップでは中東勢が躍進しています。この状況は日本にとって脅威でしょうか。それとも全体のレベルが上がるのは歓迎すべきこと?

「面白いと思いますよ。競争が激しくなって、アジア全体のレベルが上がるのはいいことですよね。でも日本にもいい選手がたくさん出てきているので、ポジティブに捉えられると思います」

(後編に続く)

著者:井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi



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