デビュー以来4戦無敗でGI桜花賞(阪神/芝1600m)、GIオークス(東京/芝2400m)の3歳牝馬二冠を果たしたデアリングタクト(牝3歳)。10月18日に行なわれるGI秋華賞(京都/芝2000m)で、JRA史上初となる無敗での3歳牝馬三冠達成に挑む。


秋華賞で無敗での3歳牝馬三冠に挑むデアリングタクト

 エリザベス女王杯が3歳以上のレースとなり、秋華賞が3歳牝馬の三冠目のレースになったのは1996年。それ以降、春の二冠馬が秋華賞に出走したのは5回で、そのうち4頭が三冠を達成している。

 敗れた1頭は、のちに天皇賞・秋やジャパンカップを勝利するブエナビスタで、ハナ差の2着入線(3着降着)だった。この時は、桜花賞、オークスともに僅差の2着だったレッドディザイアが三冠を阻んだが、デアリングタクトにはそんな好敵手がいないように思える。

 ちなみに、無敗の二冠馬が秋華賞に挑んだケースは1度もない。近いところでは、2006年に無敗のオークス馬だったカワカミプリンセスが秋華賞を制したが、桜花賞に出走していなかった。

 あえてデアリングタクトの不安を挙げるとすれば、コース適性だろうか。秋華賞が行なわれる「京都/芝 2000m内回り」は、直線が短い小回りコース。多頭数ではゴチャつくことも多く、前出のブエナビスタも3〜4コーナーでの進路取りで後手に回り、それが勝負の分かれ目になった。

 父エピファネイアの産駒は、現2歳が2世代目でサンプルが少ないこともあるが、同コースでの勝率が11.1%で、東京/芝2000mの15.0%、中京/芝2000mの22.2%と比較するとやや落ちる。さらに母父キングカメハメハに絞ると、2010年以降は同コースで勝率 8.3%と物足りない。

 もうひとつ、牝馬三冠を達成した4頭のレースを見ると、一昨年のアーモンドアイ以外はいずれも4コーナーでは9番手以内だった。デアリングタクトはデビュー戦で京都/芝1600m内回りを経験しているが、そのレースは11頭立てで出走馬の力も違った。桜花賞とオークスも、4コーナーでは10番手以下だっただけに、同じ位置取りだとアーモンドアイ級の能力が必要になるだろう。

 今回の出走馬の中で、リアアメリア(牝3歳)、ウインマリリン(牝3歳)、マルターズディオサ(牝3歳)といった実力馬は、いずれも前めのポジション。「春で勝負づけが済んだ」と決めつけるのは意外に危険かもしれない。

著者:土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu