宮司愛海連載:『Manami Memo』 第11回

フジテレビの人気スポーツニュース番組『S-PARK』でメインキャスターを務める宮司アナの連載『Manami Memo』。第11回は、宮司アナがプロ野球のキャンプを取材した様子を自ら撮影した写真とともにレポート。

 球春到来――。

 2020年、オリンピックイヤーのプロ野球キャンプが始まりました!

 今年は、7月24日に開幕するオリンピックの関係で、シーズンが例年に比べ約1週間早く開幕することになりましたが、キャンプは変わらず2月から行なわれています。

 今年も『S-PARK』ではキャスターが手分けをし、セパ12球団のキャンプインを取材。私は宮崎へ行き、1日はヤクルト2軍を、そして2日にはソフトバンクのキャンプを取材してきました。

 今回は、取材してきた情報に加え、キャンプの1日の流れについてお伝えしたいと思います。

AM9:00 現場入り
 多くの球団の練習開始時間は午前10時。その時間に合わせて選手の皆さんが到着するので、9時には現場に到着するようにしています。

 今回キャンプインの日に取材へ行ったヤクルト2軍のキャンプ地:宮崎県西都市では、過去に例がないほど多くのファンと報道陣が集まりました。9時に現場に到着した時にはすでに10数人のファンの方がいて、ゴールデンルーキー・奥川恭伸投手の登場を今か今かと待ち望んでいる様子でした。




AM10:00 ウォーミングアップ
 ウォーミングアップから練習が始まります。

 ソフトバンクでは1時間、投手と野手に分かれてそれぞれトレーナーの指示に合わせ、少しずつ違った体の温め方をします。一方、ヤクルトの2軍では、ストレッチからベースランニングまで全員で2時間、みっちりとウォーミングアップを行なっていました。

 ちなみに、報道陣には1日の練習予定表が配られ、どの選手が何時からどういった練習をする予定なのか把握することができます。




AM11:00〜12:00 ボールを使った練習
 ウォーミングアップが終わると、野手はキャッチボールからノック、投手はキャッチボール、ゴロ捕球の練習、ブルペンでのピッチング、などボールを使った練習に入っていきます。

 しかし、投手はそれぞれの調整度合いなどにより別メニューとなることも多く、この通りではありません。実際に、2日のソフトバンクの取材では千賀滉大投手が右ふくらはぎの違和感で別メニュー。ブルペンには入らず、軽めのキャッチボールと座ったままのネットスロー(ネットに向かって球を投げる練習)を行なっていました。

 1日に取材したヤクルト・奥川投手も、右ひじの炎症のためノースロー。このように、野手に比べ投手は「個人」で動くことが多い印象です。

PM0:00〜1:00 昼食
 午前の練習が終わると昼食の時間です。選手たちはキャンプ場にある食堂などでそれぞれ食事をとり、また午後の練習に入っていきます。

 取材者として、ここで少し苦労するのが、選手によって動きが違うこと。

 昼食は明確な時間が決まっているわけではなく、練習を終えた選手からとるスタイル。かなり流動的なので、取材対象の選手の動きを常に把握していないとあっという間に見失ってしまいます。

 キャンプ中は選手の移動中に歩きながら話を聞くこと(いわゆるぶら下がり取材)が場所によっては許可されているため、選手の動きを把握できないと取材の機会を失ってしまうのです。球団によっては「ランチ特打」といって、この時間にバッティング練習を行なっていることもあります。

 もちろんこの時間は取材陣にとってもランチタイム。1軍のキャンプ地は多くの出店などがあり、にぎわっています。特にソフトバンクのキャンプ地は他と比べても出店の数が特に多く、練習見学の合間に遊べるアミューズメントやフォトスポットも充実しています。

 私も出店で宮崎名物の一つ「高千穂牛のサイコロステーキ丼」を購入。とてもおいしかったです!








