ナ・リーグ西地区で首位を走るドジャースだが、専門メディア『ドジャース・ネーション』は内野強化のためにトレードを提唱。当初の構想通り、現在遊撃を守るムーキー・ベッツ内野手を二塁手として起用するため、本職の遊撃手を獲得するように促した。

■守備負担を減らし「打撃に集中して」

シーズン前の構想では、昨季ケガで全休したギャビン・ラックス内野手が遊撃手として復帰し、ベッツが二塁を守る予定だった。しかし、キャンプやオープン戦を通じてラックスの守備、特に一塁への送球で不安が露呈。そのため、急きょ開幕直前にベッツを遊撃に回した経緯がある。

それを踏まえて『ドジャース・ネーション』のダグ・マッケイン記者は「守備負担を減らし、より攻撃に集中してもらうためにもベッツは二塁手に戻すべきだろう。そのためには本職の遊撃手を獲得する必要がある」と主張した。

そもそも昨季まで右翼手だった31歳のベッツを二塁手にコンバートしたのは、体力の消耗を防ぐ意味が大きかった。しかし、遊撃手としてほぼフルタイム出場することになり、同メディアは「最初の目的は無効になった」と指摘した。

ベッツは打率3割を超えているものの、開幕直後の勢いはやや陰りを見せている。この理由を守備負担にあると考えた同記者は、長いシーズンを見据えてベッツを二塁手に戻し、トレードで遊撃手を確保するように訴えた形だ。

■有望投手を交換要員にトレード成立か

肝心の獲得候補にはボー・ビシェット内野手の名前を挙げた。ブルージェイズのスター選手だが、今季は打撃不振に見舞われている。それでも同記者は「ラックスより良いことは明らか」と記した。

交換要員としては「ブルージェイズは自前で投手を育成するのに苦労しているため、少なくとも正真正銘、有望なメジャーリーグ投手1人と、投手を含む若手有望株のパッケージでまとまる可能性がある」とした。

ブルージェイズは現在、ア・リーグ東地区で最下位。ポストシーズン進出を断念せざるを得ない状況になれば、チーム再建に動き出すことは必至で、ビシェットのほかブラディミール・ゲレーロJr.内野手らの動向にも注目が集まっている。

夏のトレード期限前にドジャースは動くのか。そして、当初の構想通りベッツを二塁に戻すのか。ワールドシリーズ制覇を至上命題とするチームとしては、死角を潰しておきたいところだろう。