「乳しぼりをした日が分かる牛乳」など展開、“価格より商品力”で独自路線を歩む高知・ひまわり乳業

「乳しぼりをした日が分かる牛乳」など展開、“価格より商品力”で独自路線を歩む高知・ひまわり乳業

乳しぼりをした日が分かる牛乳や、酪農家の顔写真入りの牛乳を展開

〈生産者との近さが強み〉
高知県南国市のひまわり乳業が、地域の酪農家と作り上げるこだわりの「乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」を、NB(ナショナルブランド=メーカーによるブランド)や地元量販店のPB(プライベートブランド=小売業者や流通業者によるブランド)で展開し、価格競争に巻き込まれない商品作りを通して、地域乳業ビジネスの可能性に挑んでいる。

吉澤文治郎社長は、「牛乳は搾りたてに近い方がおいしい。価格競争の中で、当社にしかできない商品作りをすることが、地域乳業でこれから先生き残る唯一の道と考える」と、独自路線を貫く思いを強調する。

「搾乳からどこまで短い時間で牛乳を店頭に並べられるかやってみよう、というが出発点。生産者(酪農家)との距離の近さ、近い関係をアピールしたかった」(吉澤社長)。同社は1922年(大正11年)創業。1946年に法人化し、余乳処理問題を解決するため練乳を製造し、これを加工乳に使ったところ「おいしくて濃い」と大ヒット。この商品名に使った「ひまわり」を、その後取り入れ社名変更した。現在、県内の半分の原乳、決まった酪農家と取り引きをしており、年間生乳処理量は1万t。牛乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料(高知県民のソウルドリンクとも呼ばれる「リープル」)、デザート、青汁飲料など約100品目を製造している。高知県南国市を拠点に、四国全域から関西、一部関東へ商圏を広げ、年間売上高は約35億円。従業員数は139人。 物部川沿いに位置するひまわり乳業本社

物部川沿いに位置するひまわり乳業本社

乳しぼりをした日が分かる牛乳を手がけたのは2009年頃。搾乳日の翌早朝、低温殺菌充填し、その翌日には店頭に並ぶという素早さがポイントで、消費期限、製造年月日、搾乳日の3つの日付けがパッケージに印字されている。2012年にはダイエーのPBとして採用され、関東、関西、中京地区のダイエー全店、グルメシティ全店で販売された。
 
その後、滋賀を中心としたスーパー、平和堂のPB牛乳をはじめ、兵庫・姫路を中心に展開するこだわりストアー、ヤマダストアーのPB牛乳などに採用され、そのこだわりとおいしさ、同社の存在を広めている。また酪農家を限定し、この酪農家全戸の名前を記載した牛乳や、顔写真入り牛乳なども手がけ、このほか完全自給飼料にこだわる川添ヤギ牧場のヤギミルクも取り扱い、地域の酪農家とともに高品質なものづくりを実現し、地域乳業ビジネスの面白さ、可能性を広めている。

消費期限・製造年月日・搾乳日の3つの日付けをパッケージに印字

消費期限・製造年月日・搾乳日の3つの日付けをパッケージに印字

ものづくりへのこだわりはミルクだけでなく、青汁生産にも。高知の限界集落・大豊町の契約農家が栽培した農薬不使用ケールなど野菜10種類を使った宅配専用の健康青汁「菜食健美」を製造し、栽培管理や集荷は同社が担当、中山間の耕作放棄地などの有効活用にもつながっている。
 
宅配先の地域も高齢化が進んでおり、「最近は宅配商品の中では牛乳より青汁の方が多い」と笑いながらも、「氏素性がはっきりしている商品(こだわり商品)の製造、販売に今後も力を入れていく」と意気込む。
 
〈食品産業新聞 2019年7月15日号〉

ひまわり乳業 吉澤文治郎社長

ひまわり乳業 吉澤文治郎社長


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