PM1:00〜 午後練習開始
 午後の練習はさらに細かく分かれて行ないます。

 野手は数人のグループに分かれ、フリーバッティング、走塁、守備、バント、ティーバッティングをそれぞれ数十分ずつ行ない、ローテーションを回していきます。フリーバッティングというのはバッティングピッチャーの投げる球を打つ練習で、メイングラウンドで行なわれることが多いので、ファンも選手の打撃の調子などを見ることができます。

 有力選手はもちろんですが、1軍に抜擢された若手選手の特徴などを実際に見て取材できるのもキャンプの醍醐味ですよね。

 一方投手は、午前でボールを使った練習を終え、午後はトレーニングに時間を使う選手も多くいます。




PM2:00〜3:00 個別練習
 全体練習が終わると、コーチの指示などにより個別練習の時間が始まります。

 野手は室内練習場へ移動しネットを使ってティーバッティングを行なったり、投手はボールを使わずタオルなどを使ってシャドーピッチングを行なったり、練習内容はさまざまです。
 
 練習の終了時間も選手によってさまざまで、早ければ午後3時、遅いと4〜5時ごろになります。

 球団によって差はありますが、こういった流れで1日のキャンプ練習が行なわれています。

 チーム全員が参加するとはいえ練習の方法、動き方は選手それぞれ。キャンプはシーズン開幕に向け、選手だけでなく取材者としても準備する期間でもあるのです。

 さて、今回の取材でお話を伺ったヤクルト・奥川投手。実際に話している様子を見た印象は「決して多くは語らない、物静かで真面目な青年」でした。

 返答一つひとつに現れる素直さと、時おり見せる柔らかい笑顔からは、あの甲子園のマウンドでの姿は想像できないほど。

 右ひじ炎症の関係で、2軍・ノースロースタートとなったキャンプインですが、現状、炎症は治まりタオルを使ったシャドーピッチング〜ネットスローは開始しているようです。

「久々に強く腕を触れて気持ち良かった」と話す表情は焦りを感じさせるものではなく、純粋な喜びが伝わるもので、安心しました。

 もしかすると、この記事が公開される頃にはブルペン入りして投球練習を再開しているかもしれません。引き続きキャンプ中の奥川投手には注目していきたいと思います。

 池山隆寛2軍監督が「ヤクルトだけでなく球界の星」と話すように、自身が目標に掲げる「投球のすべてで高いレベル」を発揮できる投手を目指し、注目度を味方につけて焦らず頑張ってほしいです。




 そして、同じく番組でお話を伺ったソフトバンク千賀投手。名実ともに「エース」の道を歩む千賀投手の思うエース像は、「チームからもファンからも『千賀が投げるんだったら』と勝っても負けても言ってもらえる存在」なんだそうです。

 オフに行なったソフトボール上野由岐子投手・巨人菅野智之投手との自主トレでは、「まだまだだと思わされる部分と、彼らならではのものの考え方に触れ、いい刺激を受けた」と話すように、技術だけでなく内面や野球との向き合い方もさらにレベルアップした千賀投手を、今季は見られると思うとワクワクしますね。




 今年はなんといってもオリンピックイヤー。次回大会であるパリ五輪で野球は開催競技から除外されてしまいました。それだけに、稲葉篤紀監督率いる侍ジャパンにとっては何としてもいい結果を残したい東京オリンピック。そのメンバー発表は6月に予定されています。

「(もし選んでもらえたら)その舞台に立つ人にしかわからないプレッシャーなどがあると思うので、そういったことも人生の中でプラスにしていきたい」と千賀投手が話すように、オリンピックを通して日本のプロ野球界がさらなる発展を遂げる1年になってほしいと願っています。

Profile
宮司愛海(みやじ・まなみ)
91年7月29日生まれ。2015年フジテレビ入社。
福岡県出身。血液型:0型。
スポーツニュース番組『S-PARK』のメインキャスター。スタジオ内での番組進行だけでなく、現場に出てさまざまな競技にふれ、多くのアスリートに話を聞くなど取材者としても積極的に活動。フジテレビ系東京2020オリンピックのメインキャスターを務める。

著者:photo by Miyaji Manami