厳選!2歳馬情報局(2020年版)
第19回:ミスフィガロ

 競馬シーズン真っ盛りの秋、注目の2歳牝馬がデビューへ向けて、着々と態勢を整えている。

 栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するミスフィガロ(牝2歳/父ディープインパクト)である。


ダービー馬ワグネリアンの全妹、ミスフィガロ

 彼女は、いわゆる「ダービー馬の妹」。2018年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)を制したワグネリアン(牡5歳/父ディープインパクト)の全妹である。

 ワグネリアンは2歳夏にデビュー。新馬戦を白星で飾ると、オープン特別の野路菊S(阪神・芝1800m)、GIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)と無傷の3連勝を決めた。

 その結果、翌春のクラシック有力候補に名乗りを挙げたが、前哨戦のGII弥生賞(中山・芝2000m)ではダノンプレミアムに完敗し2着に屈した。そして、続くクラシック初戦のGI皐月賞(中山・芝2000m)でも、最大のライバル、ダノンプレミアムが出走を回避して1番人気に支持されるも、見せ場なく7着と沈んだ。

 おかげで、ワグネリアンの評価は急落。ダービーでは5番人気となった。しかし、最高峰の舞台で同馬は復活。世代の頂点に立った。17番枠という外枠発走をものともせず、先行集団につけて早めスパートから、エポカドーロとの競り合いを制して戴冠を遂げた。

 その後、ワグネリアンはGIでの勝ち星はないものの、GI戦線で今なお奮闘を続けている。その妹ゆえ、早くから多くの期待を集めているのが、ミスフィガロである。

 兄と同じ友道厩舎に所属して調整を重ねているが、スタッフの評価はどんなものなのか。関西競馬専門紙のトラックマンが様子を伝える。

「友道調教師はミスフィガロについて、『走らせるとキレがありそうな動きをする』と話しています。ディープインパクト産駒らしい、瞬発力に秀でたタイプと言えるでしょう」

 この血統で「キレがありそう」となれば、自然と期待値は上がる。ただ、まだ成長過程にあって、不安な点もあるようだ。

「兄も大きなタイプではなかったのですが、ミスフィガロはさらに小さな馬体。2週前に同厩舎のスタッフに話を聞いた時には、馬体重は『400kgほど』とのことでした。カイ食いが細いタイプで『まだこれから成長が必要』と、そのスタッフは話していましたね。その分、実戦においては、『まだパワーが付き切っていないので、軽い芝でよさを出せれば』とのことでした」

 初陣の予定は、10月25日の2歳新馬(京都・芝1600m)。ワグネリアンとのコンビでダービーを制した福永祐一騎手が鞍上を務める。

 ダービー馬の妹は、周囲の期待どおりターフで躍動できるのか。まずは、デビュー戦での走りに注目したい。

著者:河合力●文 text by Kawai Chikara